第Ⅲ章最初の雨、癒えぬ傷、吼えるYAGOO
人影が消えたの追うか、どうかと迷ってると凜が来た。
「何かあったの?」
「い・・いや・・・その・・・・悪ぃ人影消えちまった。俺のミスだ」
「そうなの?けど、振出だわ。今日のところは帰りましょう」
≪凛、私は単独で行動する。何かあったら駆けつけてくれ。わざわざの出迎えは不要でね≫
≪私も同感だ。そこのティーチャーと共に行動する。純一?何かあったらでは遅い。それに今日の天気予報は雨だ。この1カ月で起こったあまりにも不自然で連続誘拐拉致監禁事件の犯人は雨の日に来る≫
≪ティーチャーと辻褄が合う。私は純一が授業の間、ティーチャー共に情報のツテは諸々だがツケてある≫
ジュリアとティーチャーが純一が授業中に調査していた内容だ。そして、今日は帰りが早いので凛とも別れた。
「凛?今日はお疲れ。なんかあっちゃらLINEくれ」
「分かった、土井君こそ気を付けて。一番戦闘に向いてないんだから」
「ハハハハハハ・・・・俺はそうだよ。戦闘が嫌いなんだよぉ、俺はムラッシュのオーナーとして責任が問われてる」
土井純一は現ムラッシュⅢ代目オーナー。後に誰もが知るであろうVOLTROOMES創業者にして土井ストーリーのモデルとなる人物。
この頃の土井純一はムラッシュ中高学校の帰り道、戸越銀座商店街に寄った。
「ジュリア?喰いたいものがあったら言ってくれ」
≪商店街の食べ物全部≫
「う、嘘だろ?どんだけの胃やねん?その細い身体に食えるか、食べ残しは禁止だぞ。フードロスに繋がんだからよぉ」
≪全部食える!?今、腹気減りすぎたぞ、純一!?≫
ド”ン”ッ”!?ジュリアがそういうならそしておこう。
「ジュリア?ここの商店街一番うまい食べ物喰わせてやる」
商店街を進んでいき揚げ物の店で歩みを止めた。
「チキンボール1個10円。ここの商店街で最高に旨いぞ。」
≪今の私なら1000個は喰える。正直、いやな予感がする。万全な腹ごしらえと体力の回復が先だ。純一?今日の夜だぞ≫
「ん?何だよ、急に」
≪雨だ。今日の天気予報、18時から大雨だ。そして雨の日に限って生徒失踪の事件だ。おそらく犯人は雨の日ではないと動けないとある≫
「おっちゃぁん、チキンボール1000個くれ」
「純ちゃん純ちゃん純ちゃん、応援してるよ、純ちゃんのチーム、今週本選なんだっけ?」
「えぇ。まぁ・・あぁ・・はい、商店街がスポンサーになってくれてあざっす。今週本選で相手するのは平均年齢65歳以上のプロゲーマー兼狩猟猟師の皆さんっすからね・・」
「相手選手のZEXIONE1964選手のエイムはワシラァが見えてもうまいから」
「millionもトン兄、RITASさんも磨いてるから対策はバッチリのはずっすよ」
「ホラ、チキンボール以外にもおまけだよ」
「お買い上げ¥1000になります」
「ぁい」
夏目漱石の1000円札で支払ってジュリアの眼はこの商店街が宝物に溢れていた。
土井純一のLINEが鳴る。
「ジュリア、悪い、少しLINEに出てくる。」
≪私は一足先に家に戻っていますよ≫
「うん」
LINEの通知に出る。桜からだ。
≪あ?もしもし?桜か、どうした?≫
≪先輩?あっ・・ここでは純兄ちゃん、ここでは・・・家に帰っても
≪潤季なら、学校であったぐらいだぞ。それがどうかしたのか?それか、いつものサウナで整ってるかパチンコで今日はパチンコで言うとだぁ大玉出やすい日、当たりやすい日でリゼロや大工の源さん打ちに行ってるんだろ?違うのか?≫
≪それはその・・・潤季お兄様はどこに行ったのか、行き先分かったら教えてください!≫
≪分かったら、言うわ。桜?俺に隠し事はないよな?言いたいことがあったら俺に言え。安心しろ、凛には内緒にする。お前の姉には俺が言わない≫
LINEが切れた。
イヤな感が妙な胸騒ぎ・潮騒の勘が妙によぎる。明らかにこれは違いが分かる。
「
「俺は。『王』の指輪かよ」
首元には『王』の指輪をぶら下げてみけねこが孕んだLMMLNASCMWRT7つの罪の代償は
商店街のストリートを通り過ぎて、長い坂道を下っていき、ムラッシュ中高等学校の反対側に旧東京都管轄の旧市街があって旧都の方に土井邸が立っている。
土井邸の近所は石舟斎町と言われて土井家がすべて預かっている邸宅の通りがある。
――――土井邸―――――
土井邸の土間は開いていた。
ジュリアは現代の女性用の白いワンピースみたいな上着に青いスカートが現代衣装。藤堂凜宗家の母屋が中臣家の出自の凜は中臣の母屋に眠っていた女性用の服一式を土井純一にあげた。故にジュリアだが、甲冑ではなくパジャマやジュラピケ姿で土井邸の2階部分に住まわせている。
2階の新居は純一が住んでいなく、ジュリア1人が使っている。風呂・トイレ・リビングに和室・洋室完備の光熱費や水道も本家の土井邸が管理している為、生活に必要な家電や用品は新品同様に取り揃えられている。
WI-FIも通ってるのでインターネットで好き勝手にPCでゲームや作業ができる。
ジュリアが家に来てまだ2日が過ぎた。
俺も何となくだが、理解はしてきた。
――――
2日目の夜。この日は東京中心に全国的にも大荒れの大雨の春雨前線と寒冷前線の影響で気が緩み観測史上の大雨日和だ。
「18時だ、飯にするぞ」
「分かった、今日はごちそうだな!純一」
「おっさんからのおまけがついてだ。野菜は家の野菜」
「脂物と野菜が多いなぁ」
「今日は、脂物多めで悪い」
「それは」
もうぐもぐとがっついて食べるジュリアに純一がテレビをつける。
ニュースでは大雨の注意を促す報道が多い。土井純一は立ち上がって携帯の充電も終わってジュリアはこたつに入ってお茶を呑みながら欠伸をして純一からもらったタブレットを気に入って電子書籍やTwichを視ていた。
「今、人気ある配信者ッているのか?」
「今、視ている。加藤純一最強!彼、面白いよなぁ・・・この時間帯のはんじょうとのヴァロ助かる」
「加藤さんね。加藤ひなた直系は彼女には子供はいない。姉の子供が加藤純一を名乗って襲名でこの時間帯から翌朝までのヴァロ枠は俺も参考にしてる」
「はんじょうってイケメンな鳥だな」
「あっ・・う・・・うん」
食器を洗い、時刻は19:30か。
―――――旧市街地・某所―――――
YAGOOがムラッシュ生徒を背後からの襲撃に拉致監禁。
同時刻だが、立石恭一郎の
教会に派遣されたのは、伊織キアラ。旧姓を殺生院。伊織家の宗主伊織もえの養子縁組になって殺生院家から伊織家の人間となったキアラがヴァチカンのエクソシスト・
現代最強の呪術師にしてエクソシストである伊織キアラが
「みゃこぉ~?連続誘拐拉致監禁事件の犯人知ってるんだろ?目星でもついたか?みゃこ?帰ってくるタイミングだ。妙に一致し過ぎだ」
「ん?なぁによぉ、キアラちゃんと同年代でしょ?私は気ままよ。こっちに来たのは別に連続誘拐拉致監禁事件の犯人がどうってことないのぉ」
「目が泳いでる。それに眉間を動かしてる。これは動揺。私はヴァチカンで約27年もエクソシストや
「連続誘拐拉致監禁事件の犯人私は何も知らないよぉ。本当、ホント。」
コーヒーを飲み終えて
「みゃこちゃん?同年代の好で言うけど、動かない方は身の為よ。今、術式で連続誘拐拉致監禁事件の犯人を祓う最中に入ったから」
長い白髪に透き通ったその瞳。殺生院の頃は黒髪ロングで見た目が陰キャ病弱の貧そな体型でよく咳き込み、箸ですら掴めない体力だったが伊織家に養子となって10歳から20歳の10年間ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂・サン・ピエトロ大聖堂にて治療と修行を積み現在35歳同年代の彼女は逞しくなっていた。
「Perché sono il più forte」
「Tecnica, Padre Celeste, segui il mio spirito, parola del Paradiso, liberazione all'inferno, attiva la tecnica ---Espansione reale/Esorcismo」
日本語よりも本場のイタリア語での生活が長いためイタリア語で術式の領域を発動。日本人でありながらも現代最強のエクソシスト・呪術師に違いない。
ヴァチカンから授かった聖典の開示。伊織キアラの詠唱が始まる。
Espansione del Dominio - Esorcismo Dio <<Giudizio Infinito>> Le parole del mio Dio esorcizzeranno tutti i peccati sulla terra, e ciò che sarà mondato saranno le parole di fede del mio Salvatore, Gesù Cristo.Io, Chiara Iori, do questo comando a nome del mio maestro.Io, Chiara Iori, do questo comando a nome del mio maestro.Il Grande Signore, che esegui il giudizio di Dio, esorcizzerà l'inferno sulla terra e questo glorioso regno di Dio prospererà. Amen.Satana dell'inferno, eseguirò il giudizio di Dio qui per pagare per i miei peccati in paradiso.Tu sei colpevole, tu sei io, io sono te, ecco il nome del giudizio.Parole del mondo, il mondo qui mostra l'alleanza.≪Cerimonia del Dio Bestia del Vero Regno/Spada Penetrante dell'Esorcismo del Cielo del Leone≫
キアラがイタリア語で詠唱を済ませると首元の十字架が白銀の巨大な大剣に変形した。
みゃこは唖然としていた。キアラの領域展開を知ってからYAGOOも策を講じる。
傘をもって河童姿から遠目で見ていた潤季が歯ぎしりをする。
「チャッツもこれは流石にシャバイ、シャバイ展開でベタだな」
『契約』の指輪をぶら下げる潤季。YAGOOが動く。
「ここに居ては時間の無駄、速やかに移動を。スキルにクソやられるだけ。マッチポイントに前半取られる。これはヴァチカンのACEか
「YAGOO?これはパーティーテイムでスパイク設置。A面でもB面に移動。勘が当たれば純一と凜が来る。俺はここの面を棄てる術式起動時間の計らいだ」
潤季は非凡な才能で才人ではないがPEXやVALOに関しちゃアジアでは5位のストリーミングの実力がある。だからこそ慌てずに冷静に判断してだ。
グレネード!!!!キアラの十字架の閃光の一撃がYAGOOを霞む。
「距離、500mからの一撃」
「神速の人間がこの時代に生きていたとは、その顔は!?」
「お逢いするのは初めてかしらね?ヴァチカンのエクソシスト名を伊織キアラ、洗礼名は聖クリスティーナ。このワンパターン見飽きましたね」
眩く白銀の閃光の斬撃が術式が解けた同時に0.0.0.0.0.0.0.1秒の時間が一時静止してキアラの大剣がYAGOOは鎖鎌の槍で大剣をはじき返す。
「
広範囲内の石化の術式にキアラが十字架をしまうと、みゃこが歩いてくる。
(これだから争いが止まない。みけねこが孕んだその大罪に落とし前をツケ払いの現生人類にその涙は癒えぬ。癒えぬ痛み。恭ちゃんには感謝。ジジィ、こうはなっては老いたまふまふはもう戦力にカウントできない。まさかとは思わない、自分が最初に腹を痛めた息子が
深呼吸して呼吸を整える。潤季も気づいた。
「カアさんが何で、ここにいるんだ!!」
「ここでは私がルールだ。
「YAGOO!戻れ、これは流石に・・・・」
「潤季?立石家がそこまで
答えは沈黙。沈黙ということは事実であるという意味。みゃこは中臣本家の中臣RaMuの子にしてその長女。第3次で生き残り、
「・・・・・・母さんいつ以来だっけ?俺は
「藤堂の娘を養子に出した、それも意外だ。私はこの国に帰ってきたら、この有様だ」
「世界は広いなぁ、魔法と呼ばれるファンタジーはないがな。呪われた呪物を祓う為の秘技は会得している。みけねこ、湊あくあ《りんこ》×天月が同棲して結婚し、既婚者を隠した。長男はいるが、内密に娘はいる。調べはついてる。インターネットリテラシーで夢を騙るな。現実を視ろ」
みゃこは潤季を前にYAGOOがキアラを振り切った模様だ。
「おにや、マスターッ!?一旦はこの状況ではアセントとも取れない、判断を急げ」
「トンだ妨害を受けた。だが、この機を逃さない。1,2ジャ”ン”ゴ”ォ”おおおおおおおおおおおおおおっ!?」
潤季は指を鳴らした。『契約』の指輪の能力は相手を拘束させ従わせるみゃこに見えぬ鎖が巻き付かれるがみゃこが術式を展開させていた。
「術式-領域反転操術-『YUYUTA』」
みゃこが呼んだのはゆゆうた離婚してフリーランスになってから契約を交わしたみゃこ本来の術式型の最高のラッシュを決めるゴーラッシュでスタートを決めるゆゆうたの本体は?本人は存命で別の場所で悠々自適に山に籠ってピアノを弾き語りながらゲーム実況でTwichで配信しながら普段はこの状態でのみゃこは煙管を咥えながら指輪の領域展開だ。
「特級呪物の祓い仕事は経験済みで慣れている。ゆゆうたさん!?一緒に祓いますよ、自分の息子でもこれは・・・・キツイ」
みゃこの構えがキアラが時間稼いでくれたおかげでこの大雨の土砂降りの中、東京の旧都の町田市にて
「YAGOO、これはチャッツもシャバイ言い訳出来ない敗け方かな。相手が母さんでも俺は立石の期待に応えたい」
「まだそんな甘っちょろいこと言うのか?みけねこが犯した大罪をここで覚醒させる。YAGOO?パンデモニウムご苦労。さて、LMMLNASCMWRTの特級呪霊の解放と移すか」
YAGOOを呼んで成功した一番のメリットこそこのLMMLNASCMWRTに非ず。かつてYAGOOが第0次の際に異星の神々の
みけねこが12000年前に、異星の
「・・・・・・・不躾だ」
「
「こんちわわ、YAGOO・・・チャッツもみんなも、俺は理解した。さて、
Du bist ich, ich bin du, sieh es hier als eine Rückkehr des Versprechens des Himmels. Du stimmst meinem Urteil zu, billigst den Schlag Gottes, das Wort des Himmels ist ein Zeichen, das den Herrn ersetzt.Blutiger Wind, blutiges Wasser, blutige Luft, mein Gott, bei der Erschaffung des Menschen wurden einzelne Zellen atomarer Organismen geboren, die mit giftigem Sauerstoff und Mitochondrien zu kämpfen hatten.Ich werde einen Vertrag mit menschlichem Leben und menschlicher Weisheit eingehen.Im Zeitalter der Magie entsteht Magie, wenn Nullzeit und Raum kollidieren und es zu Verzerrungen kommt.Der wahre Besitzer des „Vertrags“-Rings, die Essenz meiner Schneeblume des Großen Gletschers, Schneeblume Lamy!? Die Todsünde meines Vertrags, die Lust, wird hier vorgestellt.≪Unendliche Schneeblume, Inkarnation des Großen Gletschers, Schneeblume Lamy≫
『契約』の指輪の本来の大罪『色欲』その封じられていたのは雪花ラミィ。LMMLNASCMWRTのL《ラミィ》となる。
YAGOOも驚く。18歳の人間がこの『契約』本来の味を顕現させた。
潤季は指輪をぶら下げるが、息が苦しくて、咳き込むがみゃこは不動だ。
「おにやさん、これは自慢の息子でよかったけどなぁ・・・・」
「仕方ないか。特級上位のバケモノを祓うくらい慣れっこさ」
みゃこはこの大雪で周りが凍てつき凍える環境の中、バスト125㎝の色欲の権能みけねこ7つの大罪の内L《ラミィ》を前に中臣家が3万年以上も費やして会得した義を開示する。
「Presentation of special technique, redeployment approved here」
「これは!?おにや、
「お、遅いねぇ、YAGOO・・・・母さんは計算してるんだ。いつも痴呆のフリをして計算して演じてる。これは俺の負けだ。今日は退こう。この母さんには勝てない」
「≪Child of the Sun, RaMu, Infinite Sunsei≫」
RaMu。中臣家が3万年以上も習得した大黒物産其の神髄。又はムー大陸において伝説上の人類最古の王様にして英雄。神と人の間に生を受けた王の名。
みゃこはその継承者にして、その血を継ぐ直系筋の末裔。旧都町田市に暖かい日の光、太陽の輝きが照らされて
間もなく3日目が始まる。
そして、
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