まんぷくごはん
そよかぜ
第1話 兄さんのひみつ
僕には7歳年上の兄さんがいる。
兄さんはひと言で言えばバカだ。
テストでは赤点が当たり前、補習でさえ真面目にしてないらしい。
学校もよくサボっていると母さんが嘆いていたのを耳にした。
それで毎日のように母さんに怒鳴られている。
昨日も母さんはこっぴどく兄さんを叱っていた。
けど兄さんは何処吹く風。なーんもなかったかのような笑顔で笑っていた。
母さんから連絡を貰い、帰ってきた父さんにゲンコツを貰ってもエヘへと笑ってる兄さん。
僕はそんな兄さんが大好きだ。
もちろん勉強の面ではもうちょっと頑張ったら?ってことは多いけど…
俺にしか分からない兄さんのすごいところがあるんだ。
それは兄さんの料理がめっちゃくちゃ美味しいってこと。
それはそれはすごい。
某テレビに出る星4とかの名流店にも負けを取らないと大声で言うことが出来る。
けど兄さんが料理を作ってくれるのは母さんも父さんも仕事でいない、休日の昼しかない。
「にいちゃんが作ったことは秘密なぁ〜これで母さんにでも見つかって、晩飯とか頼まれたらたまったもんじゃねぇから」
盛りつけをしながら目尻をさげ、ニシシと笑う兄さん。
僕は兄さんのこの顔が大好きだ。
僕のために作ってくれたごはん。僕に向けて笑ってくれたその笑顔。
大好きだ…。
からこれは僕だけの秘密なんだ。
みんなに教えたいけど僕の心に閉まっておきたい兄さんの秘密。
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