第7話 『地獄の湯』

銭湯マスター




著者:ピラフドリア




第7話

『地獄の湯』




「アワめ〜!!」




「うわー!! 倒れてきたー!!」




 仮面の男は頭を打ち気絶。宇宙人は仮面の男の下敷きになってしまった。




 シタベーはその様子を見て、




「おーっと、これは大変だ!! すでに犠牲者が出てしまったー!!」




 そう実況した。




 二人の脱落者はタンカーに乗せられて運ばれて行く。




 そして二人の脱落者は出てしまったが、ついに大会が始まるのだ。




 残ったのはナガオ、ハヤオ、アツギ、チョウデン・ロリコン・ボンバー、アワ、ヌルの六人の選手である。




 この残った選手がどのような死闘を繰り広げるのか。




 実況のシタベーはワクワクした様子で、開始の合図を待つ。




 銭湯の壁に描かれた富士山の天辺が、忍者屋敷のような扉になっており、そこが開いて審判が現れた。




 審判の服装は西洋の貴族の服に似た衣装である。




 審判はズボンのポケットからスマートフォンを取り出すと、それを選手のみんなに見せた。




 それはビデオ通話であり、そこにはサラリーマンが映っていた。




 サラリーマンは笛を持つと、




「これから銭湯グランプリを開始する。よーい、スタート!!」




 と言って、笛を鳴らした。





 開始の合図である。




 選手たちは一斉に銭湯の中に入る。






 しかし、ここで事件が起きた。





 泡だらけであったアワと、その隣で開始を待っていたチョウデン・ロリコン・ボンバーが泡に滑り、頭から湯船に落ちてしまったのだ。




 それを見た観客たちは悲鳴をあげる。




 銭湯の中は赤い血で染まり、泡が落ちたアワとチョウデン・ロリコン・ボンバーが湯船から浮かんでくる。




「大変だー!! 開始と同時に滑ってしまい、二人の選手が脱落だー!!」




 二人はすぐに湯船から救出されて、タンカーで運ばれる。




 後から出た情報では二人とも軽症であり、歯が折れただけで済んだようだ。




 あの時、湯船に浮かんだ血も歯が折れた時の血だったようだ。




 多くの犠牲者を出しながら、大会は続行される。




 次の犠牲者は誰なのか。




 しかし、湯船に浸かることができ、泡をばら撒くアワが脱落した今では、これ以上の被害は出ないであろうと考えられていた。




 そう、浸かってしまえば、怪我人は出ない。




 だが、その予想を覆す事件が起きた。




「あちーー!!」




 それは湯船に浸かり、一秒も経たない時に起きた。




 ヌルが湯船から飛び跳ねたのである。




 悲鳴をあげて、高く飛び上がる。




「こ、このお湯!! 35度以上なのか!!」




 湯船の温度は42度に設定されている。




 ヌルは35度以上のお湯を苦手としているのだ。




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