第33話 学校でのペットの話、手芸や工作の話

 学校のペットといえば、定番なのはウサギ小屋だが、小4から通った小学校にあったことしか覚えていない。しかし、中学校ではクラス内でペットを飼っていた。

 転校してきた1年7組の教室では、水槽にメダカや金魚などの小魚を飼っていた。だが、一匹の魚が病気にかかり、別の入れ物に隔離して飼っていたが結局亡くなってしまった。放課後の教室で魚が浮いているのを見つけた私は、網ですくい上げ、校庭を突っ切った隅に埋葬した記憶がある。


 もっと本格的なペットは、中学3年のクラスで飼っていたハムスターだ。餌はひまわりの種をあげ、夏休みなどはクラスメイトが家に持ち帰っていた。ただつがいで飼っていたためすぐに増え、ハムスターの子どもたちもケージに同居していた。

 ハムスターは教室の後ろに置かれたケージで、授業中でもおかまいなしに回転車を回していた。ある時、授業に来た数学の男性教師がクラスに入るなり「臭い!」と言い放った。ハムスターと同じ室内にいると慣れてしまうが、他から来るとかなり臭かったようだ。卒業式まで一緒に過ごしたハムスターは、結局クラスメイトの家に引き取られていった。


 中学校では家庭科や図工、技術の授業で手芸や工作をしたのもいい思い出だ。覚えているのではプラスティックの板を熱で曲げながら作った状差し、四角い板をできるだけ生かすため、こけしのデザインにしたペン皿、自分で布地を選んで作ったエプロンやシャツ、クロスステッチを使った刺繍などだ。


 エプロンといえば、家庭科教室にクラスメイトの中から選ばれた優秀作が展示されたのだが、その中に当時流行っていた大映ドラマ『乳姉妹ちきょうだい』のオープニングナレーションを刺繍した物があり、異彩を放っていた。オーバーアクションで外連味けれんみにあふれたストーリーが売りの大映ドラマの放送時間枠は夜8時だったが、この頃は家でトランプをする習慣もなくなっていたので普通に楽しんでいた。図書室に入っていた『不良少女と呼ばれて』の原作を読んでドラマと時代背景が違うのに驚いたりしたものだ。


 次回は現在に至るまでファンである俳優・声優の安原やすはら義人よしと氏にはまる過程の話をしたい。

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