パンドラの背中
六線直
第1話 パンドラの箱
空飛ぶ車 永久機関 ワームホール 全小学生が描いたであろう未来は来ることはなく今日も平和にお芋を食べている.....
2052年3月17日 小学校を卒業した鷹梨日向(たかなし ひなた)は、昼間から自宅の縁側で芋を食べながらただただ一点を見つめている。友達との修学旅行の誘いも断り親の手伝いもほっぽりだしてこの暇を持て余した時間を待ち望んでいたのだ。この生活を卒業後7日間続けている。本日4本目の芋に手を伸ばす日向の見つめる先には空に浮かんだ黒い球体がある。その大きさもはっきりした形状も素材も解明されていない。21世紀の技術を用いれば容易くわかりそうなものであるが解明は不可能なのである。何故ならその球体こそが全てのあらゆる磁場を狂わした張本人であるからだ。その黒い球体は月と同様に地球の周りを公転しており「黒い月」と呼ばれている。
電子機器の発達した現代社会において「黒い月」の存在はまさに天敵であった。「黒い月」は5年前突如として現れ昼間の世界から電力を奪い去ったのだ。あらゆる研究者や軍隊がその球体の謎に迫ったが近づくことすら出来ず手も足も出ない状態。そんな世界の形を変えた忌まわしき存在である「黒い月」に何故か心奪われたのが鷹梨日向なのである。
夕方になり黒い月が沈む頃日向は自宅からすぐ近くの狼山に登る。本当の月と黒い月が入れ替わる直前西と東に平行で並ぶ瞬間が堪らなく好きであった。
パンドラの背中 六線直 @gojyoutenma
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