登場人物 壱

•エリザベス・コール

 ……主人公。14歳。栗の実色の髪と瞳を持つ。グラッブベルグ公爵領ビウス出身。コール貿易商会の一人娘。ある日、宮廷の揉め事に理不尽に巻き込まれ、ジェズ以外の家族を突然失う。フランツによって保護され王宮庭園のシュトルーヴェ家へ。またフランツの采配によって治安維持軍で勤務する事になる。足が早く身軽だが、訓練を受けていないので現場には絶対連れて行ってもらえない。

王国治安維持軍第一師団第二連隊第二大隊大隊長従卒。准尉。


•カレル・ヴィルヘルム・ローフォーク

 ……ローフォーク子爵家当主。23歳。黒髪、濃紺の瞳。訳あって王宮庭園を追放され、本心では反発しながらもグラッブベルグ公爵の手下として闇仕事をこなしている。フランツとは幼馴染みで親友。基本的に生真面目だが、気心の知れた相手とは笑顔で談笑し、冗談を言う事もある。エリザベスにだけは厳しい。

王国治安維持軍第一師団第二連隊第二大隊大隊長。少佐。


•フランツ・シュトルーヴェ

 ……シュトルーヴェ伯爵家嫡男。24歳。明るい金髪、翠の瞳。ローフォークとは幼馴染みで親友。どうにか公爵からローフォークを引き離せないか試行錯誤する中でビウスの事件を察知。エリザベスの保護を行う。名門シュトルーヴェ家の次期当主として伯爵を名乗る事を許されているが、本人は滅多に使用しない。明るい性格で一見軽薄に見られるが、根は誠実で一途。とある令嬢にぞっこん。

王国治安維持軍第一師団第二連隊連隊長。中佐。


•ジェズ・シェースラー

 ……エリザベスの幼馴染み。15歳。山吹色の髪、芥子色の瞳。由緒正しい貧乏貴族。幼い頃に病で両親と弟を亡くし、色々あった後、父の知人のブラッシュに引き取られビウスへ。エリザベスとは兄妹分として育てられた。エリザベスに振り向いてほしくて王都の治安維持軍に入隊。射撃の才能を見出される。明るく穏和な性格だが、エリザベスが絡むと途端に冷徹にも瞬間湯沸かし器にもなる。

王国治安維持軍第一師団第二連隊第二大隊第五駐屯所所属。二等兵。


•アレクシア・マリー・シュトルーヴェ

 ……フランツの妹。シュトルーヴェ伯爵令嬢。17歳。明るい金髪、翠の瞳。闊達で明るい性格。誰に対しても公平で親切なので友人が多い。おしゃれが大好きでドレスやアクセサリーのデザインの事で頭がいっぱい。兄には何故か塩対応。エリザベスを一目見て気に入り、今はエリザベスに似合うドレスのデザインを考えるのが楽しい。


•シュトルーヴェ伯爵=ルイ・フランシス・シュトルーヴェ

 ……シュトルーヴェ伯爵家の当主。軍務大臣。55歳。白髪混じりの明るい金髪、翠の瞳。フランツとアリシアの父。呑気で大らかな性格で廃嫡されかけた遊び人だったが、妻マルティーヌと出会ってから生まれ変わり、11年前からはさらに能力を伸ばし、瞬く間に軍務大臣にまで駆け上がる。ローフォークの父を兄のように慕っていた。腹の底を見せる相手は妻のみ。子供達が可愛い。

軍務大臣。グルンステイン王国軍総司令官。元帥。


•シュトルーヴェ伯爵夫人=マルティーヌ・マリー・シュトルーヴェ

 ……シュトルーヴェ伯爵ルイの妻。48歳。亜麻色の髪、オリーブ色の瞳。フランツとアリシアの母。のんびり屋でおっとりした性格だが、芯が強く夫の手綱をしっかり握っている。軍務大臣の妻であるだけでなく超名門家の妻であることから宮廷での影響力は結構大きいが、本人はその権威を振るう事はない。みんなが平和であれば良いと思っている。夫とはローフォークの両親の紹介で出会った。


•ジョルジュ・ドンフォン

 ……ローフォークの副官。22歳。鳶色の髪、鳶色の瞳。柔らかい物腰の紳士的な青年。侯爵家の生まれだが、兄が多いので本人は王都で自活し、かなり庶民的。一番上の兄は王宮近衛連隊に勤務している。体術が得意。たまに意地悪。

王国治安維持軍第一師団第二連隊第二大隊大隊長副官。中尉。


•ブラッシュ・コール

 ……エリザベスの父。栗の実色の髪、栗の実色の瞳。44歳。グラッブベルグ公爵領ビウスで貿易を営んでいた。エリザベスを目に入れても痛くないくらい溺愛していた。誠実な商売を心掛け、人当たりや面倒見が良いので取引先や従業員だけでなく、同業者からも信頼されていた。タンサンからの縁談に否を突き付けた結果、公爵の気晴らしに殺害される事になる。


•エレーヌ・コール

 ……エリザベスの母。飴色の髪、薄茶の瞳。37歳。ブラッシュの妻として若い頃は夫を助けてコール貿易商会の立ち上げに関わった。エリザベスが生まれてからは育児に専念していた。お転婆な娘に苦労しているが、夫同様に深い愛情を持って育ててきた。エリザベスと似た顔立ちの美人。マートンによって残酷に殺されてしまう。


•グラッブベルグ公爵=オットー・グラッブベルグ

 ……グラッブベルグ公爵家当主。王国宰相。51歳。11年前、王国の危機を救ったとして王女を降嫁される。同時に国王の所領の一つグラッブベルグ領を下賜されグラッブベルグ公爵に封じられる。野心家で宰相に就いてからは傲慢さも出て、多くの貴族達に嫌われている。シュトルーヴェ伯爵とは何かと因縁で、いつか今の地位から追い落とされる恐怖心を持っている。


•マートン

 ……グラッブベルグ公爵の手下。23歳。残忍で狡猾。第十師団勤務。大尉。


•リヒャルト・タンサン

 ……ビウス一番の商人。貿易を主軸にしているが、宿屋、飲食店なども経営している富豪。領主である公爵に目をつけられて、不正を見逃してもらう代わりに賄賂を送ったり、遊びを提供したりしている。もう、あまり出てこない。


•マシュー・ホーフ……コール家の元執事。事件の一年前に引退して息子に職を譲っていた。


•ヴァン・ホーフ……コール家の執事。事件の一年前に父から執事職を引き継ぐ。ブラッシュの世話を行う。


•タラ……コール家のメイド。ハウスキーピングが主な仕事だが、エリザベスの世話も行っていた。


•オリガ……コール家のメイド。キッチンの管理が主な仕事。エレーヌの身の回りの世話も行っていた。


※ 第二連隊の人々。


•トゥールムーシュ中佐……新兵からの叩き上げ。沢山の功績を有し、国王の覚えも良い。元陸軍軍人で一旦は引退したが、シュトルーヴェ伯爵の望みで治安維持軍へ。第二連隊の第四大隊長。


•ロシェット大尉……フランツの副官。厳格で厳しい。でも紳士。


•エッセン少尉……ジェズに嫌がらせをする。高慢で尊大。大銀行家の末息子。


•シャテル少尉……エッセンの取り巻き①。ジェズと同じ駐屯所所属。


•ヴヌー少尉……エッセンの取り巻き②。第三大隊所属。


•アラン兵長、ベッケル軍曹、ブイーズ上等兵……第二連隊第二大隊所属。


※ 王家

•フィリップ十四世=フィリップ・フェルディナン・グルンステイン。

 ……グルンステイン王国の国王。61歳。白髪。深い青色の瞳。『軍人王』『銃士王』の異名で恐れられた。十一年前にローフォーク家を王宮庭園から追放した。


•フィリップ・シャルル=フィリップ・シャルル・グルンステイン。

 ……グルンステインの王太子。19歳。くすんだ金髪。深い青色の瞳。ぽっちゃり系の穏やかな紳士。11年前の暗殺事件の生き残り。何があったのか全てを目撃した唯一の人。


※その他

•マートンに殺された黒装束の人……マートンに殺された人。第十師団の兵士。

•コール家御用達の馬車屋の御者……ブラッシュのお気に入りの馬車屋さん。

•黒装束の人達……三人。第十師団の兵士。しかし、その正体は……?





            

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る