現代落語風味

第1話 読み聞かせ 現代初天神風味

ぼうや、おいで、もうおねんねの時間ですよ。

ん？なあに、まだ眠くないの？　じゃあ、ママがお話をしますから、

お布団に入ろうね。

いい子ね。今日はどんな、話をしましょうかねぇ。

それじゃこれがいいかな。

むかし、むかし、おじいさんとおばあさんが、山奥で暮らしていました。

え、むかし、むかしって、いったい西暦何年の話なのかって？

そうね、大体300年以上前の話じゃないかしら。って言うことは、西暦1700年あたりね。

その辺はっきりさせてもらわないと、気が散って話に身が入らない？

じゃ、1738年の話です。

おじいさんは、や・・

え、おじいさんっていったい何歳なんだって？　多分、お孫さんがいるくらいだから

60歳にはなってると思うのよ。

それじゃ、年金はまだもらってないのかって？

その頃、年金制度はなかったと思うわよ。

じゃ、何で暮らしを立てていたのかって、今からそれを話すのよ。

でも、当時はまだ、世界的にIT企業なんてなかったから、

第一次、第二次産業が盛んで、第三次産業は毛が生えた程度だろうなって。

そうでしょうね。多分。

するってえと、さっするにその爺さんと、婆さんは山に芝刈りに行くか、川で洗濯なんぞして、竹を取ったり、桃を拾って勝手に食べようとしたり、狐やタヌキと戯れたり、地蔵に笠をかぶせたりするしか、やることないね。って、ぼうや、随分とご本を読んだのね。

え、なあに？あとは、鬼殺隊に入って鬼を退治して、大体終わるやつな、って、

ぼうや、小学校に入る前に、随分と世の中を斜に構えてみるようになっちゃったのね。

ママ心配だわ。　え？明日の朝は、まだ見ていない機関車トーマスの録画みるから、

早く寝るねって、子供なんだか、大人なんだかよくわからないわね。

じゃお話は聞かないの？　機関車トーマスに無限列車が出てくるなら

聞いてあげてもいいって、今の子って、吸収が早すぎて、ママついていけないわ。

え？付いてこなくていいんだよ、すべてを愛してる、いつでもあなたは私の光。って、米須玄師かっての。

＊音声配信アプリspoonのキャストに、音声化したものをアップしております。

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