第25話 咲子の電話
彼女は2人で問題を解決するつもりでいた。
そして
しかし、今さら1人助かってと言う気持ちがある。
自分も自殺すれば楽かなとも思う。
だが、死ぬのは怖い・・・
呪い殺されるのは、もっと嫌だ。
悶々とする中でみおのことを思い出す。
咲子はみおの秘密を知る少ない友達だ。
彼女は久しぶりにみおに電話をかける
「みお、久しぶり元気。」
「うん、咲子は。」
「ちょっとね。」
「どうしたの。」
みおは元気のない咲子を心配する
「相談に乗って欲しいの。」
「何かあったの。」
「赤壁の家、覚えている。」
「ええ。」
みおは1年前のことを思い出す。
助けることのできなかった
無事に戻ってきてくれると信じた
無力な自分のこと。
呪いで死んでいったクラスメートや関わって死んでしまった人のこと。
今でも自分の能力を生かすために機会があれば霊能者に弟子入りしたいこと。
全てが赤壁の家から始まっている。
咲子には1年前、赤壁の家が危ないから近づかないように注意したはずだ。
彼女は弱弱しく話始める
「この前、
「集まってどうしたの。」
「早苗が肝試ししようと言い出した
の。」
「まさか、赤壁の家に行ったの。」
「早苗が大学の友だちと張り合ってい
て、どうしてもと言うから行ってし
まったの。」
「何人で行ったの。」
「4人、早苗、
「何があったの。」
「玄関に入ったら黒い影がいて、居間
に逃げ込んだの。」
「どうして外に出ないの。」
「混乱して仕方なかったのよ、そうし
たら、ソファーが飛んできたの。」
「危ないでしょ。」
「台所に逃げたけど包丁が飛んできた
の。」
「それで外に逃げたんでしょ。」
「違うわ3つある居室を見に行った
の。」
みおはめまいを覚える。
3つ目の一番奥の部屋へ行けば呪われてしまうのだ
「途中で帰らなかったの。」
「ごめんなさい。」
咲子の声は泣きそうである
「1つ目と2つ目の部屋は何もなかっ
たわ。」
「そうね。」
みおは神様に祈りたい気分である
「3つ目の一番奥の部屋に入ったら、
早苗がスマホで写真を撮ったの。」
「何もなかったのね。」
「いいえ、写真に黒い
わ、それでみんな逃げ出そうとした
の。」
「無事に逃げられたのでしょ。」
みおは希望を求めるかのように言う
「そしたら頭の中に声が聞えて来た
の。」
みおは天を仰ぐ。
「どんな声。」
「若い女の
「なんて言っていたの。」
「最初がお前、次がお前、その次がお
前、最後にお前と聞えたわ。」
「どういう順番なの。」
「早苗、彩、恵子、私の順番よ。」
「咲子、それで何かあったの。」
「早苗の友だちのお父さんにお祓いを
してもらったの。」
「うまくいった。」
「ダメだった、その人死んでしまった
わ。」
「次はどうしたの。」
「
もらったの。」
みおには結果が見えている
「どうなった。」
「その人も死んでしまったわ。」
「みんなは生きているの。」
「早苗は自分の部屋で倒れて死んだ
わ。」
「彩は。」
「彩は路上で恐怖に顔をゆがめて死ん
だわ。」
みおは自分の手が震えてくるのが分かる
「恵子、恵子は生きているでしょ。」
「いいえ、首を吊って死んでしまった
わ。」
「どうして。」
みおには自殺する気持ちが分かっていたが聞かずにはいられない
「あんな死に方したくないもの。」
「どういうこと。」
「
んでいたの、怖いわ、死ぬ勇気もな
いしどうしよう。」
怨霊の呪いによるものに間違いない
「時間はあるの。」
「たぶん1週間後に私は死ぬわ。」
「私、何とかしてくれる人知っている
わ、こっちにこれる。」
「本当、今から行くわ。」
みおは
高志があれだけ探しても怨霊にかなう祓い屋を見つけることが出来なかった。
草薙純教さんも怨霊に負けてしまっている。
しかし、沙也加さんなら除霊してくれそうな気がするのだ。
解呪は
咲子は列車を使い途中、一泊して東海市にくる。
みおとと咲子は
咲子の顔は葵たちと同じように歪んで見える、やはり怨霊の呪いにかかっている
そして、そのまま沙也加さんの探偵事務所へ向かう
「ここ探偵事務所でしょ」
「そうよ、ここの所長、除霊できるの
よ。」
中に入ると沙也加さんは
「遊びに来・・・」
言葉を詰まらせる
「沙也加さん、何とかできますか。」
みおが聞く
「・・・」
沙也加さんは返事をしない。
彼女はかなり強い呪いの気配を感じている。
「一条さんこんにちは、そちらは。」
「友だちの咲子です。」
沙也加さんは難しい顔をしている
「どうしたの沙也加。」
「たすく、手をつないで。」
手をつなだ中野は驚く、咲子の顔が歪んで見えるのだ。
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