第27話 スクラップブックと『みんなのうた』の話

 番外編を挟んだので話が飛んでしまったが、25話の続きでスクラップブックの話をしたい。

 私がスクラップブックに使っていたのは主に大学ノートだった。ページに『明星』などの付録の歌本を書き写したり、切り取ったりして貼っていたのだ。ノートの種類はコクヨのキャンパスノートやファンシーノート、マイナーな「マルゴノート」などである。


 ノートには他に、パーマン二次創作の制作メモも書き込んでいた。キャラクターの家系図や年表、二次創作シリーズ各巻のタイトルを並べた目録、バード星のモデルに選んだ恒星系の資料、パーマン二次創作の舞台に使った朝鮮戦争の年表などだ。ただし、ここに書かれたもので小説として完成できたのはごく一部である。

 今になって目録に書かれた各章タイトルを読み返してみると、どんな話を考えていたのかおぼろげだが思い出せる。一部の作品にはことわざや故事成句をもじったタイトルがつけられているが、これはカクヨムにも掲載した一次作品『泥中の蓮』の影響だろう。

 他に、恋愛模様をメインとした巻にはイメージソングとして当時のヒット曲タイトルが書かれていた。 スクラップブックに書き写した歌詞はこのイメージソングにも使われている。


 別のスクラップブックは、「『パーマン』名ゼリフ集」というタイトルで、ひたすらアニメの気に入った台詞を書き写していた。これはTVの録音もできるラジカセを買ったお陰で、それまでは居間のTVで流れている放送をテープに録音していた。生テープが高く、録音は使い回さず上書きしていたので、アニメの記憶を残すためには台詞を書き写すのが一番だったのだ。


 他に私が熱心に書き写していたのは『みんなのうた』の歌詞だった。何がきっかけかは忘れたが、学校から帰宅すると放送時間にTVの前に陣取り、歌詞を覚えてノートに書き写していたのだ。月に何度も同じ歌が流れるからこそ出来た技である。表紙の裏には、各シーズンのローテーションが記録されている。放送月しか記されてないが、ウィキペディアの情報と照らし合わせると、1984年4月~1986年9月までの記録だった。後半は一部抜けがあるので、高校生になって時間がなくなったと思われる。

 ノートの歌詞の隣には、本編映像から印象に残ったシーンをイラストにして付けていた。もともと絵がうまいわけでもない私がそんなことをしていたのは、映像を残せない代わりに少しでも映像の記憶を残したかったのだろう。


 当時の新曲には「メトロポリタン美術館ミュージアム」「ラジャ・マハラジャー」「スシ食いねェ!」など今も有名な曲もあるが、歌詞を見てもメロディが思い出せない曲も多い。機会があればもう一度見てみたいものだ。


 次回はパーマン関係の資料集めについて語りたい。

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