巣食う美意識
シヨゥ
第1話
生きる上で何を重要と思っているんだろうか。流されるままに生きてきて、ようやくそんなことを思うに至った。
芯がないように思う。何を取り組むにも人にあるとされる一本筋の通った価値観。いわゆる美意識が存在しない。
こうあれば自分は美しくあれる。そこから離れるほどに醜く感じて気持ち悪い。そう感じたことがないのだ。
人生を反芻してみるが、勉強、仕事、遊びにおいて感覚的に気持ち悪いと思ったことがない。中途半端な結果になってもそれが100パーセントの結果なのだと納得してきた。
つまりは何事も投げ出さずにやりきってきたことになる。
ここまで考えてはたと思う。やりきることがぼくの美意識じゃないかと。やりきることが僕にとって一本筋の通った価値観なのだと。第一義は完走することなのだと。
流されるままに生きてきても美意識は無意識に巣食っている。それを意識できるか。今と過去のぼくの差はそこにしかない。だから意識できたことを大事にしようと思う。些細な差を大切にするために。
巣食う美意識 シヨゥ @Shiyoxu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます