第32話仮装パーティー(???視点)
この世は仮装パーティーなんや。
僕がその事に気が付いたのは、そないに遅くなかったわ。
バチクソ性格がええって言われとる子が、陰で誰かさんの悪口を言ってる事なんてザラ。
生徒に慕われとる先生やて、裏で生徒に疲れとるなんてため息まじりに漏らすこともしょっちゅうや。
でも、どいつもこいつも面と向かっては言わへん。
皆、取り繕うて、他のもんから「ええ奴」やなって思われて上手く立ち回りたいんやろうな。
……まー現実だけやなくて童話の世界でもその辺りはよくある話やから、現実に生きる奴らがその辺りを深く思てもしゃーない話なんやろうし。
あ?
何の事やて?
はぁ、何や? 知らんのかいな。
……シンデレラや。シンデレラ。
あの子、世間からは意地の悪い家族に虐げられながらも
何たって、あの子血の繋がりはない言うても、義理の母親の首へし折った、
そないな子が、心優しいわけあらへんやろ?
☆★☆
まーこうしてウンチク垂れた僕も、
生まれて早20年近くも生きていればな、嫌でも自分の家がかたっ苦しい事ぐらいは分かんねん。
あーまて、そないなこと言ったらあかんな。
一応、あんなんでも「恵まれてる」だの「出来るなら変わってほしい」何てほざくやつもいるしな。(ホンマ、けったくそ悪いわ。鼻〇丸めて、顔に押し付けてやりたいぐらい)
……堪忍な、僕何の話してた?
そうや、僕がどうやって皆とおんなじ仮装パーティーに参加させてもろてるか、って話やな。
最初に言うとくけどな、僕は周りよりほんの少しやけどな、スタートから仮面被るの上手かったねん。
めっちゃ嫌やけど、これでも僕にも
人を欺く・騙す・
特に唆す事に関しては、もう天下一品。
皆、僕の口車に乗せられて、進んで動いてくれる。
ちょっと躊躇ってる子でもな、ほんのすこ~しだけ背中を押してやったら……。
楽やね~。
おかげで僕は安全圏からのんびり見学させてもらえるわけやし。
……っと、あぁまた悪い癖でてしもうたな。堪忍、堪忍。
でもな、そないな事して上手いようにやってきた僕やけどな、一つだけあんまええようにならへん子がいるねん。
顔も別嬪さんで頭も回って、僕結構気に入ってて欲しいんやけどな。
ちと時間かかってるわ。
難儀な話やで。
まあ、本人は足掻いとるつもりかもしれへんけど、もうほとんど99%僕のもんやて。
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