1.嗚呼、愛すべき休日よ
休日が好きだ。
(まあ、嫌いな人はいないと思うが)
平日はあまり外に出ることがないため、休日はできるだけ外に出るようにしている。
特に予定や目的がない休日は、「好きなものがある」「落ち着いている」「歩いていて楽しい」場所に行くことが多い。
この三つが揃っている場所の第一候補は神保町。
そのため、一人の休日を過ごす場所として一番多いのは神保町周辺だ。
本屋さん・古本屋さんが多く、美味しい店もたくさん。街全体としてとても落ち着いていて、急かされている感じがない。おまけに歩いて神社も巡れるという最高の立地!
なんとも素晴らしい休日スポットだ。
予定のない休日=神保町という方程式が成り立ちつつあったが、最近そこに新たな選択肢が加わった。
その場所は日本橋。
若い頃は敷居の高い街という印象が強く、落ち着かなかったのだが、アラサーとなった今はその印象がガラッと変わった。
見やすく、品揃えや接客が素晴らしい百貨店、
台湾旅行中にハマった誠品生活、もちろん美味しい店もたくさん。
神社も巡れるし、人形町にも行ける。
行きたかったアート展の予約が取れず、傷心していた私は気分をガラッと変えてやろうと、『いつもの』休日スポット神保町ではなく新参の休日スポット日本橋周辺に行くことにした。
まずはずっと気になっていた神社に行き、念願のお守りをゲット。
(厄除けと強運の最強ご利益!)
散歩をしながら気になる店に入りつつ、次の目的地の誠品生活へ。
本のコーナーで本来アート展で見たであろう画家たちの画集を見ていたら傷心も癒えて気分が盛り返してきた。
そうなると、とたんに空腹になり、何かお腹に入れつつコーヒーでも飲もうと思い立ち、記憶を辿ってカフェの場所へ向かった。
しかし、そこに記憶通りのカフェは無かった……。
前に来た時は確かにあったのだ。あれは幻ではない。
ショックを受けたが、もう軽食とコーヒーは諦めお気に入りの本探しに専念することにした。
しばらく、気になる本を手に取ったり試し読みをしたり等して目一杯楽しんだ。
もうそろそろいい時間なので、お気に入りの一冊を買って出ることに。
ブックカバーも選べたし大満足である。
その足で老舗百貨店のデパ地下に向かった。
せっかくなので、オシャレな物語の主人公よろしく、色とりどりの名前も知らない野菜がたくさん入った宝石のようなサラダや普段はあまり食べないタイプの横文字のおつまみを買って帰るつもりで足を踏み入れた。
踏み入れたはいいのだが、気がついたら私の手には大量の唐揚げとおいなりさんが握られていた。
色とりどりどころか、茶色一色である。
……私はどうやらオシャレな物語の主人公にはなれないらしい。
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