第10話
「おはようございます」
「……………………………あなたバカなの?それともバカがつくほどのお人好しなの?」
「よく言われます」
まだお昼というには早い時間にあの家の扉を叩くと呆れたと言わんばかりの顔でセレスティアさんが出迎えてくれた。
「わかっているのならやめた方がいいと思うんだけど?」
「それもよく言われます」
「はぁ……帰って」
「イヤです」
「帰って!」
「できません」
「いいからかえって!!」
「できません!」
終わりには叫ぶようになってしまったけど僕も引きたくない。
「…………わけわかんない」
「よく言われます」
「あなたねぇ…」
彼女はやはり呆れたという顔でため息をこぼす。
「お腹空いていませんか?」
「は?」
「サンドイッチを包んで来たのですが入れていただけませんか」
宿で竈をお借りして作ったお手製のサンドイッチに匂いの香るお肉付きに目の前からクゥと可愛らしい返事が聞こえた。
「…………………入って」
「はい」
長い逡巡の末に僕は入ってもいい事になったようだ。
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