第6話
犬が飼い主に尻尾振って陽気について行く如く小走りでフレイはロプトの後を追いかける。
旋回遊泳しているエグレゴアが、ロプトの後を追いかけるフレイを発見して、目を見開く。
―――やっと、めざめたのね
エグレゴアは遊泳をやめ、急ぎ上へ泳ぎ、漆黒の海の中に消えていった。
ロプトは立ち止まり、気だるそうに見上げ、エグレゴアが消えたことに気づく。
「監視の時間は終わりか?今回は早いな」
ロプトの目線をフレイが追いかけ、同じく見上げる。
「上に何か面白いのあるんすか?」
「ん?バカでかい小バエが飛んでいた」
「え?どこどこ」
フレイは無邪気に目を輝かせ、上をキョロキョロ探し出す。
「今さっき、でっかいハエトリグサに飲まれて消えた」
「まじすか、見たかっす」
落ち込むフレイに、ロプトは笑って小突く。
「あほ」
ロプトは痛がって涙目のフレイを無視して、再び歩き出す。
「置いてかないで」
フレイは少し先に行ったロプトを架け橋で追いかける。
<続く>
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