第85話・依頼で俺TUEEEするの気持ち良すぎだろ

 早速依頼掲示板を確認していく、といってもお金はあるし、あんまり簡単なクエストをやってもつまらないし、かといって難しい依頼を受けるのもランク的に無理だし。 

 やろうと思えば受付嬢眷属だしいけるけど、流石にね、いやまあ、テンプレ感があっておもしろそうではあるけれど。どうするか。


 ・・・・・・悩むこと5分・・・・・・・


 よし、決めた。

 簡単な依頼をこなすと見せかけて、適当に大物探して倒して、あれ?俺なにかやらかしましたかって言う勘違い系、無自覚系でやりますか。そういうのやってみたかったし。


 そう決めたら薬草採取という初心者向けの依頼を受けて強そうな魔物殺してきますか。


 俺は掲示板から常時以来の薬草採取を取り、受付に提出して依頼を受ける。

 門番に挨拶をしてから、魔の森に強そうな魔物を殺しに向かった。


 最初は歩いて途中からは翼を出して飛行をして魔の森につく。

 魔の森についたら翼を仕舞い、いかにも無防備ですってオーラを出しながら魔の森を歩き出す。


 テクテクテクテクテクテク


 歩いていたらオオカミの集団と出会った、闇切りで首を落として闇空間に入れた。

 オオカミの集団じゃあ少しインパクトが足りないと思い。また歩き始まる。


 テクテクテクテク


 オーガっぽい5メートル位ある魔物と出会った。闇切りで首を落として闇空間に入れた。

 この魔物でもいいかなと思ったがせっかくならもっと強そうな魔物を待ってこようと思い。また歩き始める。


 テクテクテク


 ゴブリンの集落を見つけた。

 死魔法・抗えぬ死で全員皆殺しにしてから、これから異世界で起きる面倒ごとを考えたときにある程度自由に使える眷属がいたほうがいいと思い、いくつか闇の魔石を取り出して、死霊魔法・死霊創生でより強い眷属として生み出す。


 眷属にしたから使えなくなったのでまた大物を探して歩きだす。


 テクテク


 洞窟からいびきが聞こえた。

 なんか大物がいる気配がしたので中に入ってみると。大きな竜がいた。

 とりあえず、これ幸いとかなり力を込めた闇切りで首を切り落として闇空間に入れた。


「よし、流石に竜という大物がいれば、スゲーーーってなるやろ。依頼達成っと帰りますかって、ん?本当の依頼の薬草採取忘れてた。これはどうするか?いや、でもせかくだし依頼達成率100%の称号とか欲しいし薬草採取するか。面倒だけど、いや?待てよ。いいのがいるやん、何のために俺はゴブリン共を眷属にしたんだ?面倒なことをしないためだ、全部ゴブリンにやらせればいい」


 てなわけで、ゴブリンを呼びつけて薬草採取をさせること10分。


 ゴブリンの数自体がかなり多いのもあり、あっという間に依頼された量をはるかに上回る薬草が闇空間の中に溜まった。


「これだけあれば、大丈夫だろ、さて戻りますか」


 ―――――――――――――――サクッと空を飛んで、歩いて戻ること20分


「受付嬢さん、薬草採取の依頼完璧にこなしてきました、これが依頼の薬草です」

 そう言って、闇空間から大量に取り出す。


「これは凄いですね。どれも依頼した薬草よりも高品質だったり高価なものばかり、一体どこで取ったのですかってすみません。それはマナー違反でしたね、はい。では今から確認作業に入りますので少々お待ちください」


 適当に座って本を読みながら待つこと10分

 確認作業が終わったということなんで、受付嬢のところに向かう。


「はい。確認作業終わりました、どれも素晴らしい品質でした。更に確認をしたところ、タイト様のおとりになった薬草の中に別の依頼として求められているのがいくつもありました。それらは全て、その依頼をクリアしたということで処理しますがよろしいでしょうか」


「はい、大丈夫です」


「ありがとうございます、では、今回の依頼はEランク依頼4・Dランク依頼8・Aランク依頼1ということで処理させていただきます、その報酬としまして、タイト様はランクをCランクへと昇格と金貨13枚と銀貨3枚と銅貨7枚となります、ではギルドカードを出してください」


 そう言われたのでポケットに手を突っ込むふりをして闇空間からギルドカードを出す。

 ギルドカードを渡すと受付嬢さんは奥へ行き1分ほどで戻ってきた。


「はい。ではこれが新しいギルドカードと報酬の金貨13枚と銀貨3枚と銅貨7枚になります」

 硬貨の入った袋とプラスチックのようなものから銅のようなものに変わったギルドカードを貰う。


「ありがとうございます、それと、あのう、実はですね、依頼途中に竜と会いまして」

 少し大きな声で言う。周りの冒険者がこちらのほうを向く。


「え、竜ですか、大丈夫ですか、というか竜って、え、どこで出会ったんですか?」

 案の定慌てだす受付嬢さん。


「いや、大丈夫ですよ、何故なら俺がもう討伐しましたから」


 ・・・・・・・・・


「え」


 しばらくの沈黙の後、受付嬢さんが絞り出したような声でそう言った。

 これは決まったかな。


「あ、もちろん証拠はありますよ、ホラ」


 そう言って闇空間から闇切りで切り飛ばした竜の頭部を取り出す。

 もちろん頭部といっても、竜なんで大きさとしては1メートルを余裕で超える。迫力満点だ。


「「「へ、えええええええええええええええ、竜の頭が~~~、ええええええ」」」


 受付嬢さん含め周りにいた冒険者一同実に楽しい反応をしてくれる。

 そう、これだよ、これ、これがしたかったんだ俺は。


「はい、竜の頭です」

 俺はそれを見て成功したなという気分で満面の笑みでそう言った。


「え、ちょっと、待ってください、竜、竜、竜を討伐したんですよね。え、ちょ、急いでギルドマスターを呼んできます。少し待っててください」


 待つこと1分、凄くごついオッサンもといギルドマスターがやってきた。


 因みにその間冒険者達がザワザワと「あいつ何者だ」「凄いな」「いやでも、流石にあんな子供が」「馬鹿いえ、あそこに証拠があるだろ」「でも盗む可能性だって」「いや、どうやって盗むんだよ」「それな」「いや、でも竜殺しか凄いな」「確かに男のロマンだろ」「違いない」みたいな感じで話してくれて凄く気分が良かったです。


「ハハハ、凄いな、これは確かに竜の頭だ。しかもこれ、血が少し滴ってる。まだ死んでからほとんど時間が立ってないってことだ、いや、マジかよ、凄いな、ハハハ」

 豪快に笑うオッサン、いや、笑い事ではないだろ。それを引き起こした俺が言う言葉でもないけど。


「因みに聞くけどその竜をうちの冒険者組合に売るつもりはあるか?」


「はい、あります」


「そうか、そうか、分かったじゃあ、今から倉庫に案内するんで竜の死体を出してくれ。空間系統魔法持ちなんだろ、坊主」

 いや、空間系統ではないけど、まあ、確かに何もない場所から竜の頭なんて出したらそりゃ空間系統魔法持ちって疑うわな。


 ほんでオッサンもといギルドマスターに連れられてかなり広く寒い倉庫に連れられる。

 そこに、竜の死体を置く。


「おう、ここまで傷のない竜の死体は初めて見た。これは、オークションとかに出したほうが高く売れそうだな」

 ギルドマスターが竜の死体を見ながらそんなことをいう。

 うん、オークションか、それは凄いそそられるワードだな。


「オークションですか、じゃあ、是非オークションで売ってください」


「おお、そうか、そうか、オークションで売ってほしいのか。分かった、じゃあこの竜はオークションで売ろう。だが、その場合は報酬の受け取りはオークションが終わってからになるけどいいか?」

 お金とかには困ってないし、それに異世界のオークションとかめちゃくちゃに誘われるし、これは参加するしかないでしょ。


「あ、そな辺は大丈夫です、それよりも、オークションっていつ開催するんですか?」


「オークション開催日は今から1か月後王都で開催される」


「なるほど、王都ですか、それってかなり運送大変じゃないですか、よければ私が直接王都まで運びますよ」


「何、それは、本当か凄く助かる、是非お願いしたい」


「はい、わかりました、では、一旦仕舞いますね」

 そう言って闇空間に竜の死体をすべて仕舞う。


「しかし、凄いな、あの大きさの竜を仕舞える空間魔法か、それにあの竜を殺すほどの戦闘力・・・、よし、俺のギルドマスター権限とSランクの権限を使いタイトお前をランクAに昇格させよう」


「え、まじすか、ありがとうございます」

 こんなにアッサリランクAまで上がるか。

 いや、でも、冒険者登録したその日にランクAまで行くってのも中々かっこいいし、いいな、うん。


 その後は、もう一回、ギルドに行きギルドカードを提出し、金色のカードを渡された。かなりカッコいい。

 そして、ふと、俺宿取ってないなと思い受付嬢さんに。

「あの、俺今から宿を取るつもりなんですけど、お勧めの場所ってありますか」

 と聞く。


「では、山鹿の宿がお勧めです、この冒険者ギルドのすぐ目の前にあって、料理も美味しく清潔でタイト様の今日稼いだ金額を考えれば値段もお手頃です」


「分かった、じゃあ、そこに泊まるよ。色々ありがとう」

 受付嬢さんに一応お礼をいって、冒険者ギルドを出て山鹿の宿に向かう。


「すみません、宿を取りに来ました、取り敢えず一泊」


「はい、一泊ですね、代金は料理込みで銀貨1枚です」

 受付の可愛い女の子がそう言うので闇空間からさっき貰った袋を取り出して銀貨一枚を払う。


「はい、銀貨1枚確かに受け取りました。では、こちらが部屋のカギとなります。部屋はそのカギに書かれた番号となります、食事は欲しくなりましたら、声をかけてください、すぐに用意いたします」

 そういって、渡された鍵には204と書いてあった。

 しかし、食事の時間が自由なのはいいな、少しお腹も減ってるし、早速頼むか。


「じゃあ、今すぐでお願いします」

「分かりました。では、10分ほどでお部屋にお持ちいたします」

「分かりました」


 部屋に行く。部屋は普通に綺麗でした。なんかこうビジネスホテルって感じだ。異世界なのに。来た料理は山鹿の宿っていう名前だけあって、鹿の魔物の肉を使った、鹿シチューってのがパンとサラダとワインと一緒に出てきてかなり美味しかったです。

 あ、ワインは興味本位で飲んでみたけど、落ち着いて考えたら毒耐性持ってるどころか自分の身体から毒出せる俺は一切酔わなかった。

 美味しいご飯を食べ満腹になり、闇空間に大量にある漫画やラノベをベットでごろごろしながら読み漁って寝た。


 異世界生活一日目は、かなり楽しかったです。


 ――――――――――

 補足説明

 主人公のレベル上がらなさすぎじゃね?

 死霊王ってのはそれだけ凄い種族です、竜を一体殺したぐらいでは上がりません3体は殺さないと。


 ギルドマスターなのに主人公の異常さに気が付かないのおかしくない?

 ギルドマスターは筋肉ムキムキのごついオッサン、ようは脳筋です。そんなことを気付けるほど鋭くはありません。ただ何となく直感で主人公が自分より強いというのは理解しています。


 この世界にはちょくちょく日本人が迷い込んでいます。

 そのせいで日本の文化が混ざったり入ったりしています。


 この世界の貨幣価値は、取り敢えず、日本円換算で金貨一枚10万円、銀貨1枚1万円、大銅貨1枚千円、銅貨1枚百円って感じです。一応物価は日本よりもかなり安いです。

 主人公の今と待っている山鹿の宿は一泊銀貨1枚と普通の宿の3倍の値段です。その分サービスはいいのである程度稼げる冒険者はこぞって泊ってます。


 主人公が一個Aクラスの依頼をクリアしたという事ですが、それの薬草は魔の森、しかも極稀にしか生えない超希少な薬草、魔力治心草という、万能秘薬エリクサーの材料の一つです。

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