オレと別れてざまぁだと思ってるのか?
猫の集会
第1話
オレは大学生。
彼女は、なんと学年でベストスリーに入る
くらいの美人だ。
二人で歩いていると美男美女カップルなん
て言われる。
そもそも向こうから付き合おうって言って
来たんだけど、オレのどこがよかったのだ
ろうか…?
今度のデートで聞いてみる事にした。
カフェで休憩している時聞いてみた。
するとまさかの答えが…
「え〜、オレのどこが好きってルックス?
私の隣にいても劣らない感じとか〜。」
は?
なんだよそれ…
「オイ、それって見た目だけって事?」
「ま〜ね〜。」
「ふざけんなよ。オレはミリカの些細な気遣
いとかにひかれてたんだぞ。外見重視って
んならさ、オレたち別れよう。」
「フッ、別にお好きにどうぞぉ〜。あんなの
ただの作戦だし。簡単な男って思って少し
笑えたわ。ま、他に男なんてわんさかいる
し〜。別れても全然いいけど。」
オレはその店を後にした。
なんなんだよ。
ミリカの奴‼︎
思いっきり猫被りかよ‼︎
初めは、ミリカが妖精に見えた。
くしゃみをした時そっとティッシュをくれ
たり、自分の落としたゴミじゃないのにそ
れを拾って捨てたり。
そんな些細な事ができるミリカが好きだっ
た。
それなのにミリカは、外見重視だったなん
て…
しかも、作戦って…
オレはそもそも中身が空っぽなんだろうか
…
次は、見た目じゃなく中身を好きになって
もらえるようにしたい。
中身…
うーん。
とりあえず沢山の本を読んで勉強した。
すると今まで見てきたところ以外にも目を
やるようになった。
なんだか見方が変わると世界が変わってみ
える。
相手の表情や行動、口調。
今まで見逃していた部分が沢山ある。
たまに携帯を見ながらミリカと会話してい
た時もあった。
そういう部分でも、空っぽと思われてしま
ったオレのせいもあったのだろう…。
これからは、きちんと話しかけられたら
その人の表情や口調に気をつけてながら、
しっかり聞いた。
適当な返事は、やめた。
そして、よく笑顔を心がけた。
リアクションも大きめに。
とにかく楽しく過ごすことも心がけて。
勉強も一生懸命取り組んだ。
ミリカとも普通に話をした。
本当なら、あんな奴無視してやりたかった。
でも、ここは器を大きく。
ミリカが困っていたらきちんと気にかけて
あげた。
どうやら風邪のひきはじめらしいミリカ。
寒そうにしていたから、ホットレモンを買
ってやった。
そして上着もかけてあげた。
フッと顔を上げるミリカ。
「寒いんだろ。ひきはじめがかんじんだから
な。」
明るい笑顔でミリカに言った。
「…うっうん。そだね…ありがと…。」
ミリカは、少し動揺していたように見えた。
次の日ミリカがわざわざ上着を洗濯して、
持って来てくれた。
「わざわざ洗濯なんていいのに。風邪は、ど
うなの?」
「あー…おかげさまで良くなった。ありがと
う。」
「そっか。よかったな。」
「う…うん。どうも。」
なんかミリカが最近ヘンだ。
今までは、結構強い口調というか負けん気
溢れんばかりといった感じだったのに、な
んかよそよそしい…。
しかも、よくこっちを見ている気がする…
なんだ⁇
私と別れてざまぁって思ってんのか⁇
よくわからないまま、オレは日々人生の成
長を遂げていた。
みんなに優しくすると自分も心があったま
る気がする。
こっちが笑顔になるとたいがい相手も笑顔
のお返しをくれる。
自分の態度や些細な一言が相手にこんなに
も影響するなんて考えもしなかったな。
オレは帰りに友達とジュースを買っていた。
「祥太‼︎」
ミリカ。
「ごめん。先行っててもらっていい?」
「おう。」
友達に先に行ってもらいミリカの方に歩き
だした。
「ごめん…呼び止めて…。」
「うん。いいよ。どうした?また風邪ひいた
か?ジュース飲む?」
「ううんっ。そんなんじゃないよ。あのさ、
あのー…」
「うん」
「あのね、前に祥太のこと外見だけとか言っ
てごめん。本当ごめんなさい。今ならわか
る。祥太いいやつだった。私の見る目がな
かったんだと思う。それだけ言いたかった
の。」
「そっか。ならオレもごめんな。きちんと、
ミリカと向き合ってなかった。」
「え…。祥太。」
「あのさ、もう一回オレたちやり直してみな
い?」
「でも…あの時酷いこと言っちゃったのに。
こんな私でいいの?」
「逆にこんなオレとよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そしてオレたちは、復縁した。
今は、きちんと向き合って外見だけなんて
言われないようになった。
むしろお互いをきちんと理解しようと日々
奮闘中。
前よりずっと楽しい日々だ。
オレと別れてざまぁだと思ってるのか? 猫の集会 @2066-
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