3.なんか面倒くさいなあ
ルカの
飛び散る鉄片の輝きの中、ルカとリヴィオの視線が
ルカの笑みに、鉄片の
双腕の外装装甲が
地面を踏み締めて、リヴィオが
ルカが待ち構えていた。左手の人差し指を、リヴィオに向ける。
その指にそって、ルカ自身の身の丈に及ぶ巨大な一本の
少し慌てて、リヴィオが鋼鉄の右拳を合わせた。リヴィオの背中に身を重ねるグリゼルダの、
その右拳がとどくより早く、ルカがまた、つま先で地面を叩いていた。
地面から
ルカが頭に立つ、
「ああ、くそ……っ! いろいろと、器用に使いやがるな!」
「
「そっちが単純すぎるんだよ。
案外、真剣に考える顔を、ルカがする。
リヴィオがあきれて、左足を前に、右半身を引いて構えた。
「おっさん、情報部とか言ってたけど……その割にお人好しで、余計な世話焼きってウザがられてない?」
「おっさんじゃない! それから、相手が傷つくような指摘を無神経にするな! 子供が思ってるほど、大人も
「なんか面倒くさいなあ」
リヴィオの両足から、光の波紋が広がった。
前に出して構えた鋼鉄の左肩左腕が、光を追って吸収されるように消滅して、鋼鉄の右腕の先に長大な槍を構築した。
「おもしろいかどうかはともかく、こんなのはどうだよ……っ?」
右腕が空気をふるわせて、槍を
槍の
鋭く強く、槍が飛んだ。
ルカが
最後の一つが突き刺さるのと、槍が赤熱、
「あっぶねえ……っ! 殺す気かっ?」
「そうだろ、お互い!
リヴィオとグリゼルダが、鋼鉄の右肩右腕が、爆炎の真ん中を突き破った。熱に
鋼鉄の腕の
今度こそ、リヴィオとグリゼルダも大きく
グリゼルダの金髪と、神話のような白い衣装が光を
「助かったよ……ありがとう、グリゼルダ」
「その一言が
満足そうな鼻息のグリゼルダを、リヴィオは
爆炎が消える先、
煙るような灰色の
ルカが、
「いや、悪かった!
ルカにうながされて、美女が
「チェチーリヤです……以後……お見知り置きを……」
姿勢もお
「私の……私の、御主人さまが……こんなに楽しそう……。ああ……あなた方が、
もう少しで質量を持ちそうな、
「私も
「まったくだよ……そっちの方が、飛び抜けて
そんな場合でもないが、じとりと細められた二人の目に、ルカは若干ずれた笑顔のままだった。
「まあ、
ルカが、チェチーリヤの腰を抱くように、右手を後ろから回した。そして左手をチェチーリヤの肩越しに伸ばして、人差し指と中指の二本を、リヴィオとグリゼルダにまっすぐ向けた。
チェチーリヤの紅眼が血の光を放ち、
「グリゼルダ!」
「ええ。こちらも本気を出しましょう。指の二本分だけ、ですね」
「そうだな……っ!」
リヴィオが、大地を踏みしめて
大地に光の
砂鉄の翼を持つ
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