第2話 九条家

九条家の朝は、早い。

父であり、九条大和の担任教師でもある九条祐太郎は、朝4時に起きて風呂に入る。

それから支度をして7時前には家を出る。

妻の由香里とは、同じ高校の同級生であり、

年齢は、38才。

20才で結婚したのだが、周囲は冷ややかだった。

そんな早くに結婚なんてと言われて祐太郎も由香里も自分達が祝福されていないという事に涙した時期もあった。

21才の5月16日に、長男大和が誕生し、祐太郎は、教師になりたいという子供の頃の夢を叶えたいと、子育てと大学の卒業の二刀流に励み、大学卒業後に、教育実習でお世話になった台南私立高校の教師となった。

そして、由香里は、5年前に、待望の長女未華を出産した。

由香里は、元子役でアイドル歌手だった。

しかし、祐太郎との記事が明るみなり芸能界を引退した。6才~19才までの13年の芸能界生活だった。

大和は、サッカーを保育園から習い、中学時代には、スーパー中学生と呼ばれており、毎年のバレンタインデーは、大量のチョコで溢れており、本人は、嬉しい反面少し困っていた。

未華は、日曜日にやっている魔法少女ものが好きな女の子。

家族のムードメーカーであり、ひかるに対して睨みを見せた大和さえメロメロになってしまう。

そして、未華は、ある秘密を抱えていた。

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