転生したら農家の5男、召還兵器を駆使し理不尽な貴族を潰して行く!【PV9.3万♥3.2K越え感謝】

犬時保志

第1話 始まるぞ!

 儂は、元筆頭家老だった祖父に、厳しく育てられた。

 こんな事今の世の中に必要?と疑問に思いながら、祖父の教育に応えて成長して行った。


 碌高9500石「後500石で大名だった」と祖父は良く晩酌しながら言って居った。

「大名だったなら、明治政府が男爵に叙してくれた。元士族などと訳の分からん身分にはならなんだ」

 祖父の不満は兎も角、儂が生まれた頃は、士族の身分は保証され、平民とは一線を引かれた物だった。


 そう言う意味で祖父は、偉そうな『オイコラ巡査』をしていた。

 明治時代、巡査の多くは元士族がやって居て、不審者を「おい!こら!!」と呼び止めていた為、『オイコラ巡査』と呼ばれていたそうだ。


 父は祖父の反対を押し切り、県立商高(5年制旧制高校)卒業後、勘当同然に、神戸で商社を設立した。

 儂が生まれ、祖父が実家に強引に引き取り、武道兵法等厳しく育てられたが、結局儂もほぼ強制で、父に神戸高商(5年制旧制高校)に入学させられた。


 卒業後神戸海洋気象台に勤務、その頃から父の商社に限らず、輸入はドル買いのくせに、輸出は円使用不可、金塊でしか輸出しない取引となり、着々と日本の資金力を奪い、大東亜戦争開戦を仕向ける、アメリカの陰謀が始まった。


 当時民主主義先進国の米国は、絹のストッキングが輸入出来なくなると、日本との戦争を反対する御婦人方の為、開戦を躊躇していた。

 しかし、絹に代わる丈夫なナイロンの発明で、ストッキングはオマケ、パラシュート問題が解決した。


 米国の陰謀は過激化し、上手く乗せられ開戦になった。儂も当然招集され、陸軍に士官候補とし入隊、基礎訓練後陸軍航空隊に所属した。



 敗戦、幸いにも儂は命長らえ復員、神戸は空襲で父の商社も、家屋敷全てが灰になっていた。

 占領下政策で小作制度が廃止、祖父母が亡くなった実家は不在地主とされ全て人手に渡って、何もかも無くなっていた。

 じいさんは、良い間に死んだよ、元士族も男爵も関係無い、占領下政策で廃止させられたよ。


 両親と妹達の疎開先、母の実家近くに住まいを買い、儂は教員になった。





 クドクドと、半生を思い出して居るのは現実逃避だな。

 目の前に、天照大神様が居られて、儂が死んだとほざく。


「貴方程、根性と気骨で維持してる魂は初めてです、決められて居る転生先は貴方には住み難い世界です、このままでは記憶を持ったまま生まれて仕舞います。記憶の強制消去しましょうか?」


 儂の息子70歳じゃが、空想科学小説SFならばまだしも『らいとのべる』などと言う小説を『うえぶさいと』とかに投稿しておった。

 親とすれば、バカな子程可愛い、パソコンを購入し、カクヨムとか言う『うえぶさいと』に繋げ読んで居った。


 記憶を持ったまま異世界に転生とは、今の儂は息子の小説と同じじゃないか!!


(お約束、え~と、そうじゃ!てんぷれじゃった!転生特典スキル貰うぞ)


「天照大神様、記憶を消去する手間は気の毒!!その手間は、儂に時間停止の無限収納と、儂が今まで使った武器をイメージ召喚出来る特典スキルを下さらんか?」


「確かに、貴方程の強烈な自我を消去するより、特典スキルの方が簡単かしら?······転生先の女神が得意です。良く頼んで置きます」



「と、言う事情です」

 転生先の女神、オーキョウ神と対面して、説明中。

「天照神から聞いて居ります、時間停止の無限収納と使用した事の有る武器をイメージ召喚ですね」


「それと、神様は結構暇だと聞いて居ります、言い難いのですが、儂の友人になってはくれませんか?」

(女神様と友人くらいOKして!!転生したらどうせ異端児、友人なんて出来んじゃろう)


「プロポーズは困るけど、友達なら良いわよ」

「やったぁ!!お京さん有り難う!!」


 オーキョウ神はスコブル付きの美女、儂は少年になった様にときめいた。

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