第40話・子が子なら親も親だな
俺達の目の前で今あの超絶大英雄純武が謝っている。
だが、俺も鉄志も到底許せる気にはならなかった。
むしろはらわたが煮えくり返りそうなほど腹が立っている。でも彼から発せられる圧倒的なまでの強者のオーラに俺達は何もできずにいた。
――――――――――
どうして、今こんな状況になっているのか簡単に説明するとこうだ。
――――――――――
俺と鉄志が死霊王の使いの本拠地を潰し終えて少ししたら、北先生と純武 勇気もといクズ野郎と裏ダンジョン連合の人たちが転移してきた。
その後、すぐに俺達が死霊王の使い本拠地を潰したことが発覚。
一応スキル【超事情確認】持ちの人が現場を確認したが完全に死霊王の使い幹部に首領が死んでいることが発覚。
おかげで俺達は超絶褒められるというか称えられて、報酬として裏ダンジョン連合が渡せる範囲で好きな物を貰えることとなった。
鉄志は報酬として飛行スキルを強化するため、スキル重力操作、スキル摩擦力操作、スキルジェット噴射、スキル飛行強化、スキル滑空、スキル翼、スキル酸素供給、スキル噴射強化、スキル加速、スキル魔力隠蔽、スキル周辺影響軽減といったかなりマイナーだったり貴重なスキルを貰って、超絶喜んでいた。
俺は前々から調べていて今度行ってみようと思っていた人気のない闇系統ダンジョンを3つも貰えた。
そんなわけで、鉄志は楽しく飛行。俺は早速そのダンジョンに向かって眷族を大量生産させて自動アイテム生産をさせようとした時だった。
かの有名な超絶大英雄純武が俺達を呼んでいるということで何故か俺達がやりたいことを強制的に中断されて超絶大英雄純武の所に1時間かけて向かわされた。
そして向かわされた先で豪華な個室に案内された後1時間待たされて、ようやく呼んだ超絶大英雄純武様が来ると思ったら、そいつの部下が来て、後2時間ほどお待ちくださいと抜かしやがった。
ブちぎれて出ていこうと思ったが、流石に裏ダンジョン連合に北先生に頼まれている&あの超絶大英雄純武が呼んでいるということで2時間待つこととなった。
まあ、待ち時間は俺の闇空間にあるラノベや漫画を読み漁ったり、鉄志と話をしていたからそんな退屈はしなかったが。
それで、ようやく超絶大英雄純武が来た訳だが。
「君たち人を待っているというのに堂々とそのよくわからん気色悪い本を読むとはふざけてるのか」
第一声がこれだった。
マジで殺意が湧いたが、流石に自分よりも圧倒的格上に逆らえるわけもなくいそいそと闇空間に本を仕舞った。
「おい、泰斗といったか、経緯はどうあれうちの息子が迷惑をかけた、すまなかった。それと鉄志とやらもうちの息子が不快な思いをさせてしまいすまなかった」
頭も下げずにそう言って超絶大英雄純武は帰った。
明らかに上っ面だけの形だけの謝罪、これなら謝罪しない方がましなレベル、でも、何も言い返せなかった。そしてとても恐ろしかった。それだけの力を感じた。
「なあ、鉄志強くなりたいな、あいつをぶっ飛ばせるぐらいに」
「そうでござるな、泰斗殿」
そう言って、豪華な個室から出て、俺は貰ったダンジョンに鉄志は貰ったスキルを使いこなしより強くなろうと訓練場に向かったのだった。
――――――――――
超絶大英雄純武こと純武 研吾
数々の魔物暴走を終わらせ、第三次世界大戦が勃発しかけたがその武力を使いたった一人で第三次世界大戦を回避させ、数々の紛争を終わらせてきた、世界に名を轟かす超絶大英雄。
だが、実際は正義感ではなく自分が戦いたいからやっただけだったり、自分の女のために戦争を終わらせたり、莫大な報酬のために嫌々やったりと、非常に女好きで正義感溢れる人物ではない。
今回の謝罪も裏ダンジョン連合と北先生に言われて嫌々やったものであり、息子に対する愛情もほとんどない。
容姿は身長2メーター越えの野性味あふれるイケメン。
種族は戦闘狂魔王
息子、娘は数十人ぐらいいるらしい。
純武 勇気はそんな父の背中と優しく潔白な母の背中を見て育ち、歪んだ価値観と性格と正義感を覚えてしまったある意味被害者のような人。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます