トイレットペーパーでバンジージャンプ
羽弦トリス
第1話ヤツは動いている
九州の大田口高校には、バカが多い。僕の名は寺田俊一。文系の二年生だ。
通学にはバスを利用している。
教室に入ると、朝補習のノートと宿題を机の上に置く。
すると、僕の右肩を掴む者がいる。
「て~ら~だ~、宿題みせ……」
ドゴッ!
「アバババッ!」
僕は裏拳でそいつを成敗した。葬ったのは和田由美。
コイツは朝からテンションが高く、いつも僕のノートから宿題を写しているのだ。
「殴ることないじゃん、寺田~。あっ、丸山さん。おはよ!」
丸山とは、クラスで頭のいい部類の女の子だ。丸山いずみとは、半年前から付き合っていた。
すると、教室で友達と話していると、何か匂う。
「寺田君、ウンコの匂いがするね」
「うん、さっきから気になっていたんだ。原発巣を探さなくては」
我々は、クンクンさせながら教室を探索した。
「寺田隊長、匂いは動いております」
「おいっ、加藤。イスの匂いを嗅がせてくれっ」
「隊長、これが加藤のイスです」
僕はイスの匂いを嗅いだ。
……グハッ!
「犯人は加藤だ!」
加藤は小学生から一緒にツルンでいるヤツだ!
「う、ウソだ!僕は毎日、風呂入ってんだよ!」
周りは、やはり加藤のイスが臭いと言う。
「そう言う寺田のイスはどうなんだ?」
みんなは、僕のイスを嗅いでいる。
「くっせ~、加藤よりくせー」
「そんなバカな!」
僕はミイラとりがミイラになる。とはこの事だと思った。
みんなは、まだ許してくれない。
「寺田、制服の匂いを嗅がせろっ!」
加藤が僕のお尻を確認する。
「うわっ!ウンコの匂いがする。風呂でけつ洗ってんのか?もしかして、漏らしたのか?」
結局、僕は"くそ漏らし"の称号を与えられた。
その日の下校中で、いずみちゃんと手をつないであるいていたら、
「お風呂でちゃんと洗ってるの?」
「うん」
「じゃ、何で変な匂いするの?」
「朝、学校でウンコしたの。そして、さっさっさってけつ拭いたんだけど、実が付いてたんだな。洗濯もお風呂もキチンとするよ」
「小学生じゃないんだから」
2人はバスに乗り込み、家路についたのであった。
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