第2話
「んー...」
窓から指した日光にくらませ目をくしくしとかいているメリアは小さな欠伸しながら体を伸ばす。
寝ぼけた頭を覚醒させるためベッドから離れようと体を動かすと不意に何かに手が当たったのが分かった。
手にあたった何かを見たメリアは一瞬顔を赤くしてから顔をぶんぶんと振るともう覚醒させる必要のない頭のために水を汲みに井戸へと向かう。
ベッドには気持ちよさそうに寝ているルーが取り残されていた。
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「ふぅー。」
井戸から汲んだ水で顔を洗い終えたメリアは濡れた顔をタオルで拭きながらあの日のことを思い出していた。
そう、ルーが空からやってきて自分に一緒に住まないかと提案した一か月ほど前のあの日のことを...
あの日ルーに同居を提案されたメリアはほとんど考える時間もとらずその提案を承諾していた。
それは彼女が抱いていた寂しさが原因なのか、それとはほかに原因があったのか、考えても考えてもあの日の自分の短慮と行動力の原因が彼女には分からないでいた。
「ルーはなんで敵である僕と一緒に住もうと思ったんだろう。」
メリアはタオルに顔をうずめながら考えに耽っていた。
「ふぁぁ。メリアー、おはよう。」
メリアは顔をタオルから離して声の方へと振り返る。
そこには欠伸をして涙目になったルーの姿があった。
それを見てメリアは少し微笑む。
「まあ、いっか。」
メリアはそんな気の抜けたルーの姿を前に先ほどまでの考え事などどうでも良くなってしまった。
「ん?なにがいいの?」
「ううん、なんでもないよ。おはよう!ルー!」
メリアはルーの顔を見て朝日のようにまぶしい笑顔を彼に見せた。
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