時計が狂った彼女と

@siturennsyouzyo

第1話 出会いと始まり

暖かい風が僕を優しく包む。

春。それは、僕が一番好きな季節だ。

公園では、子供たちの笑い声が聞こえ、それと合唱するかのように鳥が歌う。

きれいな景色もあるし、寒くも暑くもない。

最高の季節だと僕は思う。

ふと、桜の木の下に、スケッチブックが落ちているのに気が付いた。

「・・・桜の木だ」

スケッチブックの開いていたページには、桜の木が書かれていた。

本当に紙の中に景色があるみたいに綺麗な絵だった。

「それ、私のです。」

後ろから声をかけられて、びっくりして変な声を上げてしまった。

恥ずかしくて顔を真っ赤にしていると、スケッチブックの持ち主の彼女は、

とても美しい顔で笑った。





これが、彼女と出会った瞬間であり、別れまでのカウントダウンが始まった瞬間だ。

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