私の創作遍歴

大田康湖

第一部 幼少から小学生時代

第1話 創作の始まり

 私がカクヨムに登録したのは2018年7月10日。知り合いがカクヨムに発表した作品を読むために登録したのだが、当時は自分も作品発表の場にするとは思わなかった。

 その後自サイトに発表していた、アニメ『闘士ゴーディアン』の解説記事をまとめようと思い立ち、放送開始40周年記念日の2019年10月7日、カクヨムに『君はゴーディアンを知るか』のタイトルで連載を始めたのが執筆者デビューである。1年弱の連載で本編解説は終了し、その後は新情報等があれば執筆する不定期更新となっている。


 2020年からのコロナ禍で自宅待機が続いた際、片付けの最中に学生時代に書いていた小説を発掘した。当時学内文芸誌に発表したものもあるが、ノートに鉛筆書きで書いたままのものもあった。こういった小説にもう一度日の目を当てたいと思ったのが、カクヨムに小説の発表を始めたきっかけである。最初は既成作品の発表のみをするつもりだったが、当時イマイチだった作品のリライトを始めるうちに欲が出て、後日譚として書き下ろし短編『令和2年、それぞれの秋』を発表し、2021年秋からは長編作品『一蓮托生(いちれんたくしょう)』を書き下ろしてカクヨムコン7に応募することが出来た。


 今回エッセイの形でカクヨムに執筆しようと思ったのは、これまで50年以上生きてきた中で私を形作ったものについて振り返ると共に、小説を書く際に気づいたことや作品の裏話、創作のヒントについてまとめておこうという思いからである。近況ノートでは更新案内や告知、評価のお礼等をメインで扱う予定だ。

 プライバシーや著作権には極力配慮するが、不備があればご指摘願いたい。


                   ○


 私が頭の中で創作を始めたのは小学生の時だった。クラスメイトたちと一緒にロボットや宇宙人と戦うというもので、敵の名前は「メカザウルス」とつけていた。『ゲッターロボ』の敵メカが元ネタである。アニメを見ていた記憶はないが、当時買ってもらった幼年雑誌に載っていたグラビア記事が印象に残っていたと思われる。子ども部屋で一人で寝ることになってからは、布団の中で盛り上がるシーンの台詞のやりとりをしていた。


 私が創作をしていることを話したのは、当時信頼していた伯父のみだった。祖父母の家に帰省した際、朝早く伯父の布団に潜り込み、お話を考えていることを話すと伯父は褒めてくれた。この肯定は自分の創作を続ける原動力となっている。


 布団で台詞のやりとりをしていない時は、夢とも妄想の世界とも付かない空間を旅していた。暗闇をずっと見つめていると白黒の市松模様が浮かび上がり、その中に飲み込まれるような感覚がおこる。そのまま透明の魔法の絨毯に載っているように浮かび、洞窟や遺跡、廃墟などの空間を旅したが、いつも眠りについてしまい最後までたどり着けなかった。

 ある時いつものように旅をしていた私は、トンネルのような場所を抜けると突如真っ青な空間に飲み込まれた。

(これは海の中だ)

とっさに私は思った。そしてここが旅の終わりなのだと悟った。そこには一度しか行けなかったが、その青い色は強烈に残っている。

 今も暗闇で白黒の市松模様は見えるが、飲み込まれるほど大きくなることはない。こんな体験をしているのは私だけなのか気になるが、説明が難しいのでこれまで誰にも話したことはない。

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