第2話 スキルと武器

安全な場所を求めて俺がやって来たのは三階にある備品倉庫だった。


理由としては、扉が鉄製で鍵をかければゴブリン程度なら入ってこれないであろうこと、それに少しではあるが非常用品があるからだ。


道中、2匹のゴブリンに遭遇したが、難なくバットで撲殺した。人を食っていたので殺すことに忌避感は無かった。元々そこまで抵抗は無かったし、体がよく動いたので問題は無い。


まずはさっき言っていたスキルだか武器だかとレベルアップについて確認する必要がある。


それを確認するため、俺はぼそりと呟いた。


「ステータス」


呟いた理由は気恥ずかしいから。だって「ステータス」とか厨二病かよ!

これで出なかったらただの痛い奴だぞ!?


その心配はなく、目の前に半透明の板が出現する。



_________________________________________


名前 戦場 蓮


性別 男


レベル:2


職業 未設定


体力:1300  筋力:20 速度:20

知能:22 器用:20


スキル:【火種】

称号 :先立つ者

_________________________________________



結構、知能高いな。恐らくレベルアップで数値が上がったから他のゴブリンは楽に倒せたんだろう。スキルは一つあるけどなんだこれ。今は置いておこう。戦闘には使えなさそうだし。称号...は一つだけ。


スキルの欄をタップしても説明が出てこないので諦めて称号の欄をタップする。



_________________________________________


先立つ者


魔物を最初に討伐した者に贈られる称号。

経験値の取得率が1.2倍になる。


_________________________________________


これ滅茶苦茶使えるな!取得率が1.2倍ってことは成長速度も1.2倍ってことになる。これならモンスター達を一掃することもいつかは可能かもしれない。そのためには武器がいるな。強力な武器が。


「まあとりあえずスキルガチャとやらを回してみるか」


ステータスボードの上にあるエクスクラメーションマークをタップするとガチャの画面が表示される。


________________________________________


魔物初討伐ボーナススキルガチャ

Sランクスキルピックアップ!

 

ガチャを二回回しますか?


 yes/no


________________________________________



「ソシャゲかよ!ずいぶん俗っぽいな。」


そうぼやきながらも迷わずyesを押す。画面が強く光り、演出が始まる。すぐにスキップボタンを押して演出を飛ばす。


悪いな。いつも演出は飛ばすことにしてるんだ。だって演出とか時間の無駄じゃね?

(*個人の感想です。)


出てきたのは虹色の球と黒色の球。虹色の球は最高レアだろうと期待し、先に黒色の球を押す。


出てきたスキルは


Eランクスキル 【魂操】


「名前的には強そうだけどEランクなのか?」


効果を見るのは後回しにしてもう一つの球をタップ。


光り輝く球から出てきたのは


Sランクスキル 【無限魔力】


「おお!?これは超大当たりなのでは?」 


名前からして強そうだ。期待に胸を膨らませ、早速効果を確認。


_________________________________________


Sランクスキル  【無限魔力】


魔力数が無限になる。魔力量が知能の高さに影響されなくなる。

代わりに攻撃魔法が使えなくなる。


_________________________________________


_________________________________________


Eランクスキル 【魂操】


魂を知覚することができる。


     現在ストック数(0/10)


_________________________________________



「攻撃魔法が使えない?はあ!?意味な....くもないか。回復魔法とかは使えるってことだろ?ならまあ...全部使えないよりかはましだな。【魂操】は意味がわからないしなあ。」


なんなの!?魔力があるのに攻撃できないとか...これ作った奴絶対性格悪いだろ!


「次は武器ガチャか...。はい演出はスキップっと。」


前と同じく演出をスキップして出て来たのは赤色の球が一つ。


「虹色は出なかったかあー。まあさっきのがラッキーだったんだろ。」


虹色が出なかったことにがっかりしつつもタップして確認する。



_________________________________________


Bランク武器  純黒


澄み切った黒の剣。白の片割れ。


攻撃力+100


_________________________________________



美しい黒色の短剣が排出された。無造作に出てきたが、刀身が剥き出しになっているのでかなり危ない。


「これ....。片割れって言ってるから二本で一本なのか?」


とりあえず手に持ってみるとよく手に馴染む。これがあれば戦いがかなり楽になるだろう。それでも初心者に短剣は難しい気もするけどな。普通の剣とかの方が良かったかもしれん。


しょうがないかと思って試しに短剣を振っていると、扉が外から叩かれる。


!?急にくるからビビったが、扉が壊されることはないだろう。鉄製だしゴブリン共の装備ではどれだけ筋力があっても無理だ。


音を出しすぎたのか?まあゴブリン程度なら問題ないはず。試し切りといくか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る