LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION 【再会】

SEN

LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅲ【再会】 

LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅲ【再会】

台本:SEN  声劇7人台本(男4・女3) 所要時間:60分


説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。

※各作品の著作権は放棄しておりません。無断転載や自作発言等、著作権を侵害する行為はお止め下さい。もちろん無断での改編や再配布も禁止です。

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※ツイッターのDM等でお知らせ頂けますとツイキャスなら聴きに行ける可能性があるので、よかったら気軽にご連絡下さい!

※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです。




キャラクター紹介↓


ネイア(20歳・女)

ミアナの姉、冷静沈着で元暗殺者。ミアナと共にリヴィアを陥落させ最後にはミアナと一騎打ちを挑み敗れ死んだ、はずだが…


ヒナミ(32歳・女)

ミアナとヒナミを育てたシスター。元クルシアル【神雷】のヒナミ。ミアナと共に戦ったがキギアに敗れ死んだ、はずだが…


シマク(30歳・男)

リヴィア帝国王子。エフナ大陸を制圧するべく各国の王が集まるヘッドハンターズに奇襲をかけたがインサニティにより破られネイアにより殺された…はずだが


カイユ(39歳・男)

元テンペスト副隊長【大盾】のカイユ。旧友であるデスタの娘ミアナ、ネイアと共にリヴィア帝国制圧に挑みフラスを抑え込み相打ちに持ち込むも死亡した…はずだが


デスタ(40歳・男)

元テンペスト総大将【暴風】のデスタ。重い病に侵されているが為ヘッドハンターズにてシマク率いる重装特殊部隊に敗れ死亡した…はずだが


ヤヨウ(33歳・男)

リヴィア反乱軍ヴィアルのリーダー【紳死】のヤヨウの異名を持つ医師兼剣士。コヨウの兄。リヴィアでの姉妹戦争でネイアの配下となり最後はコヨウを殺したネイアを恨みキギアに殺された…はずだが


コヨウ(28歳・女)

人殺しに快楽を得た狂人。ミレクア王国を滅ぼした【踊る魔女】伝説の本人。ヘッドハンターズでインサニティの一員となり賞金で生計を立てて豪遊してきたが最後は己が欲望の為ネイアに挑み殺された…はずだが





本編↓






デスタ

「……ここは……俺は、死んだはずだ…しかし……ない。傷口がない…どういうことだ……それに……全身の身体の痛みも消えている。なんだ?何が起こっている」


カイユ

「デスタッ!!?」


デスタ

「っ!?……お前……カイユ、カイユなのか!?」


カイユ

「お前っ!なんで生きてんだっ?!!嬉しいじゃないの、よぉっ!!!」


デスタ

「ははっ…なんだかわからないんだが……生きているようだな私は……だが、俺もだカイユ。お前に会えて嬉しいぞ」


カイユ

「んもぅ…デスタちゃんの口からそんな言葉が出るなんて。やっぱり地獄かしら?ここは」


デスタ

「そうかもしれないな。何人斬ってきたかわからん…地獄に送られてもおかしくない」


カイユ

「そうね…でも。しっかり呼吸もできる…鼓動もしている……こんな感じなのかしらね?地獄って」


シマク

「生き地獄…の、間違いではないのかなぁ?お二人さん」


デスタ

「ふんっ、さっきから姿は見えていたが……貴様まで生きているとはな」


カイユ

「そぅなのよぅん…あなた達が首を落としたはずよね?なんで生きているのかしら?めんどくさいから締めあげといたわ」


シマク

「それはこちらが聞きたいぐらいだ。この俺様に教えろ愚民ども」


カイユ

「あなた、縛られた状況でよくそんなことが言えるわねぇ」


シマク

「ふんっ」


デスタ

「カイユ…お前は生きているからわかるだろう、説明してくれ…何故俺やコイツが生きているのかを」


カイユ

「……それがね、私にもわからないの……私も、死んだのよデスタ」


デスタ

「お前もなのか…お前が誰かに殺されるとは思わないが…誰に殺されたんだ?」


カイユ

「リヴィア帝国七騎士団長、フラスによ」


シマク

「はぁ?あいつに殺されたのかぁ?あんなヒョロいやつに殺されるなんて貴様もたいしたことないな」


カイユ

「あ?」


シマク

「ごめんなさい」


デスタ

「七騎士団長フラスに……何があったんだ?」


カイユ

「デスタちゃんが死んだあと…二人にアネミナの事を話したわ」


デスタ

「……そぅか」


カイユ

「そしたら、二人揃って私に何て言ったと思う?」


デスタ

「あ……ふふっ…大体想像はつくな」


カイユ

「さすが、あなたの子ね……【リヴィア帝国ぶっ潰す】よ?同じタイミングでシンクロしてたから笑っちゃったわ」


デスタ

「ふふ…ふはっはっは!ミアナ、ネイア…あいつら……大きくなったなぁ」


シマク

「だが?叶わなかった、だろぅ?」


カイユ

「んー?そう思う?」


シマク

「思うね。貴様達ごときでこの俺様のリヴィア帝国七騎士団が敗れるものか。それに、お前はフラスに負けたのだろう?一番の戦力であるお前が欠ければあの女二人では勝てない。これは明白だ」


カイユ

「私はね、フラスと相打ちよ」


シマク

「なんだと!?」


デスタ

「さすがだ相棒」


シマク

「っ!?信じられるかそんな話!それになロウガも、イ、イーアだって居るんだ!今の七騎士団は精鋭揃いなんだよ」


カイユ

「ロウガは私の弟子であり戦友よ。それにあの小柄で根暗な女はネイアに殺されたわ」


シマク

「は?だ、誰が信じるかそんな話!それよりこの縄をほどけ!前髪が直せないだろぅ!さっきからずっと気になってんだよ」


デスタ

「ロウガが待っていてくれたのか…さすがロウガ、挟撃するつもりだったんだな」


カイユ

「えぇ…誇らしげにそう言っていたわ。デスタ隊長なら必ずこうする、って」


デスタ

「ふふっ…あいつ」


カイユ

「しっかしこの状況…どうしたものかしらねぇ。私達以外の人は見当たらないし」


シマク

「…ん?……おい、あっちから誰か来るぞ」


デスタ

「………あれは」


カイユ

「…まさか」





●間5





コヨウ

「ん……んん?」


ヤヨウ

「おはよう…コヨウ」


コヨウ

「………っ!?はぁ!?はぁっ、はぁっ……死んだっ!殺されたぁ!誰にっ!?あいつにぃ!ネイアにぃぃっ!!」


ヤヨウ

「落ち着いて、コヨウ」


コヨウ

「あ?…………ん?…あら?あらあらあら?お兄様じゃありませんこと?」


ヤヨウ

「そうだよコヨウ…ようやく君をみつけたよ」


コヨウ

「お久しぶりですわねぇお兄様ぁ…あの国はどうなりましたか?」


ヤヨウ

「滅んだよ、君のせいでね」


コヨウ

「あらそうなの?あっはっはっは!でぇすよねー!?ごめんなさいねお兄様!抑えてた物がちょっぴり爆発しちゃってつい…つい、ね?ほんの出来心よ」


ヤヨウ

「出来心で国が滅んだら人類は終わりだね」


コヨウ

「うふふっ!ってぇそんなことはどぉうでもいいわお兄様っ!あの小娘を知らない?!……私の耳を、手を、首を落としたあのネイア!!絶対に許せないっ!!!」


ヤヨウ

「なんだコヨウもなのか…私もネイアに殺されたよ?一緒だね」


コヨウ

「あらそうなの?!こんなことってあるのねぇ!揃って狙いにいきましょう?あの子の首を」


ヤヨウ

「君が望むならばそうしよう……私も君が居れば心強いよ……でもここは元ミレクア国だよ。どこにいるのか検討もつかないな」


コヨウ

「何故ここに……私はさっきあの大会で首を斬られて………あ?お兄さま…きっとあそこよ…あそこだわ!間違いない!!」


ヤヨウ

「大会?あそこというと…どこだい?」


コヨウ

「んもぅ!鈍いなぁ!ヘッドハンターズよ!ここからそう遠くありませんから早くいきましょう?」


ヤヨウ

「わかった…少し準備をしていこう、こっちへ…コヨウ」


コヨウ

「ちんたらしている時間はないのよー?」


ヤヨウ

「今度は確実に殺す為に…色々と道具は必要だろう?」


コヨウ

「いいねぇ…拷問道具を持っていっちゃうってわけね!?いいわぁ…イイ」


ヤヨウ

「そんな大きな物持っていけないよ?そうだなぁ…戦いに必要といえば…色々あるよね」


コヨウ

「んー?武器?鎧かしら?重いのは嫌よ私」


ヤヨウ

「鎧は軽い物でいい……そうだなぁ…武器といえば武器かな?」


コヨウ

「ふーん…なんでもいいわ?早くいきましょうお兄様」


ヤヨウ

「あぁ…せっかちになったね、コヨウ」


コヨウ

「そぅ?我慢したくないだけよ?ほんと我慢が一番美容によくないことがわかったのよ?特に性欲…これだけは我慢できなかったぁ……」


ヤヨウ

「やれやれ…ふふっ。こまった妹だ」





●間5拍





ヒナミ

「ほんと…どうなっているのかしら……何故私は教会に…姉さんに殺されたはず…しっかり覚えているわ…四肢を全て斬られ胴を真っ二つにされた……アキミ姉さん…」


ネイア

「うぅ…ぅ……ん?」


ヒナミ

「ん、気がついた?」


ネイア

「え……ヒナ、ミ…ヒナミ?」


ヒナミ

「えぇ…おはようネイア」


ネイア

「お、おはよう……ここは?……これは、どういうこと?」


ヒナミ

「……悪い夢でも、見ていたかもしれないわね。でも…覚えているわ……死ぬ直前の記憶は…鮮明に」


ネイア

「うん…私も覚えてる……しっかりと」


ヒナミ

「……それで?あなた達の決着はついたの?」


ネイア

「うん、ついたよ………ミアナの方が強かった…だからミアナが生き残ったわ」


ヒナミ

「そぅ……しっかりお姉ちゃんしたのね、ネイア…えらいわ」


ネイア

「……私なんかよりずっと強いのよ、あの子は」


ヒナミ

「【心が】でしょ?」


ネイア

「……そぅね」


ヒナミ

「良い妹を持ったわね」


ネイア

「あぁ…自慢の妹だ」


ヒナミ

「私も…そう、言われたかったなぁ…」


ネイア

「ぁ………すまなかった。キギアを…アキミをあんな戦いに巻き込んでしまって」


ヒナミ

「ううん…いいの」


ネイア

「あの後のこと聞きたい?」


ヒナミ

「ん?…うぅん、いい。もぅ何もできないし…何も伝えれないから………ん、それはそうとネイア…今のこの状況、どういうことかわかる?あれから相当時間が過ぎているみたい……見て」


ネイア

「ん?……あ、教会内に草木が…生い茂ってる……」


ヒナミ

「私がここを出た時は綺麗だったの……けど数日しかたっていないのにこの状況…石灰石の石も風化してきてヒビが入ってるから何年も経過しているみたい」


ネイア

「あれから数日だよね…感覚的に……それに私達は…死んだはず…よね?」


ヒナミ

「えぇ……なんなのかしら…空も真っ赤で風も無い」


ネイア

「もしかしたらこんな感じなのかしらね?地獄」


ヒナミ

「かもしれないわね……さて…動ける?ネイア」


ネイア

「うん、大丈夫」


ヒナミ

「この状況を何とかしないとね…ここはもぅ他に人の気配がないから」


ネイア

「ここから近いのって…」


ヒナミ

「えぇ…とりあえず、あそこね……行くわよ」


ネイア

「…あぁ」




●間5拍




コヨウ

「あっらー?カイユにデスタじゃーん!ひっさしぶりー!!……ん?久しぶり?昨日な感覚だけど」


カイユ

「コヨウ…それに……後ろのヤツは誰だ?知ってるか?デスタ」


デスタ

「わからん…が、相当な使い手だろうな……見ろあの大鎌。俺の大剣の二倍はあるぞ」


カイユ

「警戒を解くなよ…デスタ」


デスタ

「勿論だ」


シマク

「俺の縄は解けよ」


カイユ

「はいはい後でね」


ヤヨウ

「あなた方がカイユさんにデスタさんですか…大会では妹が大変お世話になりました。私コヨウの兄のヤヨウと申します」


カイユ

「ご丁寧にどうも、カイユよ。ほんっとお世話したわぁ?大変だったのよー?色々とー」


コヨウ

「嘘をつけ嘘を!楽だったでしょうがー?私の強さにあんたらも助かったでしょーう?」


デスタ

「あぁ、正直侮っていたよ」


コヨウ

「だろーぅ?あ、デスタ体大丈夫なの?」


カイユ

「…」


デスタ

「……何のことだ」


コヨウ

「しらばっくれないでよー!あんた変な病にかかってたでしょ?だからいつも本陣から動かなかった。見てたらわかるよ?歩くだけで痛そうだったもん」


カイユ

「ふんっ…コヨウに見破られてるとはね」


デスタ

「だな……確かに俺はずっと全身に激痛が走っていた…数年間ずっとだ」


ヤヨウ

「サハバル筋痛症ですねそれ」


カイユ

「え、すご……聞いただけでわかるのあなた」


ヤヨウ

「えぇ…少し前まで医師をしていましたからね…で、今は?」


デスタ

「何ともない。絶好調だ」


ヤヨウ

「不治の病のはずなのですが……まぁ考えても仕方ありませんね。さて、お二人に質問なのですがいいですか?」


シマク

「俺様もいるんだが?」


ヤヨウ

「あ?」


コヨウ

「あー!前髪野郎じゃーん!!生きてたんだー?!」


シマク

「あぁ!死んだはずなのに何でか生きてんだよ…誰か俺様に教えろ。今のこの状況がどういうことか」


ヤヨウ

「質問はそれです。あなた方も死んだのですか?」


デスタ

「あぁ…俺はここで死んだよ。最後は体が動かずこいつの特殊部隊とやらに槍でめった刺しだ……腹が立ってきた」


シマク

「っ!?……お、終わったことだし?生き返ったんだ!よ、よかったじゃないか!」


デスタ

「ふんっ」


ヤヨウ

「あなたは?カイユさん」


カイユ

「俺はここじゃない。リヴィア城内で七騎士団長のフラスと相打ちだ」


ヤヨウ

「っ!?……あのフラスと相打ち!?凄いですね」


シマク

「だから嘘だってそれ」


コヨウ

「前髪黙れ」


シマク

「はぃ」


カイユ

「そういうあんたは?」


ヤヨウ

「私も死んだのがリヴィア城なんですよ…ネイア、という小娘に殺されましてね?」


デスタ・カイユ

「っ!?」


ヤヨウ

「やはりそれはもぅご存じですよねぇ…少し前までチームを組んでらっしゃったそうですものねぇ」


コヨウ

「わーたーしーもー?そのネイアに殺されたのよねぇ……狼さんがどうとか言ってたっけなぁ?」


シマク

「あ、俺もだ…俺もそのネイアとかいう小娘に殺されたっ!!あいっつら卑怯な手を使いやがって!」


デスタ

「俺の作戦だが?」


シマク

「あ、はい。それは、すいません」


カイユ

「で?あなたはこの状況がどういうことか知りたいようねぇ…それは私たちもなのよ」


ヤヨウ

「わからない、と……まぁ、そうでしょうね…わかる方がおかしいですものねぇ」


コヨウ

「あのさあのさあのさ?私もちょーっと聞きたいってかー試したいことあるんだけどさぁぁ」


カイユ

「ん?なぁにコヨウ」


コヨウ

「ほんっとにもう我慢の限界なんだけどさぁ?私のお願い聞いてくんないかなぁおふたりさんー」


デスタ

「なんだ?今すぐ叶えられる願いがあるなら叶えてやる。言ってみろ」


コヨウ

「デスタさぁぁ……今めっちゃくちゃ調子いいよね?ね?」


デスタ

「あぁ、体の痛みも無いからまるで昔の調子が戻ってきたようだ…いや?それ以上か」


コヨウ

「私にさ、殺されてくれない?んでさ?デスタ死んだあとはカイユね?」


シマク

「うっわ、こいつやっぱ狂ってんだな」


カイユ

「…どうする?デスタ」


デスタ

「……ふふっ」


コヨウ

「は?何笑ってんの?了承ってこと?こと?」


デスタ

「ふふふっ……いや、お前が前もって聞いてくるとはな。いつものお前なら聞く前に斬ってきたなと思ってな」


コヨウ

「いやもぅすっごい我慢してんのよ私っ!!!良い?良いの?一度だけでいいから全快の【暴風】とやってみたかったんだっ!!!ね?お願いっ」


ヤヨウ

「コヨウ…やれやれ……すいません、この子は一度言い出すと聞かない性格でして。申し訳御座いませんが殺されてもらってもよろしいですかね?」


シマク

「丁寧に怖いこと言うね?何この兄妹怖っ」


カイユ

「はぁ……受けてあげたら?デスタ」


シマク

「受けるの!?」


デスタ

「簡単に殺される気は無いが……いいか?」


コヨウ

「良い!!良いよぉ!!じゃ今から!」



◆SE長剣抜刀



デスタ

「俺も試したかったところだ……身体が鈍っていないか、な」



◆SE大剣抜刀



コヨウ

「やぁぁぁぁぁったぁぁぁぁぁああああああ゛っ!!!」



◆SE剣交数回鳴り続ける



デスタ

「ん、良い打ち込みだ」


コヨウ

「ひぃあっはっはははは!やっばぁぁあ!!やばいやばいめっちゃくちゃたのしぃぃぃ!!!」


デスタ

「楽しんで貰えてよかったよ…ひとつ、俺からも言わせてもらおうかな……俺も今楽しいぞ」


コヨウ

「あっはっはっはー!!!相思相愛だねぇえええええええ!!!!!」



◆SE加速剣交鳴り続け

●間3拍



シマク

「おい···止めなくていいのか?あれ」


カイユ

「ん?」


シマク

「あいつ圧倒されているぞ?受けるのでやっとみたいじゃないか」


カイユ

「そう見えるのね?……アイツのあの表情でわかるわ。体の調子にすこぶる喜んでいる……痛みも何も気にせず戦えている事に心から喜んでいるわ……そんなアイツを止めるですって?ぶっとばすわよ?」


シマク

「う……も、もしかして手を抜いているのか?あれで…」


カイユ

「抜いているも何も……ずっと左手一本で戦っているわよ」


シマク

「っ!?」


ヤヨウ

「ほぅ…やりますね…さすが【暴風】の、デスタだ」


カイユ

「いいの?止めなくて」


ヤヨウ

「何をです?」


カイユ

「あの子をよ。今のデスタは強いわよ…昔を思い出すぐらい。殺されるわよ?妹さん」


ヤヨウ

「殺されませんよ…私はコヨウを信じていますし、あの子もまだ···本気ではありませんから」


カイユ

「ふーん?ま、お手並み拝見といこうじゃないの?」


シマク

「しかし、こんな状況だというのに貴様達は戦う事ばかり······全く呆れるぜ。少しは変だとは思わないのか?この状況を」


ヤヨウ

「思っていますよ?死んだはずの人間がこうして蘇り、再び相見えている······そして我々以外の生存者の姿が無い···わからないことだらけだ」


カイユ

「風は止まり空は真っ赤か!サンディオムも動かない…もう考えたってわからないものはわからない。そうでしょ?なら今を生きるだけよ。ただ感じた事をそのまま生きるだけ······坊やにはまだわかんないかしらね?」


シマク

「全くわからないね!わかりたくもない!ここは戦闘狂ばかり集まっていて話にならないな」


カイユ

「あなたはそうでしょうね」



●間3拍





◆SE剣交



コヨウ

「はぁっ…はぁ、はぁっ」


デスタ

「どうした?もぅ終わりか?体力がないな…もっと鍛えないとだめだな」


コヨウ

「くっ!!こいっつ…よく言うなぁ老害ぃ!」


デスタ

「口はよく動くようだな」


コヨウ

「まだ……まだだぁぁぁああっ!!!」



◆SE剣交



デスタ

「勢いだけで斬りつけるな!しっかり相手をよく見ろ!手数だけで押せると思うな!一打一打致命傷になるようしっかり狙って斬れ!」


コヨウ

「くっ!私の戦闘スタイルに口出すんじゃねぇぇぇぇぇええええっ!!!」



◆SE高速剣交



デスタ

「ただの狂気の剣だ、そんな剣では」



◆SE剣弾き



コヨウ

「うぁっ!?」


デスタ

「今の私には勝てん」



◆SE剣飛んで刺さる

◆SE剣構える



コヨウ

「くっ……チッ」


デスタ

「さぁ…剣を飛ばされ喉元に剣を突き付けられたお前は一度死んだ。いや?二回目か?……剣を拾ってこい。もう一度だ」


コヨウ

「ぐっ!?……くっそ、くっそぉぉぉおお!」




●間3拍




カイユ

「もう一度聞くわ?……大丈夫なの?」


ヤヨウ

「……」


カイユ

「だめ…みたいね…デスタ!そろそろやめてあげ───」


ヤヨウ

「必要ありません」


カイユ

「え…どういう……ぐっ!?」



◆SE膝をつく



シマク

「なっ……身体が…痺れ」



◆SE倒れる



ヤヨウ

「あら?どうされました?前のめりで膝なんてついて…まるで身体が麻痺して動けないみたいですね?」


カイユ

「き、貴様っ……毒を撒いたな」


シマク

「自分…だけ……マスクを着けてやがる」


ヤヨウ

「あぁ?これですか?何やら毒の香りがしたのですぐ付けたのですよ······ククッ…それが?何か?」


シマク

「こい···つ······」


カイユ

「デスタァァァ!吸うなっ!」


◆SE踏みつける


カイユ

「ぐぅっ!?」


ヤヨウ

「余計なことをいうな、貴方は地面とくちづけしてなさい」


シマク

「くっそ······なんで俺まで」


ヤヨウ

「貴方はついでです。申し訳ないですが皆が動けなくなったら1人ずつ殺しますので覚悟してくださいね」


◆SE剣を落とす


コヨウ

「なっ······何?力が入らない」


デスタ

「っ!?砂煙に紛れて嫌な匂いがする······毒か」


◆SEマントバタバタ


ヤヨウ

「どうでしょうか?そろそろ身体に力が入らなくなってくると思いますが······」


デスタ

「入らなくなる前に貴様の首を取る」


ヤヨウ

「どうぞ?やってみてください」


◆SE構え走る


デスタ

「ぅぅぉおおおおおおおお!!」


◆SE大剣落とす


デスタ

「ぐっ!」


◆SE倒れる


ヤヨウ

「時間ピッタリぐらいでしょうか······そろそろ撒いている毒の効力も無くなる。風が無いので助かりました······全体に回りやすかった。もうこのマスクもいらないでしょう」


デスタ

「ぐ、そこまで···計算していたのか······卑怯な······」


コヨウ

「お兄様······こんなやり方で勝つなんて···私···私」


ヤヨウ

「コヨウ······すまない、動けない相手を切り刻むのはお気に召さなかったのかな······ごめんよコヨ──」


コヨウ

「イイわああああ!お兄様はこれを準備していたのね!?流石だわ!良いわ!!やってちょうだいお兄様!!!あのデスタとカイユが阿鼻叫喚しながら死んでいくところを私に見せてちょうだい!」


シマク

「俺はやっぱり······オマケかよ」


ヤヨウ

「さあ?まずは貴方からですよ、デスタ···このデスシックルで刺し続けてから首を跳ねてさしあげましょう」


カイユ

「逃げろっ!デスタァァァ!」


デスタ

「ぐっ······動かんっ···これまでかっ」


ヤヨウ

「死ねえぇ!!」


◆SE剣交


ヤヨウ

「っ!!?お、お前は······ね、ね」


ネイア

「ネイアよ?忘れないで?薬漬けの狼さん」


デスタ

「ネイア······ネイアなのか」


ネイア

「えぇ、お待たせ······父さん」


デスタ

「よく来てくれた…娘よ」


カイユ

「ネイア!!!」


ネイア

「っ!?カイユ……生きていたのねっ……良かった」


シマク

「あの…女は」


ヤヨウ

「くっ!?感動のご対面など結構だ!!麻痺薬はもう一瓶残ってい───」



◆SE電気



ヒナミ

「これのことかしら?」


ヤヨウ

「なっ!?貴様っ…いつの間に」


ヒナミ

「神雷の名は伊達じゃないのよ?見くびらないでくれる?」


カイユ

「シスター!?貴女がどうして…」


デスタ

「驚いたな…貴女が何故?」


ヒナミ

「カイユ、デスタ…久しぶりですね。子供達の成長をご覧になられましたか?」


デスタ

「それはもぅしかと……アネミナの意志をしっかり──」


ヒナミ

「いい加減にして」


デスタ

「え………何を急に」


ヒナミ

「この子たちがどんな思いで強くなっていったと思っているの?…いったいどれだけ両親を探していたと思うの?貴方達の勝手な思いで…二人を悲しませた罪は計り知れません」


デスタ・カイユ

「……」


ヒナミ

「だから今度こそしっかり……そばにいて···愛してあげてください。ネイアを…ミアナを」


デスタ

「あぁ……すまなかった……シスター」


カイユ

「確かに……私達の勝手な思いね……ごめんなさい、シスター」


ヒナミ

「私に、じゃないでしょ?まずはネイアに」


ネイア

「いいよ、シスター……おかげでこうして肩を並べて戦ってこれたもの…まぁ、少しは普通の家庭にも憧れていた。路地裏から見る幸せな家族は……とても羨ましかった…けど、こうなってしまったのも原因がしっかりあると思うの。だから二人を攻められない……罪があるとすれば私……私も最後は…ミアナを殺そうとしたから」


デスタ・カイユ

「っ!!?」


カイユ

「なんでよ!?なんでネイアちゃんがミアナを?」


ヒナミ

「でも、殺せなかった……よね?」


ネイア

「うん……ずっと同じだったから…あの子とは…たった一人の妹だから」


デスタ

「そうか……隠していたことは本当にすまなかった……落ち着いたら全て話そう。俺たちの事も…母さんのことも」


ネイア

「……母さん」


カイユ

「あぁ……全てを救おうと足掻いた女神様よ」


シマク

「そろそろこの縄を解け!麻痺もようやく治ってきた、身体が動く内にほら早く」


カイユ

「お前はだめだ」


シマク

「じゃぁ前髪だけセットしてくれ。命に係わる」


カイユ

「そのまま死ね」


シマク

「おおおおおいいいいいいい」


ヤヨウ

「っ……」


◆SE構える


ヒナミ

「おっと…動かないでくれるかしら?ヤヨウ」


ヤヨウ

「フフッ…リヴィア城以来かな?野蛮なシスターさん?」


コヨウ

「ちょっとそこの女ぁ…お兄様に手を出したらどうなるかわかってんだろうなぁ!?」


ネイア

「コヨウ、相変わらずね。可愛い狼さん?」


コヨウ

「ばっっっ!?………お前……本当にネイアか?ネイアなのかぁぁ!!?あぁ゛!?」


ネイア

「そうよ?見違えたかしら?」


コヨウ

「私の知ってるネイアはもっと眼が死んでたっ!!!?誰だてめぇっ!!!」


ネイア

「正真正銘本物よ……妹に殺されて開花した花よ…私は」





カイユ

「ねぇ…デスタ」


デスタ

「なんだカイユ」


カイユ

「アナタでも勝てないんじゃないの?今のネイアちゃんに」


デスタ

「あぁ…以前のような狂気が消えている。こいつぁ手ごわいな」


カイユ

「嬉しそうじゃないのよん」


デスタ

「あぁ、嬉しい……こうして成長している娘を…元気な身体でしっかり見れるのは……こうしてくれた奇跡に感謝しないとな」


カイユ

「そうね……ん?でも…ミアナちゃんは?どこにいるのかしら……ねぇシスター」


ヒナミ

「私が目覚めた時はネイアしかいなかったの」


カイユ

「どういうことなのかしら……わからないことが多すぎるわねほんと」


デスタ

「ネイアに聞いてみたのか?シスター」


ヒナミ

「いえ…あの子もわからないでしょうし……思い出させたくない事もあります」


カイユ

「そう…よねぇ」


シマク

「おい女、あのミアナとかいうお前の妹はどこにいるんだ?」


ヒナミ

「ちょ!なんなのコイツ勝手に!」


カイユ

「ごめんなさいシスター、猿ぐつわもしておけばよかったわ」


ヒナミ

「ごめんねネイア……思い出したくないでしょう…あの時のことは」


ネイア

「ううん、大丈夫。だって……ミアナもいるよ、私わかるの」


カイユ

「え?どういうこと?」


ネイア

「リヴィアで戦ってるんじゃないかな?そういう妹よ、あの子は」


デスタ

「そうか……会いに行かないとな」


ネイア

「うん……あ、あとね…もう一つ解ることがあるの、父さん、カイユ」


デスタ

「ん?」


カイユ

「なぁに?」









ネイア

「生きてるよ………母さん」









続く









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