スキルと魔法が出現した世界で世界最強を目指す!
柏餅
第1話 世界が変わった日
あの日世界は一変した。
平和な日常は消え去り、すぐそこに命の危機が存在する。
力無き者は蹂躙され、強者は弱者を弄ぶ
そんな世界へと。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
誰もが気を抜くであろう昼休みの後の授業。
だいたいの生徒は目こそ開けているが意識はほとんど夢の中にいるようなものだ。
「眠い」
そんな中そう呟いたのは俺こと
授業が嫌いな訳ではないが、流石にこの時間帯は眠たくなってしまう。ましてや天気が快晴とあっては尚更だ。実際に周りの生徒達も机に突っ伏している者がちらほら見受けられる。
なので自分が授業を聞いてないのも致し方ないことだ、などと誰にしているかもわからないような言い訳を考えていると授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。やっと解放された。
休み時間に俺に話しかけて来る生徒はいない。どちらかと言えば陰キャだと自負しているし、いつものことなので気にもかけない。いや、1人友人はいるが他クラスなので短い休み時間はこちらのクラスには来れないのだ。
よくあんなにもがやがやと喋っていられるよな。俺だったら5分でデッキが尽きるぞ。
そのがやがやした連中の中心にいるのは
1人目は誰にでも優しく接することから陰キャにも人気がある
2人目はいわゆる委員長気質で、そのキツイ性格から一部のニッチな方々から人気を博している
3人目はギャルっぽい見た目で陽キャ君達から大人気、しかもいいとこのお嬢様という属性てんこ盛り
この3人だ。同じクラスではあるものの俺はほとんど喋ったことがない。あるとすれば神崎のお情けくらいだろう。
言ってて自分で悲しくなってきた。
いつも通り寝たふりを決め込もうとすると突如頭の中に電子音が響く。
ピロン!
_________________________________________
突然ですが今から5分後にあなた方の世界に魔物が出現しマす。この未来は決定づけられたもノであり、回避は不可能です。餞別として魔物を最初に倒した暁には報酬を差し上ゲます。是非変化した世界で生き残ることにお役立てくださイ。
それでは皆サんの未来に幸多からンことを。
世界の意思
_________________________________________
「は?」
システム音声が聞こえたことで先程まで和気藹々としていた教室内は静まり帰っている。
なんだ今の。聞こえたのは俺だけ?いや違うか全員いまの音声について話してる...てことはガチ?んな馬鹿なラノベじゃあるまいし——。
そこまで考えて思い出す。今まで読んだラノベでも最初は信じている主人公がいなかったことを。
ふと時計を見ると休み時間はあと6分。5分と言っていたので嘘だったとしても教室に戻ってくる時間はある。
そう言えば廊下に野球部のバットがかけてあったな。ちょっと拝借しよう。天堂が皆に今のことについて呼びかけているのを尻目に教室を出る。
奇妙なことがあったならまずは調べろ、というのが両親の教えだ。我が両親のことながら妙な教えであると自分でも思う。その教え通り、廊下に出てバットを握る。
予告された時間まで
後3分
2分
1分
0
何も起こらない。叫び声も聞こえない。俺の気のせいなのか?ならよかった...かな?まあ教室戻るか。
すると——
「え?」
空間が裂ける。そして中からは緑色の小さな体躯をした小鬼が飛び出してくる。所謂ゴブリンと呼ばれる化け物だ。
「なっ!ま....じか。」
その現象に言葉を失う。体が動かない。だからそれは反射だった。
空間の亀裂から出てきたゴブリンに向かって思い切りバットを振る。
一回、二回、三回.....
五回目で腕を止めて我に返る。
「はあっはあっはあ、あ、あ、うぇっ!」
ゴブリンの頭部がぐちゃぐちゃに潰された死体を見て、それを自分がやったとわかって気分が悪くなる。
少し経つと死体は青い粒子となって消えていった。
死体がなくなって幾分がましになるもまたもや電子音が響く。
_________________________________________
魔物の初討伐に成功しました!称号【先立つ者】を獲得しました!
_________________________________________
_________________________________________
経験値を手に入れました!レベルが2に上がりました。SPを20獲得しました!特典が付与されます![スキルガチャ][武器ガチャ]が解放されました。ガチャチケットを二枚ずつ手に入れました。
_________________________________________
教室の方からは叫び声が聞こえ始める。それを聞いて自分を奮い立たせると立ち上がって安全な場所を探し始める。
教室で何人死んだのだろう、と考えながら。
どうせ天堂の奴は死ぬとしても女子を守ってとかだろうな。
こうして世界は変わった。そして、戦場 蓮の物語が始まったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます