転生したけど魔物が怖いので最初の街に引きこもる。スキル【ビルド】採掘してたら最強になってた件

@jimgai

第1話 「異世界転移」

異世界転移。僕らの世界では、そう呼ばれていた。

如現れた魔法陣によって僕は異世界に転移したのだった。


神によって転生されられた少年。

その名は、花澤 勇太(花澤 勇太) 16歳。

ひょんな事から神を助け出す事になった。


 どうやら、神はこの世界の何処かにある銅像に封印されている。封印を解除したら、元の世界に帰れるみたいだ。


 呼び出された5人の日本人に、神は恩恵を与えた。その恩恵は、スキルと呼ばれている。スキルを与えられた僕は、草むらに転移するのであった。



ー草むらー


「あれ?僕一人だけか。」


 転移する部屋でいた人達はおらず、辺りには草木しかなかった。草が揺れる。青いスライム状の塊が僕に向かってくる。


「流石は異世界。最弱のモンスタースライムのお出ましだぁぁ」


 僕はスライムに向かって走り殴りつけるがポチャン、と音が鳴りスライムが俺の顔面に張り付いた。


「うぅぅぅぅ。くるじぃ……。」


 無理無理無理無理。死んじゃうって。スライムって最弱なんだろ!大人しく倒れとけや!俺は必死にスライムを外そうとするが、スライムは取れなかった。


 あ〜僕。ここで死ぬんだな。転移してすぐにバッドエンド。こんなのあんまりだろ。だれかー助けてくれ〜。


 そんな事を考えていると、一人の少女が現れた。

少女が俺をジッと見る。


「おじょう…ぢゃん。あ ぶ ない。逃 げて…」


 くそっ。声がちゃんとでねぇー。早く逃げてくれ。俺は手足をバタバタさせる。すると少女がスライムに向かって石を投げ、弾け飛んでしまった。


「あれ……俺生きてる。死を覚悟してたのに。」


「お兄ちゃんおかしいのっ。スライムなんて石を投げれば一発なのに。」


 少女が笑いながら俺を見た。茶色の短いショートヘア。歳は6歳くらいだろうか?


「ちょっと失敗しちゃってな。」


「ぷぷっ!お兄ちゃんださーい。」


  俺を笑うなんて10年早いわ!殴ってやりたいけど助けてもらったからな。我慢しておこう。男女平等パンチが俺を呼んでいる!


「あっお兄ちゃん。スライム居たよー!倒せばお金になるよ!倒してみる?」


「スライムは強敵だ。無闇に喧嘩売っては、行けない。」


  俺はスライムを見ると震えてしまうぐらい、恐怖を植え付けられたのであった。


 しばらく少女としばらく歩き、村に着いた。


ー始まりの街[入り口]ー


「おーい止まれ、そこの不審の奴。」


門番が僕に話しかけてくる。筋肉ゴリゴリマッチョマンだ。なに食べたらそうなるの?。脳みそも筋肉で出来てそう。


「僕ですか?」


「おめーしかいねぇーだろ。少女と手を繋いで歩くとか、どう見てもやべぇ犯罪者にしか見えねぇーよ。」


 うっせぇー!僕だって繋ぎたくて繋いでる訳じゃねぇーんだよ。スライムに出会ったらあぶねぇーだろ。安全な為だ!安全の!!


「スライムに襲われてたから、助けてあげたの!」


 少女が大声で叫ぶ。周りの大人達がこちらを見てぷぷっと笑う。ふざけるなよ!こっちは異世界に来たばっかなんだよ。現代人舐めんじゃねぇーぞ!


「お嬢さんそれは本当かい?」


 門番が不思議そうに少女に尋ねる。どうやらお前は真実を見抜く力が無いようだな。門番として、二流だな!


「うん!本当なの!」


「子供が嘘を吐くとは思えないし、お兄さんスライムに負けそうだったのか?」


「負けてはいない。しかしあやつは強敵だった。次会う時は万全の準備をして、地獄に葬ってやる。」


 スライムは、この時から僕のライバルになった。いつか絶対倒してやる!真剣に答える僕に門番は、苦笑いをした。


「おかしな奴だけど怪しい奴では無いな。通っていいよ……ププッ」


 あっこいつ笑ったな?顔は覚えたからな!今から倒しても良いが俺は用意周到なんだ。ここは我慢してやろう。


 俺たちは門を通って街に入るのであった。


ー始まりの街[商店街]ー


「そろそろ家に帰らなきゃなの。またねー」


「ありがとう。助かったよ。」

 

 謎の少女と別れ、俺は一人になった。まずは宿屋を探す。転移する時に神から金貨10枚を受け取った。日本円にして金貨一枚十万円ぐらいらしい。使った事ないから、わからないけどな。


しばらく歩き、家の絵が描かれた看板を見つける。宿屋だな。



ー始まりの街[不動産屋]ー


「いらっしゃい。」


 小太りしたおっさんが僕に近づいてくる。うわっ体臭キツそー。こっち来んなじじぃ。


「こっち来んなジジィ。」


  あっ口に出しちゃった。ごめん。僕正直者なの。小太りしたおっさんが頬をピクピクしながら、後ろに下がる。そんなに怒らなくても良いじゃないかぁ。


「どう言ったご用件で?」


「一週間。宿を取りたい。」


「ここは、宿屋ではありません。不動産屋です。」


 なんだぁ。そうだったのか。家なんて紛らわしい絵を描くお前が悪い。僕は悪くない。全部お前が悪い。


「そうなんだ、失礼した。バイバイ。」


俺は不動産屋を出ようとすると、声をかけられた。


「宿屋を長く借りるより、土地を買った方が安いですよ。」


 小太りしたおっさんがニヤニヤと俺を見る。なんだこいつ。俺をハメようとしてるのか?その策に乗らんぞ。でも話しは聞いてやる。


「どうしてだ?」


「宿屋は10日で銀貨20枚です。ここの宿屋は高いですからね。40日で金貨1枚です。金貨一枚でも紹介出来る土地も有ります。この街に長く居座るなら、土地を買った方がお得です。家もついてきます。」


「うぅ……。」


 僕には、ライバルとの再戦もある。しばらくは、この街に居るつもりだ。くそっ。魅力的な話だ。


「ご予算は?」


「金貨10枚です。」


「ヨホホ。意外とお金持ちなんですね。」


 意外は余計だ。それにしても笑い方気持ち悪いな。やめた方がいいぞ。


「笑い方キモッ。」


 やべっ。また出ちゃった。おっさんそんなに顔真っ赤にしてどうしたの?僕に惚れた?ごめんなさい。男は無理なんだ。


「こちらなんてどうでしょう。」


 おっさんが俺に向かって地図を見せる。地図には赤い丸がつけられていた。


「ひっろ!!僕一人でこの大きさは必要ねぇーよ。」


「面積で約100,000㎡(約30坪)です。庭がとてつも無く広いのですが、家が小さいのです。」


 えーーーと。東京ドーム二つ分って所だよな。庭が広いって事は管理もどーせめんどくせぇーんだろ。わかってる。わかってる。


「白金貨10枚な所、金貨5枚でお売りします。」


「なに!!!」


 白金貨一枚は一億円。流石にサービスしすぎだろ。逆に何かありそうで怖いわ。幽霊とか居るんじゃね?


「幽霊とか居るんじゃね?」


「たしかに、居るかも知れませんね。昔汚職を働いた貴族が住んでいたのですが、市民の反乱によって家は破壊され、貴族は殺されました。余りにも広い土地に国王は国で預かる事を拒否されました。なので私がその権利を頂いたのです。(売れると思ったんですけどね…)」


 なるほどなるほど!管理がめんどくさくて早く手放したいって所か。神から貰ったスキル【ビルド】を使えば家なんて簡単に立てれるだろう。


「おーけー。わかったわかった。買うよその土地。」


「本当ですか?!少々お待ちください。」


 おっさんが書類を持ってくる。僕はそれにサインして金貨5枚を支払った。


「手数料の金貨5枚もお支払い下さい。さもなければ、買った土地を没収させて戴きます。」


 ちっ。これが狙いかよ!くたばれクソジジイ!

地獄に堕ちろ、人でなし。クズ、カス、ゴミー!!


「地獄に堕ちろ」


 そう言って金貨5枚をおっさんに渡した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る