6月30日

 どうしても現実逃避にゲームをしてしまうという知り合いがいた。彼はそのことについてわりと深刻に思い悩んでいるようだったので、僕なりの助言をした。この世界にはメインストーリーなんてないし、どちらが現実であるかは君の定義次第だと。ゲームのほうを現実ということにするのかと彼は聞いた。そうだと僕は答えた。すると彼は諦めの笑みを浮かべて、それでは新しいほうの現実から逃避するだけではないかと言った。なるほどと僕は思った。やれやれ。それこそ君が初めから求めていたものではないか。

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