「餌だけは勘弁して下さい!」

「するか、人間の味を覚えたらまずい」


 屋敷の裏にある山に元からいないようなナニカの気配がするとヒカルから相談された賢希は二つ返事で引き受け、たまたま来ていた蓮の首根っこを掴んで捜索に行った。

 すると平屋が一軒があり、おそらく人形制作のアトリエだったのだろう。同じ部分を齧られた数体の動物の死骸と、大量の人形が転がっていた。


「同物同治だろうな」


 ボソッと呟かれた賢希の言葉を、蓮は聞かなかった事にした。

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日日是好日を望む 狂言巡 @k-meguri

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