ひねくれジャンのたまご屋
蕪 リタ
前編
ここは、大陸北東部にある割と賑わいがある街。中でも、大陸最大の湖が望める観光地側とは正反対の家々が立ち並ぶ場所。大通りを一歩中に入れば、国問わずに魔物を狩るハンターたちが
元々は、本業の
今では、ひねくれ店主が
おっと。そろそろ
粉々になった木製の引き戸を今度は間違えずに
水煮にしておいたギミックシェルが入った鍋を取り出し、火にかけながら昨日の残りの野菜を適当に切る。鍋に
「はよー!」
「・・・・・・おう、らっしゃい」
「いつものくれー」
「ジャン兄こっちもー」
「あいよ。ちーっと待ってな」
あと少し吸っていたかったが、火を消しながらボリボリと頭をかく。ちっと面倒だなぁなんて思いながら、その辺に置き忘れていた
「
「今日はブラックボアだな」
「「「え!? ブラックボア!?」」」
「ん? あぁ、昨日の用事の
フライパンや皿を出している間に、野郎どもは席につくなり何かコソコソし出した。ここで
「ボアってだけでも俺たちアレなのに」
「ブラックって確か・・・・・・めっちゃ硬くてA級のディーノさんでも手こずるって言ってなかったか?」
「レッドじゃなくて!? やっぱりジャンさんって、バケモンっすね・・・・・・」
振り向くと、なんか言いたそうな顔が並んでいた。
「今日はギミックシェルのスープも出してやるから、ちゃんと食えよ?」
「「「あざーっす!」」」
ここにくる奴らの
乱暴に開けてしまった窓から、ぬるっと
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