なぜユーザー名が『しょうゆ水』なのか
しょうゆ水
第1話
『しょうゆ水』
何それ。
「しょうゆみず」、「しょうゆすい」
どっちの読み方が正しいの?
正解は『しょうゆすい』です。
名前の由来は作者が幼稚園児の頃にさかのぼる。
妹の誕生をきっかけに、作者は祖父母の家に預けられていました。
それほど長期ではなかったように思うが、母の愛情をたくさん受け取りたい時期の幼い私にとっては、何年も過ごしているかのような感覚でした。
母よりも祖母に安心感を覚える5歳児。
買い物や近所への回覧板届け、町内会、祖母が何処へ行くにもエプロンの裾を掴んで歩き回っていました。
祖母の姿が見えなくなると「ばあちゃん、ばあちゃん」と探し回る初孫を少し面白がりながら見守っていたのが私の祖父です。
庭の手入れと河で釣った鯉の世話が大好きだった祖父は汗っかきで、常に腰にタオルをぶら下げていました。
作業がひと段落すると、庭を眺めながらゴツゴツの湯のみで渋いお茶を啜るのです。
ある日のこと、鯉に餌をやり水槽に日よけのすだれをかけて作業を終えた祖父が一言。
「麦茶持ってきてくれないか?」
家中のトイレットペーパーを隠したり、仏壇のお供えを食べてしまうなど、いたずらに興じていた私は素直に従わなかった。
お水にお醤油を薄めて、どんな反応が待っているのだろうかと期待しながら祖父に手渡したのです。
孫が注いでくれた麦茶、それだけでも祖父は嬉しくてニコニコ。
「少しぬるいかもなぁ」と言いながらも
ゴクリと一口。
くしゃくしゃの顔になり、笑い出したのです。
幼いながらも、怒られることを覚悟していたのでこれには拍子抜け。
「おじいちゃん、笑ってくれた……」
祖父の広い心と愛情をじんわり感じながら、キンキンに冷えた麦茶を注ぎなおしたとある夏の日のことでした。
なぜユーザー名が『しょうゆ水』なのか しょうゆ水 @shoyusui
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。なぜユーザー名が『しょうゆ水』なのかの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます