【寝取られ新機軸】大切な彼女が寝取られた結果、寝取り相手の母親とつき合うことになりました
花町ぴろん
第1話 内気な僕、親友に最愛の彼女を寝取られる
夕暮れ時。
ピンク色の色調で可愛らしく統一された幼なじみの部屋。
一緒に笑いそして時には泣き、数えきれないほどのふたりの思い出がつまった大切な場所。
そのベッドの上で抱き合い激しくキスを交わす下着姿の男女。
ひとりは僕の幼なじみで最愛の彼女、カスミ。
もうひとりは僕の最高の親友、茶太郎。
――――時が止まる。
一瞬の思考停止。
僕の頭の中は今まさに混乱状態のきわみにあった。
この異常な状況に誰もがただの一声も発することができないでいる。
見慣れた幼なじみの部屋を重苦しい沈黙が支配している。
どこか遠くから救急車のサイレンの音が聞こえてくる。
その音でやがて止まった時間がゆっくりとその流れを取り戻す。
僕の頭でバラバラだったピースがゆっくりとひとつに組み合わされて行く。
「僕って、浮気されたんだな……」
怒りの感情より先にまず僕の心に湧き上がったのは、そんなひどく虚ろで空しい感情だった。
絡み合う3対の視線。
ピンクのカーテンに閉ざされた薄暗い部屋の中は、相変わらずしんと静まり返っている。
――――それにしてもいったい
☆☆☆☆☆☆
人見知りで内気な僕、優しく明るい性格のカスミ、少しワルぶってはいるが曲がったことの大嫌いな茶太郎。
僕たちはいつも最高のトリオだった。
カスミとはご近所さんで幼稚園以来の幼なじみ。
そんな僕とカスミのふたりに小4の夏からは茶太郎が加わり、気づけばいつも3人でいるのが当たり前になっていた。
「デブー、食いすぎんなよぉ」
「なんか臭うんだよ、このブタ」
「そこ通れねぇよ、どけよ横綱」
内気な僕はそんな時、決まっていつも黙って下を向きうつむいてしまう。
でもそんな心無い声をあびせかけるクラスメイトたちからかばうのはいつも茶太郎だった。
茶太郎の強い態度に気おされたのかクラスメイトたちのそんな声もいつしか収まって行った。
引っ込み思案な僕はそんな茶太郎を心から信頼していた。
茶太郎は僕が幼い頃からカスミに思いを寄せていることを知っていた。
ずっと告白する勇気が出なかったが、中3の夏祭りで僕はカスミにようやく長年に渡る思いを伝えることができた。
カスミもハニカミながらボクの告白を受け入れてくれた。
聞けばカスミも幼い頃からずっと僕のことが好きだったそうだ。
そんな心地よい幼なじみの関係から、あともう一歩踏み出せなかった僕たちを後押ししてくれたのが茶太郎だった。
いつまでも仲の良い親友3人組。
僕たちの関係はこれからも何一つ変わらないまま続いていく。
僕はそう思って疑わなかった。
それがなんでこんなことに……。
「とうとうバレちまったかぁ。まぁ、そういうことだシン」
開き直ったような口調で、茶太郎が口角をつり上げる。
一方、ふたりをじっと見つめる僕の視線に対してカスミは気まずそうにその目をそらす。
いたたまれなくなった僕はついにはその場から走って逃げだす。
背後からは小馬鹿にしたような茶太郎の笑い声が聞こえていた。
家に戻り、僕は逃げこむように自らの部屋に入るとベッドへと倒れ込み頭から布団をかぶる。
これまでのカスミとの楽しかった思い出の数々が、頭の中でまるで走馬灯のようにグルグルと駆け巡る。
混乱する僕の頭の中では、
『明日からいったいどうしたらいいんだろう?』
――――そんな情けない考えが渦巻いていた。
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