第4話



 すっかり遅くなってしまった。悪の結社も暇では無いから、もう居ないかも知れない。


 そう思いながらも、取り敢えず指示された場所へと急ぐ、ウリアゲンジャーのメンバー。


 途中でグリーンと合流しホワイトはまだかと聞くと、知らんとの返事が帰ってきた。


「ヒィック!ホラホラ出てこぉいよぉ~ウリアゲンジャー様が到着したんだから、おえぇ~~っ」


 糞ブルーが電信柱にゲОを吐き散らし、ブラックはニタニタと意味なく笑う。


 事態は深刻だ。唯一の頼みの綱のグリーンといえば、携帯を取りだし仕事の報告をしている。


「あっ、部長ですか? 着火利(ちゃっかり)社の弱点攻略を見付けました! それで……」


 どうしてこんな奴らと日本(自分の守備範囲)の平和を守らなくてはいけないんだ! オマケにホワイトは来ないし。


 とボヤいてたら、ホワイトがノンビリとスーツの皺を伸ばしながらやって来た。


「んとにもう! ちょっと伸ばさないで干すと直ぐ皺になるんだから……お待たせ~」


「お待たせ~じゃない! 早く行くぞ! 」


 酔い潰れた二人と気乗りしない二人、私は急かしながら腕に取り付けた悪土呂(あくとろ)ニクス探知器を見つめた。


「近い! そこの角を曲がった先だ!」


 走って行くと全身黒ずくめのタイツ姿の奴らが十人ほど、カメラ屋の前で記念撮影していた。もちろん勝手に店のカメラを拝借してだ。


「おい! お前らちゃんと金を払ったのか!」


 一応聞いてみる。もしかしてという事もあるからだ。


 すると奴らは人をこ馬鹿にするように『トッヒィー』と言いながらグラビアアイドルの胸よせポーズで片手をヒラヒラと横に振った。


「ちゃんと金を置いて帰れば良し、でも言う事を聞けないならば……退治する!」



ウリアゲンジャーの唄

一番


昨日~の酒~をごまかして~

今日~も行く~行く営業マン。


二日酔いなんかにまけないぜ

ウコンを飲んで出動だ!


赤!(赤木)青!(青山)緑!(緑川)白!(白石)黒~(黒岩)


ガハハ~親父の接待脱け出し、悪の結社をやっつけろ!


行け!(売り上げ)行け!(伸ばせ)行け!(平行線)目指せ!(営業トップ)行け~


企業戦隊ウリアゲン~ジャー




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