第3話 変なところ
「遅かったですね」
編集者は何かを急いで、隠したようにも見えた。
「何を隠したんだ?」
俺は隠された紙に手を伸ばそうとした。
だけど......。
「こ、これはまだ、ダメ、です......。後で教えますから」
俺は伸ばした手を引っ込めた。
ように見せかけ、紙を取った。
そこに書かれてたものは......。
「これ考えてたのか?」
「はい。先生にばっかり、任せっきりはいけませんから」
うちの編集者は変なところは真面目なようだ。
「じゃあ、一緒に作るか」
「はい!」
俺たちは気合いをいれて、作り始めた。
だけど......。
「これもダメだ」
ガッツリでヘルシーな料理が出来ずに、苦戦していた。
「やっぱり、片方に変更しましょ。そっちの方がうまくいきますよ」
「嫌だね。お前も言っただろ。足し算引き算だって。頑張ればできる。俺は諦めたくはない」
そう言うと、編集者にため息をつかれた。
「変なところで、頑固ですね」
どうやら、変なところがあるのはお互い様のようだ。
「お前との初めての合作だからな」
「そうですね」
流石にずっと考えとくと、頭が痛くなり、休憩をすることにした。
「先生、コーヒー飲みますか?」
そう言って、俺に暖かいコーヒーを渡してくれた。
「心も体も暖まるなー」
「そうですね。星が綺麗なので、見に行きましょ」
俺たちは防寒具を持って、コーヒーを持って、外に出た。
「こっちの世界でも星は綺麗ですね」
「そうだな」
俺たちは静かに星を眺めていた。
とても綺麗だった。
言葉に現せないぐらい、綺麗だった。
どんだけ時間が経っただろうか。
「流石に寒いですから、部屋に戻りましょ」
「そうだな。もう寝るか」
俺は寝室に戻り、睡眠を取った。
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