n=13 研究室の怪

 大学院生のMさんの話

 Mさんはとある理系の大学で院生をやっているのだが、所属している研究室で不思議なことが起こるという。


 研究室には、学生用にデスクトップパソコンが6台置かれている。そのうち一台だけが、なぜか頻繁にデータが消えるのだ。しかもそれは大抵、最悪のタイミングで起きる。例えば実験データを整理し終えた直後、報告書を書き終えた直後。ソフトウェア的にもハードウェア的にも問題はないはずなのに、とMさんは語る。


 年末にパソコンがフリーズ、完成間近の卒業論文を飛ばして留年した先輩の怨念がパソコンに宿っている。冗談交じりにそんな噂が研究室内で囁かれているそうだ。


 件のパソコンは分解して、パーツ単位で使ってもデータ飛ぶのか試すつもりです。

 Mさんはそう語った。

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