第12話:別次元からの帰還者

ぎゅおおおお。

すっごい音を立てて、空間次元が崩壊する音が聞こえる。

『とにかく、離れて!!』


ドッカン!!

すっごい音を立てて次元が壊れた。その瞬間何かが聞こえた気がした。

そのあと何者かが外に出てきた。


ヒュンヒュンヒュン。

3人くらい出てきた気がする.....。

そしてなにか見覚えのあるやつが一人...。


「「あっ!?お前は!」」

うん。とりあえずめんどくさいことになりそうだから、俺はにーげよっと。

「あっ!?こら待て!」


「待てと言って待つやつが何処にいる?」

「っち!待てよ!」

「蓬莱宝玉:次元!次元転移!」


「ほんと感謝しろよ?」

「はあ?何がだよ!?」

「はあ。次あった時覚えてろよ。」


「ああ、上等だ!!」

ポワワ〜ん。

そう言い残し、俺は転移した。


そう、学園の外に。

「うわっ!いきなり出てこないでよ!」

「ははっ。わりいわりい。」


「むう。ご主人にくっつくのは私なのです!」

「あっ!?ずるい!私なんて元の世界の彼女なんだから!」

「うるさいですぅ=!」


「あっはははは。」

俺は幸せである。

彼女が二人もできてしまった。


が、そんなことも長くは続かない。

さっき聞こえたが、『もう....君...たち...にかん...しょう...できない...。』

そう聞こえた。


試しに

おい!ナスカ!!

いるんだろ!?


『.......。』

な?たぶんあれはナスカの声だ。

そしてなんでそう思ったのかはもう一つある。


この蓬莱宝玉がもう腕時計型になって巻き付いている。

だが、そんな宝玉からも声は聞こえない。

おおよそナスカになにかあったのだろう。


「どうしたの?」「ん?ああいやなんでもない。」

一応平穏を誘っておこう。

この娘達はナスカの存在が知らないのだから。


とにかく....。腕時計型になってからなんか変わってるし。

「ほんとどうしたの?ってなにこれ?」

「ああ、これは前買った腕時計だよ。」


「なるほど。で次は何処に行くのです?」

「一応、森で今日は寝よう。家に行こうか。」

「わかった!」


=次元之狭間之家=

「....。」やっぱりここも影響を受けてるか。

「あれ?今日はあの声がないのね。」


「ああ。ちょっと変更したからな。」「なるほどなのです!」

「とりあえずご飯を食べてさっさと寝ようか。」

「わかった!」


そうして俺らは寝た。

だが、俺の心の中はぽっかり空いていた。

いつもうるさかったあいつが突然消えた。


それだけでも悲しかった。

俺はトイレに入って、一人で泣いた。

一人寂しく号泣した。


幸い宝玉のおかげで声はあっちには聞こえない。

ただただ俺は泣き続けた。

何秒、何分、何時間と俺はこれほどまでにひとりなのかと心細くなった。


いつもは頼れるがいたから。

そういつもは心の奥底で思っていた。

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