昨日、俺は自殺を図った
Lil chicken
昨日、俺は自殺を図った
俺は自殺を図ろうとしていた。別に衝動的になっている訳ではない。ここ最近薄らと考えてはいた。俺は死ぬべきだと。なんでかって?俺は今日の出来事で決めたのさ。今の自分がどれほど愚かで最低な人間なのか、身をもって感じたんだ。けど、本当に終わりが来るなんて思っていなかったんだ…
今日は久しぶりに君のもとへ帰る日だ。俺は付き合って5年くらいになる彼女がいる。彼女とは遠距離恋愛で、年に数回しか会うことができない。だから、君に会えることは特別だし、本当に楽しみにしていた。早く君に会いたい、君と一緒に過ごしたい、俺の全ての愛を君に注げたい。俺はそんな気持ちで今日を迎えた。
俺は彼女と公園で待ち合わせをした。この場所は彼女との出会いの場所だ。彼女が一人でベンチに座っているところに話しかけたのが最初の出会い。一目惚れだった。いきなり話しかけたので、最初は俺を怖がっていたけど、話しているうちに音楽が好きという共通点が分かってから、彼女は俺に興味を持つようになった。それからは本当にうまくいったよ。連絡先を交換し、数回デートを重ね、この公園で彼女に告白した。だから、この公園は俺たちにとって特別な場所。彼女とのデートの待ち合わせ場所はいつもこの公園にしている。特に理由はないけどね。
待ち合わせ時間は午後2時。今日が楽しみでしょうがなかった俺は、20分くらい早く着いてしまったので、ベンチに座り、好きな音楽を聴きながら彼女を待った。しかし、待ち合わせの2時を過ぎても、彼女は公園に現れなかった。彼女は時間にルーズな人ではない。待ち合わせ時間に遅れたことは今まで一度もなかった。連絡をしてみるものの、返事は返ってこない。俺の頭は不安でいっぱいになった。事故にでもあったのかと、ネガティブな発想が頭をよぎる。
すると、後ろから誰かの足音が聞こえた。俺はすぐさま振り返ったと同時に安心した。彼女だ。
「久しぶりだね、遅れるなんて珍しい。何かあったのかと思って心配したよ」
「うん…」
彼女には元気がなかった。
「大丈夫…?」
すると彼女は、後ろめたさを感じながらも、何か決心したような表情で口を開いた。
「別れて欲しい」
俺は何も言葉が出なかった。なんだか時が止まったような気がした。
「ごめんね。さようなら」
彼女は俺が何かを発するまでもなく、そう言ってその場を離れた。俺も追いかけたりなどしなかった。とにかく現実を理解することに精一杯だった。俺は周りの人の視線を気にすることなく泣き叫ぶ。心が割られ、脳内の神経が破裂するような感覚だった。
ようやく思想に落ち着きを取り戻した頃、辺りはもう真っ暗になっていた。俺はイヤホンを取り出し、エモラップを聴いて孤独感に浸っていた。喪失感なのか、静かな夜の公園だからなのか、いつもより歌詞が入ってくると同時に、今までの彼女との思い出の数々が脳内を駆け巡る。
なぜフラれてしまったのか、理由など分かっていた。最近の俺は嫌なことから逃げてばかりで、彼女からの連絡に無視することもあった。さらに、ドラッグに手を出していることも彼女は知っていたしね。冷静になるとフラれて当然なことをしている。自分自身、良くないことだと分かっていたけれど、なかなか変えられなかった。彼女との関係に過信し過ぎてしまったことが原因だろう。終わりなんて来るはずがない、永遠の関係だとね。俺は客観的に自分を分析すると、聴いていた曲を止め、一人の親友に電話をかけた。
「どうした?」
親友が電話に出ると、俺は今日の出来事を話した。彼は俺のことを理解しているし、価値観や趣味まで何でも気が合う最高の親友さ。それから1時間ほど話すと、最後に俺はこう言った。
「俺は死ぬことにした。他の友達にもそう伝えてくれ」
すると、親友は一言。
「分かった」
親友との最後の会話だった。
昨日、俺は自殺を図った。別に衝動的になったからではない。ここ最近薄らと考えてはいた。俺は死ぬべきだと。なんでかって?俺は昨日の出来事で決めたのさ。今の自分がどれほど愚かで最低な人間なのか、身をもって感じたんだ。だから俺は髪を切ったし、髭も剃った。まずは見た目からでもいいから何かを変えるんだ。そして、昨日とは違う今日にするんだ。
俺は変わるんだよ。
昨日、俺は自殺を図った Lil chicken @youngsugi0824
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