第2話 右へ



 工事現場をつっきるのはやっぱり怖い。


 しょうがない回り道するか。

 右だ。

 右に曲がろう。

 すると、そこに同じように曲がって来た女子生徒がいた。


 ちょっと悩んでいる間に、後ろから来た生徒が追いついてしまったようだ。


 彼女はクラスのマドンナ。


 皆がお近づきになりたくて必死になる、かわいい女の子だ。


 これはラッキーだぞ。


 周りには他の野郎共がいない。


 二人きりで話をして、この機会にマドンナと仲良くなりたい。


 俺は女の子に話しかける事にした。


 けれど、緊張してたせいか、足元にある石にけつまずいて盛大に転んでしまった。


 くそ、恥ずかしい。


 なんでこんな目に。


 気にせず、あのまま突っ切っていけばよかった!


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