もし君がいなくなってしまったら。

ふうまる

第1話 友達

昼休み。1人で寂しく中学校の屋上でお弁当を食べてる。名前は東条とうじょう 那月なつき

すると屋上のドアが空いた。


那月「…?」


???「那月くん見つけたー!こんな所で食べてたんだ」と僕の方へ向かう。


那月「…うん。」入ってきたのは最近友達できた中城なかじょう遥斗はるとくんだ


遥斗「ふーん。1人で食べても美味しく感じなくない?あ、隣座ってもいい?」弁当箱を持ってニコニコしてる


那月「そうかな。僕はもう慣れたけど。」どうぞって言う合図をする


遥人「変なのー。」と笑いながら隣に座って弁当箱を開ける。


那月「…聞いてもいいかな。」


遥人「なーに?」口に食べ物を含む


那月「なんで…虐められてるの知りながらも仲良くなってくれたの?」


遥人「んー。」モグモグしながら考える。


遥人「なんだろ、君といるのが落ち着くし那月ってさいつも寂しそうな顔してるもん。だから目が離せないもん。あっ、あと目が死んでる!」


那月「えっ、僕ってそんな顔してたの?…目が死んでるは言い過ぎだよ」ポテトサラダを口に含む。


遥人「あ、ごめんごめん」苦笑いする


遥人「…仲良くなるの嫌だった?」


那月「嫌じゃないけど…。君もイジメの対象になっちゃうよ」と俯く


遥人「なぁんだ、そんな事を気にしてるのか!そんなの俺がコテンパンにしてやるさ!」と自慢げに言う


那月「だめだよ?暴力は」


遥人「むっ。イジメをしてるヤツらに暴力とかどーとか関係ないよ。イジメをしてる奴もそれに加担してるやつも悪い。」


遥人「ほんと気持ち悪い。人間としてどうかしてるよ」ウィンナーと白ご飯と一緒に口に運ぶ


那月「…はは、そうだね」食べ終わる


那月は立って屋上から見える海を見つめる。


遥人「ねぇもしかしていつもここで食べてるの?」


那月「うん。」


遥人「なんでー?」


那月「…ここなら誰もこないしイジメられないから」


遥人「ふーん」


遥人「俺が守ってあげようか?」ご飯が食べ終わると遥人はそう言った。


那月「…え?」


遥人「だから、守ってあげるよって言ってるの」


那月「だ、だめだよ!そんなの迷惑かかっちゃうし、…君もいつかいじめられるよ」俯く


遥人「もう友達だろ?そんなの気にすんなって!」と言いながら僕の肩にポンっと手を置く


那月「……っ」目元があつくなって泣き出す


遥人「!?えちょまって!?ごめんね!!?」と慌てる。


那月「…ちがう…そんなこと言ってくれるの生まれて初めてで…」


遥人「…そうだったんだ。今までよく耐えてきたね。」と彼は優しく僕の頭を撫でてくれた。


那月「うわぁぁん…!」


遥人「いっぱい泣いていいからね。」


数分間僕は泣き続けた。


那月「……もう…大丈夫。」少しずつ泣き止む


遥人「本当に?」


那月「…うん。」


遥人「はい、ポケットティッシュ」那月に渡す。


那月「ありがとう…」鼻をかむ


遥人「…?その腕…なに?」


那月「…!」サッと腕を隠す


那月「…なんでもないよ。」


遥人「ちょ、なんでもないよは無理くない??」


遥人「…あんま見せたくないやつ?」


那月「…うん」腕をギュッとにぎる


遥人「…ん。わかった」


遥人「…よし、昼休みもう少しで終わるし教室に戻ろ?」


那月「…そうだね」


2人とも教室へ向かった。




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