ロスト・ワン

 あなたの中に、僕は生きていますか?


 あなたの日々に、僕のことを考える時間はありますか?


 不安に揺れる心は、いつも残酷な答えを僕につきつける。


 そんなわけはないと否定しても、それすらも否定されてしまう。


 僕はきっと、誰の中にも存在していない。


 だけど、誰の中にも存在しているのだろう。


 弱いのは僕だけではなく、寂しいのも僕だけではない。


 だから、少しだけでも嘘をついていよう。


 残酷な答えが真実であっても、僕はかまわない。


 僕には弱さだけでなく強さもあり、寂しくもないから。

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