第13話 草食系男子の、暴発。
アタシと
特に剣使いの賊はきっちり締め上げる。
「コイツ、どんなステータスしてんだよ」
アタシは気になって剣使いの賊のステータスを確認した。
【基本】(名前)ラッシ (年齢)27歳
(種族)人間 (所属流派)カミーズ流
(名声)0 (悪名)22
(統率)■■■■48,
(武力)■■■■■■■■80,
(政務)■12,
(智謀)■■■■43,
(魅力)■■■38,
(野望)■■■■■■■75,
【技能】最高が◎4つ
歩兵◎◎ 開墾
騎馬 建築
鉄砲 鉱山
水軍◎◎ 算術
弓術◎ 弁舌◎
武術◎◎◎◎ 礼法
軍学◎ 茶道
忍術◎◎ 医術
【カード】
《称号》剣客
《個人戦》剛弓 毒斬り 月影 一刀両断 浮舟 肋一寸 畳返しの術 猫だまし 罵り 剛力 死んだふり※1 毒矢
《合戦》火矢 疾風船 陥穽 堅守 奮闘
《その他》操船心得 船酔不知 船頭奥義 忍び足 変装 石抜き
【列伝】
『センディの町近くを治める男爵家の3男として生まれたが、厳格な親に反発し家を飛び出し傭兵団を転々とする。野望が高く傭兵団の頭目ら首脳陣といつも諍いを起こし飛び出すを繰り返している。自分に着いてくる手下と傭兵団を新たに立ち上げようとして根拠地を探していた』
※1個人戦で受けるダメージを半減させ、任意の時間死んだふりをする〖独自〗
「コイツ、けっこう実力あるな。良かったぜ、正面からまともに挑まれなくてよ」
卑怯くせえ特技と仲間に頼ってくれたおかげで油断したんだろうな。
真っ当に生きて来てたら
賊になったら楽して勝てるって方向に流れちまう。
コイツが負けたのは、自分自身だ。
多少の同情はしないでもないが、まあ自業自得だ。
「コイツこの賊集団の頭目らしいな。自分らの傭兵団旗揚げして根拠地作ろうとこの島に来てたってことか。
ま、コイツらのことなんざ、同情してやる義理もねえな。
あとは分捕りタイムだ。
流石に
しっかし、どいつもこいつも碌なモノ持ってやしねえ。
多少金になりそうなモノは、ラッシって名前の頭目が持ってた価値4の剣くらいか。
他の雑魚はボロッちい弓やショボいナイフばかり。
あとは直近で海賊傭兵団に所属してたみたいで、船の修理に使うんだろう釘と金槌ばっかり持ってやがる。
金もラッシが100ゴールド持ってたのが最高。
無一文って奴もいた。
そんで、そんな貧乏なコイツらが、どいつもこいつも必ず持ってるのがエロ本。
まあ、こんだけ金持ってねーんじゃ、どっかの町で金払って女と遊ぶなんて夢のまた夢だろうし、男ばっかりでこんな離島に
つっても実際に襲われた身としては、賊どもの性癖を見せつけられているようで気分が悪い。
特に頭目のラッシが持ってたエロ本……
ちょっとパラパラめくって中身を少し確認したが、こいつはアタシの怒りにどストライクで火を着けた。
「こんの野郎……この世から消しちまった方がいいな」
アタシは豪雷砲に、最高に硬い弾頭を装填してラッシの頭に狙いを着ける。
「ど、どうしたんですか……レディアさん、落ち着いて下さいよ……」
「止めんなよ
ラッシの持っていたエロ本。
「刀剣少女と鍛冶師の御主人」と言うタイトルで、多分刀剣を擬人化した美少女と、それを打った鍛冶師の少女が寄り添って頬を寄せている表紙の絵。
タイトルの下に少し小さくサブタイトルが書いてある。
そのサブタイトルが「であべすて編」。
アタシが打った、あの忌まわしく祭り上げられた価値6の剣。
アタシ自身はあの剣に銘を入れていない。
銘を入れる程の価値があるなんて思っちゃいなかったからだ。
あの剣を持って行った家老が後で銘を入れたと聞いた。
それが「であべすて」。
どっか異国で「最高の1本」ってな意味らしい。
浮かれ狂ったお袋に聞かされて、どんだけ絶望したことか。
それを擬人化して、美少女?
許せねえだろ、そんなの。
決して鍛冶師がアタシとは似つかないナイスバディに描かれてたから、とかじゃない。
そんなに持ち上げられる程の価値は、あの剣は持ってねえ!
「
どかなきゃオマエごとブッ飛ばす。
今豪雷砲に装填してんのは、散弾じゃねえ、尖らせたヒヒイロカネの弾頭だ。
例えゴーレムだろうとブチ抜ける」
「気絶してる時に止めを刺したら、本当に死ぬんでしょう? ……止めてください……レディアさん……レディアさんらしくないですよ……」
「わかったような口聞くんじゃねえ! アタシの話聞かねえで寝ちまったくせによ! アタシの何がわかるってんだよ!」
「……本当は聞いてたんです……でも……レディアさんが泣いてたんで……涙見られるの嫌だろうと思って……」
アタシは
何かわからねえ、怒りだの恥ずかしいだの色んな感情が混ざり合って白くスパークした。
アタシの指は無意識のうちに引き金を引いていたらしい。
豪雷砲のパーンという銃声が響き、その音でアタシは我に返った。
「
豪雷砲の銃口の前に立ち塞がっていた
ナヨチンの元に駆け寄らなきゃいけねえのに、アタシの足はまるで生まれたての小鹿か、ってくらいノロノロしか動かねえ。
ピクリとも動かない
「済まねえ、
知り合いを撃っちまうなんて、アタシは最低だ……
アタシの涙が、
「泣かないで下さい、レディアさん……大丈夫ですよ……」
「
「『鬼逆撫で』の効果が続いてたみたいです……痛かったですけど、怪我はしてないみたいですから……安心してください」
そうか、『鬼逆撫で』の硬化効果は、結構長く続くんだな……
少なくともアタシがコイツを拾ってから、ジェニーのプレイが終わるくらいの時間は続くんだ。
結構長いぞ。
あれ、コイツもしかして一回発動してるから、硬化が長く続くの知ってたんじゃ?
直前。
「痛ててててててっ、目っ、目に何か……炭? スミぃ!」
そう言って自分の両目を抑えて転がり回る。
アタシの涙が、ナヨチンの
コイツ、一瞬アタシを口説きに来ようとしたし、まあ自業自得だ。
つーか、危ねえとこだった。
ナヨっとしたヤリチンパワー、やべえぞこれ。
目薬渡してやるのは、もうちょっと後にしよう。
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