人形師の復讐 呪いの人形で勇者たちに復讐

未来

第1話

 勇者たちの住まうフバイ王国から離れた小さな村。ここでは、人形作りで有名な一族が住み最後の末裔である少女シーラが人形たちに囲まれて小さな人形を作っていた。


「ユージン…あなたの苦しみは私が必ず晴らすから…」


 シーラはそう呟き、小さな墓を後にして自分宛に送られた手紙から髪と爪を出し人形に埋め込んだ。


 人形師を不気味だと言い忌避されていた自分を唯一温かく接してくれた魔法使いのユージン。その魔法の才能が認められ勇者パーティに参加して村で一斉に祝ったのが一年前の話だった。


 数か月前にユージンがドラゴンに跡形もなく食われた報を受けシーラは何日も泣いた。鳥や狼などの人形を使い情報を集めているとユージンは勇者パーティだけでなく、王族やギルドから常に嫌がらせを受けていたのを知りシーラの中で何かが壊れた。


 まず、最初にユージンが理不尽な目に合っているのを知っていて村の名誉や金のために何も助けなかったゴミ(村人)を狼や熊の人形で皆殺しにした。石や鉄でできた人形だったため、頭を割るのは簡単だった。


「ゴミにも使い道はあるものね…」


 墓を後にしたシーラはカバンから4つの人形を取り出した。人形は肉の塊でできており、シーラは生前に送られたユージンの手紙から4人分の爪や髪を肉製人形の中に入れる。


 村では親しい家族や友人の体の一部を交換して、お互いの安否を祈る風習があった。


 ユージンは真面目で優しく村の習慣を守ったせいで、周りから変な目で見られることがあったが、そのおかげでシーラは復讐の機会を得た。


 村人達を殺し、その肉塊でできた呪いの人形を手にシーラは人形たちを連れて魔物の住む洞窟へ向かった。



 「おい!? クズユージン!! 酒もってこい!! さっさとしないと殺すぞぉ!!」


 「あんたねぇ、あのゴミはドラゴンに食われたんだろうが」


 「おっと、そうだった…今はドラゴンのクソになってたんだな!!」


 豪華な鎧を着た勇者の言葉に、赤女の女騎士が突っ込み周りから笑いが起きた。


 他には、ユージンと同じ魔法職の中年の男と下腹の出た道具屋の男。この4人達が勇者パーティであり、ユージンをパシリに使いドラゴンにわざと殺させたクズどもだった。


 勇者たちを見てギルド員やその長であるギルドマスター。さらに、仲間であるユージンをギルド員全員があざ笑っていた。


 女騎士はユージンに化粧品や雑貨など買いに行かせた。もちろん、金はユージン持ちで。


 魔法使いの眼鏡の中年男は、ユージンの魔法の才能に嫉妬して魔法の的あてにしていた。


 ユージンには防御も反撃も禁止で一方的になぶる。道具屋の太った男はユージンの飲み物に毒を入れ苦しむユージンを見て楽しんでいた。


 田舎者で魔法の才能があるユージンに嫉妬や行き過ぎたいたずらをする者しかおらず、誰も味方がいなかった。


 ギルドの事務員ですら、ユージンの報酬を中抜きする不正者や、してもいない下着泥棒の罪をつくりユージンから金を得た女冒険者も勇者に交じり悪意ある笑顔を見せる。


 勇者は王に守られているため誰も逆らえない。他国も横暴な勇者に苦しんでいるが力強い勇者に抵抗できず言いなりの状態だった。


 「あっははは!! クズのくせにクソかぁ、雑魚にはお似合いだなぁ!! くそくそくそくそざこぉ、ユージン!!」


 勇者を守るために最後まで戦い食われた少年を酒のネタにする。ギルド員たちも一斉に笑いクソを連呼したところで


「ぐ、ぐぇぇぇ!!???」


 酒を含んでいた勇者が突如、胸を押さえて苦しみ始めた。周りに人間は食べ物でも喉に詰まらせたかぁ? と笑うが。


「い、いでぇ!! む、ねが…ひぎぃ!! あたまがぁ…いでぇぇぇ!!」


 勇者はまるで、胸や頭が溶かされている痛みに涙した。


「おいおい、酒の飲みすぎか? …っ、ぎぃぃぃぃ!!!???」


 女騎士が下腹部を抑えて勇者と同じように倒れた。突如として起きた異変にすぐさま、魔法職の男と道具屋は回復魔法やポーションを勇者と女騎士に使うが、痛みは一向に引かない。


 ギルド員にいる者たちは茫然とするが、地獄はまだ始まったばかりだった。



 呪いの人形。シーラの家に伝わる肉塊を使った人形と呪いたい相手の体の一部を使った外法だった。人形と対象は感覚を共有してしかも人形には再生機能までつけていた。


 「スライムに一方的になぶられる雑魚勇者」


 シーラが熊の人形の背中に乗りつぶやく。彼女の目の前では勇者の爪や髪が入った呪いの人形がスライムたちに溶かされ捕食されていた。人形の胸には穴が開き、頭の半分が溶かされて、すぐに再生してまた溶かされる。


 本体である勇者が弱小の代名詞であるスライムに間接的にいたぶられている。しかも、この呪いを解くには術者であるシーラを殺さないと解けないが、誰もシーラの存在などしらない。


 次に、ユージンを顎で使っていた女騎士の人形。これは、洞窟の奥にいるゴブリンの集団に向けて投げた。しかも、性欲の強いゴブリンには効果抜群の媚薬をたっぷりと染み込ませた状態だった。


 媚薬の臭いでゴブリンたちはすぐさま女騎士の人形を取り合う。本能で動くゴブリンは人形に生殖機能がなかろうが女の象徴を狙う癖はそのままで下腹部に食らいついた。女騎士の下腹部の痛みの正体は発情したゴブリンだった。


 しかも、奪い合いの中で人形がバラバラになりその激痛が女騎士に反映されるが、人形が再生し続けるため女騎士は死ぬことはない。いや、できないのだ。


「次はここ」


 洞窟内にある地面の大きな亀裂に向け、魔法職の男の人形を落とした。亀裂には無数の毒蛇たちがおり、しかも人形には攻撃を誘発する興奮剤が染み込んでいる。


 毒蛇の巣に放りこまれた人形は、すぐさま毒牙の跡だらけになる。


「最後は、血も涙もない奴にぴったり」


 洞窟の最奥。真っ暗な横穴に向けシーラは道具屋の男の人形を投げた。


 人形には村人の血が大量に含まれ真っ赤だった。そして、血の匂いに敏感な蝙蝠の魔物たちは突然のごちそうに我さきにかぶりつく。


 血を牙で吸い取り、何匹、何百の蝙蝠たちが通うせいで人形には尿や便など汚物が付着する。もちろん、臭いも本人に伝わる。


 「ユージン、私にはこんな事しかできないけど、待っててね。いつか私もそっちに行くから」


 4つの呪いの人形を魔物の住まう洞窟に放置してシーラはユージンの遺品入りの人形を大事に抱え、護衛の人形たちと洞窟を出る。そして、彼女の持つカバンにはまだ何十体もの人形が入っていた。



 一人の人形師の呪いにより、フバイ王国に混乱が起きた。


 弱小スライムの酸により全身を溶かされた痛みに泣きわめく勇者、ゴブリンに性的玩具にされボロボロの女騎士に加え、毒蛇の毒牙に何百も噛まれて泡を吹いた魔法職の男。そして、蝙蝠に全身の血を抜かれて真っ青になり糞や尿の臭いを放つ道具屋の男。


 城の高名な医者たちがあらゆる手を尽くしても勇者たちの苦痛が取り除けず、毎日、毎日泣き叫ぶ勇者を目ざわりだと、勇者と女騎士。さらに魔法使いを地下の牢獄へぶちこんでしまった。


「ぐぞぉぉぉ!! おぉぉぉぃぃぃぃ!!!!! おれはゆうじゃだぞぉっぉぉぉ!!!!! なおせよぉぉぉおお!!!!! いでぇぇぇぇぇ!!!!!! ぐぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


「いだぃぃぃ!!!!!おながぁぁぁぁ!!!!! やめでぇぇぇ!!! からだがぁ、からだぁぜんぶいだぃのののぃ!!」


「ぐぇ…あ、い、ぎぃ、うぅ、ふぅ…」


 スライム、ゴブリン、毒蛇。どれも最弱のモンスターだが彼らの分身である呪いの人形が捕食して弄び攻撃し続けて、食事も睡眠もとれずやせ細っている。不眠や餓死に陥っても、人形の再生機能を共有しているため自傷は無駄に終わる。


 何度も硬い壁に頭を叩きつけても傷がふさがり舌をかみ切っても再生してしまう。


 そして、道具屋の男は常に貧血な状態でも商売をやめず外をうろつく。


「うげぇくっせぇぇ!!」


「おいおい、あいつ勇者パーティのだろ? なんか呪われてるみたいだし」


「誰が、あんなやつのところで買うかよ」


 蝙蝠の糞尿の異臭のせいで誰も商品を買ってくれない。しかも、貧血で意識もまともでないため、金や商品をすべて盗まれ一文無しになるってしまう。さらに、ギルド員だけでなく町の人間からも臭いからあっち行けと石を投げられ、ふらつきながら下水道の奥に逃げてきた


「うげぇ、きだなぃ、くざいぃ...」


 誰もこない下水道の奥ですべてを失った商人は、今も蝙蝠に血を吸われて立つ事すらできなくなった。



「ふふふっ。ユージン、大丈夫。あなたの苦しみは私が解放してあげるから」


 ユージンの墓の前でシーラは人型や動物型の人形の囲まれた中、大量の封筒を開ける。中には様々な爪や髪があり、それらはユージンが記念と保管のためにとシーラに送ったものだった。


 ユージンとしては理不尽な目にあっても、出会った人達との思い出を残す程度で保管のためシーラに送ったのだが、それが出会った人たちを地獄へ落とす引き金になるとはユージンは思っていなかった。 


 しかも、大量の爪や髪はギルド員全員の物で中には王族や貴族の物も混じっていた。


「かわいそうなユージン…私だけのユージン…」


 すでにシーラの目は狂っており呪いに手を出した彼女の復讐はまだおわらない。



 勇者パーティが謎の病で牢に入れられてから数か月。フバイ王国は最悪の道を辿る事となる。


まずは、王族たち。強力な勇者を甘やかし、他国にも平気で迷惑をかけていた老年の王と王妃。そして、その息子の三人は暖炉の前で厚着をしていた。ちなみに季節は夏である。


「さ、寒い…」


「い、息ができ、ない…」


「ゆび、がいだぃぃ…だ、だずげでぇ…」


 勇者パーティにいたユージンは村の風習で記念に王族の髪を取っていた。現在3人の人形は、鳥人形に北の寒い大陸に運ばれた後、氷塊の中に閉じ込められた。もちろん、人形には再生機能があり、体中の水分が氷り、手足の指が黒くなり腐って落ちても三人は死ぬことができない。


 国の長が役に立たなくなり貴族たちが何とかまとめるも、ユージンは貴族たちの髪も記念にとシーラに送ってしまっていた。


 ユージンを見下し何も保障をしなかった上級貴族の男は突如、感電して動けなくなった。金属性の人形が落雷がよく落ちる危険地帯に男性貴族の人形を抱いていた。しかも金属性の人形が避雷針の役割をしているため落雷が人形を何度も焦がす。


 「いやだぁ、いやだぁ…いたののは、ひぎぃぃぃぃぃ!!!!!!」


 他にも、ユージンに石を投げていた平民の子供たちにも異変が起きていた。


 「いだぃぃl!! か、かおがぁいだぃよぉぉぉ!!!!」


 「うぎぃぃぃぃ!!! お、おなががぁ!!! つ、つぶれるぅ!!!!! あがぁぁぁぁ!!!!!」


「いだぃ、いだいぃよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


 学校の掃除もさせられその際に手に入れた子供たちの髪入り人形は、魔法職の男と同様に攻撃を誘発する薬剤をつけられ、巨大な体と力を持つオークの巣に置かれた。気性の荒いオークたちはゴブリン以上の暴力で飲まず食わず再生する人形に暴力を続け、病院では何か月も子供たちの悲鳴が止まらなかった。


 どんなに骨がつぶれ内蔵の形が変形しようが、人形をオークたちから取り上げない限り子供たちが助からない。


 シーラの復讐はまだ終わらない。今度はギルドの冒険者たちにも地獄が迫っていた。


 まずは、ユージンに下着泥棒の濡れ衣を着せた女冒険者。ユージンから慰謝料を手に入れ美味しい物を食べ新しい武器を買い、町で遊んでいると突如喉が渇きに襲われた。


 「水、水…」


 もっていた金をすべて使い売店の飲み物に手を出すも、一向に渇きが収まらない。汗が滝のように流れ、頭痛に襲われた。この女の人形は遥かかなたの砂漠の奥。常に 50度を超える死の砂漠に置かれ、肌を焼く日差しを常に受けどんなに水を飲もうが無意味だった。


 「水、水ぅぅぅ!!!!!」


 「きゃぁ!!」


 「お、おいこいつナイフ抜いてるぞ!!」


 有り金をすべて水で溶かし、脱水を起こし水欲しさにナイフを抜いた。そして売店の生け簀に顔を突っ込み、魚臭い水をひたすら飲みこむ。それでも渇きや暑さから逃れられない。


 その後、女は兵に連れていかれ城の牢に入れられるが、魚水を飲んだせいで食中毒を起こし、砂漠の熱と二重の苦しみを味わうことになった。


 二人目は、貴族出身で親の力でギルドの上位になった子息。


 勇者には媚びを売り、ユージンを完全に見下していた。


「あ、あづぃぃぃ!!!!!!?????」


 屋敷の自室でくつろいでいたところ、突然体が燃え上がった。


 人形が火山の中にあるため、溶岩で燃やされていた。


「だ、だづげぇ!!! マ、マ…パ、パ…」


 人形の再生のせいで息子の体も再生でき、親を求めて屋敷中を歩いた。そのせいで火の手が上がり、屋敷が倒壊して使用人たちが焼かれ押しつぶされていく。


「あぁぁぁがぁぁぁぁぁ!!!!!!」


「うぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


 息子のせいで次々と死んでいき、彼の両親も屋敷の倒壊に巻き込まれて死んでしまった。


 何もかも失いそれでも、全身を焼かれながら「ぱぱ、まま…」とすでにこの世にいない両親を探し山に入り大規模な山火事が起き、フバイ王国の住人だけでなく隣国の人間に大きな被害者が出続けた。


 この大規模の山火事を起こした息子の名前は未来永劫、最悪の放火犯として他国の記録に残り、フバイ王国はさらに追い込まれる。


 そして、3人目。ギルドを統括しているギルドマスターは一人自室でおびえていた。


「呪いだ…ユージンの呪いだ…」


 巨体だが腰が弱いせいで勇者たちに言いように使われてきた彼だが、それなりに甘い汁もすすってきた。自分の失態をユージンに押し付けて楽をしてきし、ユージンに対しての報酬をギルド員たちと一緒に着服してきた。


 今、王国では勇者に切り捨てられたユージンの呪いの噂が広まっていた。


 ユージンに嫌がらせをしていた者たちが突然、激痛に襲われ原因不明で医者が逃げ出してしまっている。


 呪いを恐れてギルドから人がどんどんいなくなり、依頼が来なくなった。このままでは、このギルドはおしまいだ。


「くそ、ぜんぶ勇者が悪いのに…「きゃぁぁぁぁ!!!!!」 な、なんだ?」


 受付嬢の声が聞こえ、武器をもって部屋を出る。受付にいた者たちの体が赤く腫れあがっていた。


「か、かゆぃ…」


「ぜんぶ、かゆぃ!!」


 ユージンの報酬を着服していた者たちは、強力な痒み汁を出す植物モンスターの根に置かれたせいで、全身に治ることのない痒み地獄に襲われた。


 「ひぃ!! の、のろいだぁ、のろいだぁ…」


 受付員たちの痒み地獄を見て体をおびえるギルドマスター。気づけば彼の全身も赤く腫れていた。


「か、かぃぃぃぃ!!!!! いやだぁ、いやだぁ!!」


 呪いにおびえ部屋に飛び込み、隠しもっていたポーションをすべて飲み干した。最高級のポーションから解毒や麻痺を解除する薬。どれを飲んでも痒みは収まらない。


「ごめんなさぃぃ!!!! ゆるしてぇぇぇ!!!!! 金なら返すがら、呪わないでぇぇぇぇぇ!!!!!」


 ギルドマスターの情けない声は外にも漏れてしまい、ユージンに対しての謝罪やこれまでの罪を勝手に暴露してしまいギルドの信頼や名声は消え失せた数日後にはギルドは廃止された。


 呪いにかかっていないギルド員の関係者もいたが、呪いの噂のせいで役病神扱いされて国から逃げた者や自分にいつ呪いが来るかおびえてしまい自ら命を絶つ者が出て、悲惨な末路を送った。


 ギルドマスターや受付員たちは痒みは消えず、痒い痒いとうるさいため勇者たちと同じように牢獄へ入れられた。


 現在、城の牢はユージンの呪いにかかった者たちでいっぱいになっていた。


 最初に投獄された勇者や女騎士はすでに精神が崩壊して「いだぃ、いだぃ」とかすれた声を出し動かない。


 フバイ王国は王族や貴族、切り札である勇者たちが呪いで経済も回せなくなり、餓死する者が増え平民による暴動が毎日起きるようになった。


 ユージンの呪い騒動は、他国にも知れ渡り。触らぬ神にたたりなしと各国とも助けようとしない。むしろ、呪いが移されては困るとフバイから来た人間をすべて排除する動きが強まり、数日後にはフバイの名前が地図から消えるのであった。



 シーラの手元にはいまだに大量の髪や爪が残されていた。ユージンが毎月送っていた手紙の量は膨大で村人を殺して作った人形もまだ残っており、シーラの復讐はまだまだ続く。


「ほい、ほい」


 今度はユージンの悪口を言っていた平民のおばさんや子供たちの人形をピラニアの住む湖に投げ、鋭い歯が肉人形に食らいつく。再生機能のおかげで無限に食べれるが、それは永遠の苦痛を意味して、荒廃した元フバイ王国では新たな苦痛の悲鳴が生まれた。


「ふふぅ、ユージン、ユージン…」


 シーラは狂った人形のようにユージンの人形を抱きしめた。どこかに旅立ってしまった。彼女の持つカバンの中にはまだ呪いの人形が残っており、次々と呪いに苦しむ人たちが増えていく。


 シーラの呪いを受けた勇者たちが呪いから解かれ死の安息にたどりつけたかは十数年経った今も不明だった。


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