普通の恋愛がしたい普通の大学生

@BIGpinker

第1話 入学

 僕はやっと高校を卒業した。晴れてこの怠惰な高校生活も終わり声を大にして喜びを表現したいと思いつつもとやり残したことの多くがそれを阻む。僕は偏差値54の高校に通い、成績も中の中、父はサラリーマン、母は専業主婦、確か最近スーパーでパート始めたらしい。ネコを2匹飼っている、1匹はもう先は長くないと思っている。

 僕は春から大学生だ。偏差値60の大学に入る頭もない僕はその辺の私立大学に入学した。特に興味のあることもない僕は無難な経済学部か経営学部に入った。僕は今日から大学の近くのアパートで独り暮らしを始める。母は心配そうな顔をしながら僕をアパートまで送り家に帰った。父は仕事か。

 僕はとりあえず実家から持ってきたご飯を食べながらテレビを見た。1人だとテレビの見え方もこんなに違うのかと少し寂しくなった。なんやかんやで20時になっていた。そういえば明日は入学式かとふと思いだした。大学から送られてきた書類には持ち物は入学許可証、筆記用具、昼食と書いてある。僕は昼を過ぎるのかと少し落胆した。準備するものも特にないことが分かると僕はベッドに入ってスマホをいじり始めた。すると「1人暮らし大学生あるある」と書かれたページを見つけなんとなんく見てみた。恋人と半同棲状態になるらしい、これがあるあるなら僕は幸せだ。僕には恋人なんてできたこともないし、同棲なんて夢のまた夢。また寂しさに襲われ僕は誰かに会いたくなった。でも話すのもめんどくさい、なんて自分勝手なんだと思った。ページを閉じようとすると誤って広告を押してしまった。デリバリーヘルスの広告だ。閉じようとしたが僕は好奇心と少しの性欲が沸いた。女性経験ももちろんない僕は先ほどの好奇心に勝つことはできそうにない。いや性欲の方か。いかんせん僕は電話をかけていた。

「もしもし〇〇ヘルス南店です」

「あ、今から会いたいです」

「お店のご利用ということでよろしいですか」

「はい」

「場所はどちらで」

 僕は電話の声にしたがってなんと予約できたみたいだ。落ち着かない僕はまたもスマホで今やるべきことを検索していた。すると

「お待たせしましたー」

 とインターホンから女性の声が聞こえた。ドアを開けると僕は時が止まったのかと思った。そこには雪のように色白で、きれいにまっすぐ伸びた黒髪、9頭身の女優であっても誰も疑うこともないような人が立っていた。僕は一目ぼれと恋の意義を同時に理解したような気持ちになった。

「シャワーいくよ」

「はい…」

僕は緊張で頭が真っ白だ、脱いだのか脱がされたのか覚えていないが、僕の股間を見て驚きと少しの恐怖を帯びた女性の表情は鮮明に覚えている。

「あ……女の子なんだね」

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