第4話「カップ式自販機」
自販機の前で、コーヒーを待ってぼーっとしていた。
今時珍しく、
僕の職場には、カップ式自販機がある。
子どもの頃が懐かしい。
カップ式自販機を初めて見たのは、イトーヨーカドーという総合スーパーだった。時々連れて行かれるそこで、氷入りのジュースを買って飲んでいた。
近年は商業施設で見かけても、使っていなかったのだけれど。ゴキブリとか虫が怖くて。職場の自販機は、恐る恐る使って大丈夫そうだった。
コーヒーお茶にココアミルク。残念ながら、ラインナップにジュースは無かった。この世のどこかに、まだジュースが出るカップ式自販機はあるんだろうか。
1分弱待って、取り出す。
コーヒーの匂いが、辺りに漂う。
匂いは良いが、味は微妙だと知っている。
皆は、どう思って利用しているんだろうか。
子どもの頃は、自販機に虫なんて考えもしなかったし、コーヒーも飲まなかった。ぼーっと待つこともなく、注がれるジュースを見ていた気もする。時の流れは残酷だ。よくよく考えれば、ジュースの方が虫が混入しても気付きやすいし、注がれる様子も見てて、虫自衛は子どもの頃の方がしっかりしていたのか。
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ふと気になって、帰宅後にカップ式自販機の評判を探してみた。
1番多いのは、ゴキブリとセットの検索のようだ。ただ、日付が古いのが気になる。
「虫については、場所による。」「対策しなければ、導入もされない。だからメーカーがしっかり考えている。」「屋外はやばい。」
さもありなん。
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