第73話・指名手配犯
しかし、どうしようか。下位竜が5000。うん、ヤバいね。
多分学園祭に来てくれている人とかほとんどの生徒とかは何かの催しと思ってくれるかもしれないが、そういうのじゃないからな。
普通に下位竜5000という大群が襲い掛かってくるヤバい状況だからな。
下手しなくても死者多数、学園は崩壊、責任問題は半端ない、先生方の胃はストレスによって速攻で溶けていく。あ~~~。どうしよう、やったの俺じゃないけど、原因は俺なんだよな。
このままじゃあ、初めての学園祭が虐殺劇になるだろうな。それは流石に勘弁願いたいな。
しょうがない、漆黒竜出すか。
「漆黒竜降臨発動・場所は上空、そこにいる下位竜を全員殺し闇空間に仕舞え、それが終わったら戻ってよし」
「了解しました、主様」
これで、下位竜のほうは大丈夫だろう、漆黒竜を一度使うと再使用時間まで使えなくなるからあまり使いたくはなかったがこの状況だ。そうも言ってられない。まあ、流石に一日に何度も漆黒竜に頼らなければならない状況になることはないだろ。
まあ、俺の切り札である漆黒竜がいるなら多分下位竜程度なら10分もしないうちに全滅できるだろうし。下位竜問題は解決かな。
そうなると後の問題は褐色巨乳美女かな、もう面倒やし殺して順応な眷族にするか。いや、流石にそれはやり過ぎかな、しょうがない普通に麻痺毒をかけますか。
「毒魔法・超麻痺毒」
俺は超麻痺毒を右手から生み出した所、褐色巨乳美女さんが口から火を噴いて、せっかく出した毒が蒸発&服が燃えた。
「闇魔法・闇纏い・全身」
慌てて闇を纏い裸を隠す、危なかった、後少し魔法を出すのが遅れていたら観客にフル〇〇をさらすという大問題を起こすところだった。危ない、危ない。
「な、今のを耐えるだと、ならば、竜奥義・竜王の恐怖」
その瞬間、恐怖を感じた。その恐怖は漆黒竜と一対一で前模擬戦をさせて貰った時に感じた明確なる死の恐怖とほとんど一緒だった。
そんな恐怖を前に俺は後ずさりはせずにその恐怖の源に対して駆けた。
そこにあった思いは彼の中に眠る自分の格上に挑戦したいという戦闘狂じみた考え方だった。
そして、ニヤリと笑いながらずっと温めていた格上相手を殺す方法を試した。
「異形化部分限界超発動&破壊魔法&消滅魔法&崩壊魔法・一刀根絶」
一刀根絶。それは彼の持つ再生スキルを前提として腕がもげるほど異形化スキルをかけて威力の強化、それに極剛腕や身体強化を乗せ更に威力を強化、そして破壊魔法、消滅魔法、崩壊魔法という何かを壊すに特化した魔法の魔力をたっぷり剣に込めて放つ技。
しかし、その技は未完成だった。本来であればありとあらゆる存在を壊すが、未完成の為部分的に効果を発動した。
――――パタン―――――
この技を諸にくらい彼女は意識を失った。
「うおおおおおおお、パチパチパチパチ」
観客から拍手と喝さいが起こる。
多分観客の人はこれも演出の一部と思ってるかもしれない、だがいいか、俺殺ってない?
ついあの死の恐怖を味わって、殺ってない?ヤバいよね、今この場所で生き返らせるのは少しヤバそうやし、取り敢えず客に退場願うか。
「はい、というわけで、今回の戦闘劇は終わりにさせて頂きます、では私どもは準備がありますので、そちらの係員ことスケルトン達の案内に従って退場をお願いします。今回は私どもの戦闘劇を見て下さり誠にありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
そう、深々と頭を下げる。
そして、数分立ち客が全員退出したところで早速褐巨乳美女を生き返らせようとして思う、あれ、死んでないぞ?と。
普段というか、最近であれば生き返らせようとしたときに、だいたいの成功率が頭に浮かぶし、死んでからの状態も何となくわかるようになってきた。それが今回は全くないつまり、死んでるのではなく気絶しているってことか?
「あれ、ここは一体、私は何故」
そんなことを考えているうちに褐色巨乳美女さんが起き上がった、やっぱり死んでなかった気絶しているだけやった。
「ああ、大丈夫か?」
少し警戒しながらそう声を掛けた所。
「ここは、どこ、私は一体なんでこんなところに」
・・・・・・・・・
「おうっと、これは明らかに俗にいう、記憶喪失的なあれじゃん」
やばいわ、やらかしてる、完璧にやらかした、多分俺がノリで使ってしまった練習中のあの技確実に失敗した、失敗して褐色巨乳美女の記憶を根絶してしまった。やばいって、これ根絶だから記憶戻らない可能性大だぞ。どうすんだよ。
「記憶喪失って何?私はどうしたらいいの?」
うん、反応に困るな、しょうがない、眠らせてから裏ダンジョン連合に運びますか。流石にあそこならば、何らかの形で手を打ってくれるだろ。
「毒魔法・睡眠毒」
パタン
睡眠毒を吸って倒れた褐色巨乳美女をお姫様抱っこしてから、裏ダンジョン連合に潜ませている監視用死霊虫のところに死霊転移した。
―――――――――――
死霊転移した後に結構な回数依頼の受付や処理、情報提供をしてくれた受付さん(女性)を捕まえて言う。
「ほい、どうも、久しぶりです。簡潔にいうと、この女性に殺す気で襲われたんで返り討ちにしたら、つい勢い余って記憶ごと消しちゃいました、まあ、そんなこんなで処理に困ったんで彼女預かってください」
「えっと、ちょっと待ってください、彼女、現在指名手配中の元裏ダンジョン連合犯罪壊滅部隊4番隊副隊長、竜女・アマユキじゃないですか」
「え、何それ、というかこの人、竜女・アマユキって名前なん、凄い個性的な名前やなって、そうじゃない、そうじゃない、え、指名手配されてんの彼女、何したんだよ?」
普通に驚いた、まさかの指名手配犯だったとは。
「それがですね、彼女と恋仲であった元裏ダンジョン連合犯罪壊滅部隊4番隊隊長、氷真・壱春が最近、不正でいろいろ合った森園議員と繋がっていまして、その上、極魅了という、かなり危険なスキルを持っており、かなりの数の女性が彼に魅了され操り人形にされていました、彼女はその被害者の一人ではあったのですが、様々な不正で処刑されそうになった彼のためとスキルを暴走させてかなりの数の下位竜を呼び出して処刑を妨害して、彼を救出したのち逃げたことによって指名手配されました、まあ、結構人死にがでましたからね」
「なるほどね、結構やばいね、というかそんな大事件があったんだ、知らんかったわ」
「まあ、結構なスキャンダルですしね、バレたら色々とやばいんで隠したんですよ」
「まあ、確かにその通りやな、じゃあ、彼女はこれからどうなるの?結構ゲスイことを言えば、記憶を失ってるんだし、良いように教育をすれば命令絶対殺戮兵器が生まれるけど?もしくはこのまま処刑とか?」
思った通りのことを述べた、実際に彼女はそれだけのことをやっているし、そうなっても文句は言えない、魅了されていたとはいえ、人を殺しているわけだしね。
「まあ、多分、仮初の記憶を適当に植え付けるか、ある程度の教育を後に実践投入で使い潰すか裏オークションですかね」
まあ、そうだろうね、でも、少し残酷だな、もちろんその選択は間違ってないと思うし否定はしない、でも、間接的には彼女をこうさせてしまったのは俺だし、このまま死んでしまう位なら・・・。
「なるほどね、じゃあ、もし、俺が彼女を買い取るって言ったらいくらかかる?」
「えっと、今回のケースで彼女を裏オークションに出した場合の予想売却高は10億円、基本的には値段の9割が提供者に入りますので、その手数料ということで1億円、つまり、上野様が彼女の買取を希望した場合1億円払ってくだされば彼女の所有権を得ることが出来ます」
なるほど、1億円か、払える額だな、じゃあ買うか、このまま使い潰されてて死んだら目覚めが悪いし、眷属達に適切な教育をしてもらった後、眷属の監視付きだが自由にさせればいいしな。
「じゃあ、買います」
俺はそう言って彼女をそっと近くにあったソファーに寝かすと、闇空間から1億円の入ったカバンを取り出して受付さんに渡した。
「はい、1億円確かに受け取りました、では確認をいたしますので少々お持ちください」
1分後
「はい、1億円ピッタリでした、では、こちらが、竜女・アマユキさんの売買契約書です、こちらにサインをお願いします」
サクッとサインをする。
「はい、サイン確認いたしました。では、これで上野様は竜女・アマユキを自由に扱う権利を得ました。もし、何か不都合があればご連絡ください」
「分かりました、何かあったら連絡します、それと、少しの間ここ使ってもいいですか?」
「いいですけど、何をするんですか?」
「彼女の教育係を呼ぶんですよ、千鬼死霊大行進部分発動・教師」
俺がそう唱えると4の鬼と、9の死霊が現れた。
「やあ、今回俺が君たちを呼んだのはそこのソファーで寝ている彼女の教育をさせるためだ、とりあえず悪魔界に持ってってもいいんで、教育してくれ、ほんで教育が終わったら、俺を呼んでくれ」
「分かりました主様」
そう言って眷属達は褐色巨乳美女を連れて悪魔界に帰っていった。
「じゃあ、ありがとうね、受付嬢さん」
俺はそう言って死霊魔法・死霊転移で元居た場所に戻った。
――――――――――――
補足説明
もの凄く気の利いた眷属の話。
作中では説明していないのですが、主人公はもしものために生産系眷属を呼び出して劇場裏で待機させています。今回、主人公と褐色巨乳美女さんが戦いあっていた時、気をきかせて、結構不穏な会話をシャットアウトさせて、急いでそれっぽくかっこいいセリフを用意して流しています。
具体的な内容は読者のご想像にお任せします。
主人公の新技
【一刀根絶】
一応はかなり強い技なのですが、主人公は練習中のため、褐色巨乳美女の記憶だけを根絶しました。
逆にそのおかげで魅了状態から抜け出せたわけですし良いとしましょう。因みに褐色巨乳美女の記憶が戻る可能性はありません、ぶっちゃけ結構ハードで辛い記憶なんで、思い出さないほうが幸せだったりします。
因みにこの技の完璧な状態の場合は魂の根絶という。蘇生が不可能な状態にさせます。結構やばい技、ただ主人公がこの技を完璧に使えるようになるのは、まだまだ先です。
一応今回何故こんな話にしたかの話。
読者様や友人、知人から褐色巨乳美女の最初に登場した話で、主人公が処罰を受けたのがおかしいという意見を多数頂きました。
これの理由として主人公にぼこぼこにされた男が極魅了を使い一部上層部を魅了し強制的に主人公に罰を与えたという設定です。といっても魅了されていない常識的な上層部(男)はしっかり反対してそこまで重くない罰を課せられることとなりました。
その辺りの説明をしたくてこの話を書きました。
もちろんこの屑はこれから出てきてそれ相応の報いを受けます。
竜女・アマユキのことを褐色巨乳美女とか彼女とか、めっちゃごちゃごちゃに書いてある件について。
作者の文章力のなさのせいです。ごめんなさい。
【竜奥義・竜王の恐怖】
竜王という圧倒的強者に睨まれ威嚇されたと錯覚する奥義。つまり漆黒竜は竜王と同格っていうね。
基本的にこの奥義を食らえば一定以上の力と強靭な精神力がなければショック死してしまう。又それを逃れても恐怖で足がすくみ動けなくなる。結構やばい奥義、というかめっちゃ強い。
ただ、主人公は否定しているがガッツリ戦闘狂の為、その恐怖を前に怯えるのではなく立ち向かった、普通は出来ません。
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