【短編】クリオネに恋した彼氏
お茶の間ぽんこ
クリオネに恋した彼氏
「私の彼氏がクリオネに浮気しているんだけど」
「クリオネってあのふわふわ海を漂うアレだよね」
「そう、そのクリオネ」
「浮気の現場でも見たの?」
「この間、彼氏のスマホの検索履歴を見たの。そしたら『クリオネ エロ』だとかいやらしい検索してたのよ」
「それは由々しき事態ね」
「決定的なのが、『クリオネ 攻略』っていうワードよ。彼、きっとクリオネを落とすために調べてるんだわ。私よりクリオネを取ったのね…」
「あなたの彼氏、クリオネに発情しているの…」
「付き合って3年。色々なことがあったけど、今の彼氏と結婚するんだって確信していたわ。もうお互いアラサーで良い年だし、彼からいつプロポーズされるかと待っていたっていうのに…」
「気持ちは分かるわ…って言ってあげたいところだけど、クリオネに浮気した彼氏なんか作ったことがないから、正直私も混乱しているわ」
「だよね…。かなりショックだったのが『クリオネ 男体化』って調べていたの…。これって彼氏が男好きだとか、そういうことなのかしら」
「クリオネって雌雄同体らしいから、簡単に男側にでも女側にでもなれるらしいわ。彼氏ってすごい性癖を持っているのね…」
「私、しばらく立ち直れないわ」
「一度、彼氏と話し合ったら?場合によっては説得して考え直してもらった方がいいわ」
「そ、そうね。もしかしたら何かの間違いかもしれないしね…」
「ちゃんと彼氏と話し合えた?」
「あ、あぁアレね。実はクリオネって『クリスマスにプレゼント♡おねえちゃんとの約束』っていう彼がハマっているギャルゲの略語らしいのよ。クリオネに出てくるキャラで抜いていたらしいわ」
【短編】クリオネに恋した彼氏 お茶の間ぽんこ @gatan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます