見た作品の感想を言うだけ(ほぼ映画)

いずも

地球外少年少女

 この作品が見たいがためにNetflixに加入しました。マジで。

 ちなみに電脳コイルは未視聴です。

 今度絶対見るわ。


 SFというか宇宙を舞台にした作品といえばロボットものが多いですよね。

 個人的な信条として魔法少女とロボットは見ないと昔から決めています。

 某さくらで性癖が歪みすぎてやばいことになったので戒めのためです。

 ロボットは……何ていうか、某モビルスーツ的なやつに代表される巨大なロボを操縦する系は、科学や技術の力をさも自分の力であるかのような振る舞いをするのが子供心に許せなくて、某新世紀も見てないんですよね。

 パワードスーツ? みたいなヤツはまだ気にせず見られるんですが。

 なのでキディ・グレイドやタイバニは好きです。タイトル隠せよ。

 でもグリッドマンとダイナゼノンは見ました。トラウマ克服。ていうかあれ科学がどうとかじゃないし。


 異世界だからバトルしなくちゃとか、宇宙だからロボット出さなきゃとか、そういうお約束って存在しないと思いますが、半分は作り手側のエゴだと思ってます。そうしなきゃ売れないという思い込みというか、大半はそれを求めているし、実際そういう下地が出来ているのは事実ですが、メインテーマとして取り扱う必要はないことも我々は理解しているはずです。

 もちろん宇宙を舞台にしていてロボットというか機械が一切出てこないのも逆に変ですし、現実世界でも争いは起こるのに異世界では争いは起きませんとかディストピアかっての。


 話が逸れすぎてますね。

 つまり「たまにはこういうのもいいよね」で作られた作品こそ、マジョリティではない人たちが待ちわびていた作品であり、そういう人にとってはその作品こそがジャンルにおけるメジャーな作品であって欲しいと思っている作品なんだということです。


 さらに要約すると「宇宙=ロボットバトル、以外の作品をもっと世に出せ」ってことです。



 というわけで本当に見たかったんですこういう作品。

 バトル(アクション)シーンも機械VS機械ではなく人間VS人間で描かれているのもグッド。


 月で生まれ育った人間は重力ってどうなるんだろうって考えたことはあるので、やはり地球で生きていくのが難しいという主張は正しいと思います。

 ドラゴンボールの精神と時の部屋みたいな。もしくは重たい修行服着けてるみたいな感じでしょうね。



 AIに知能リミッターをかけるという発想がとても面白かったです。

 あくまで人間の支配下に置きたいという考えですね。

 シンクロニシティを引き起こさないようにってことでしょうか。

 作中的にはルナティック・セブン事件がある種のシンクロニシティってことかもしれませんね。


 あと作中で好きなシーンが4話くらいだったかの、宇宙ステーションあんしんが停電から復旧した際の、市長とAIのやり取り。


『私はトゥエルブ~(以下略)』

「黙れ、トゥエルブ」

『はい、黙ります』


 コミカルなシーンとして描かれているので面白いな、で終わってしまう程度のシーンですが、これって非常に馬鹿馬鹿しいというか、いかにも人間らしいシーンですよね。


 このAIは宇宙ステーションを利用する人すべてを対象として作られている故に、初めて利用する人でもわかりやすく使えるようになっているのでしょうが、そのせいで冗長な口上を聞かされる羽目になっている、というシーンです。

 これってパソコンの電源ボタンを押したらメーカーのロゴが出てBIOS情報が出てOSのロゴが流れて、(ユーザー名と)パスワードを入力して(昔だったら)「ようこそ」の画面が出てデスクトップが表示される……みたいな一連の動作と同じですよね。

 これ要る? って思いませんか。

 効率重視するなら企業のロゴなんていらないから、さっさと使わせろって話ですよ。

 規格が統一されており、かつ使用用途が一目瞭然であるならすぐに使用できる状態になっていることが効率的ですよね。

 電卓の電源入れて「これはシャープ製で何桁まで計算可能で四則演算に使われているプログラム言語は……」なんて言われても困りますよね。

 電卓は省略可能なのにパソコンが省略されていないのは我々人間側の都合ですよね。

 あえてロゴを出している。

 そう思うと人間って愚かというか、絶対に機械とは相容れない存在だなって。

 未来でも同じことやってるだろうなってのが容易に想像できるこのシーン、すごく好きです。



 キャラクターが個性的で活き活きしてますよね。

 宇宙そらチューバーの美笹みささ 美衣奈みいなとか結構トリックスターとして場をかき回す存在ですが、不思議とそこまで不快感はありません。

 それって多分「本当にいそうなイマドキの若者像」をきちんと体現できているからかもしれません。

 そして相模さがみ 登矢とうやの成長譚でもある物語ですが、この主人公も魅力的に描かなければ物語として深みが生まれません。


 フォロワー1億人超えの凄い少年→実はただの中二病→秘めたる目的がある→仲間と協力して脱出を図る→唯一の理解者七瀬ななせБベー心葉このはの命も救う→嫌がっていた地球での暮らしに落ち着く


 物語としてはこれ以上ないくらいに王道で、平穏を求める主人公が危機に巻き込まれて世界を揺るがす事件の当事者となって解決に当たり、最終的に平凡な一市民に戻るという展開。

 宇宙チューバーの美衣奈はその後もアイドルとして成功していますが、元々のキャラ設定からするとこれは普通の展開というか、これで注目されなかったらその方がおかしいですし。



 ぶっちゃけ、特に引っかかることもなく「おもしれー」って見入っちゃったんでああまり感想として述べることないんですよね。

 普段見ないジャンルとか、内容に思う所があれば記憶に残りますが、それこそ気になったのが「黙れ、トゥエルブ」の箇所くらいで、後はただ自分が見たかったものが見られて満足でした。


 余裕があればもう一度見直したいかな。

 予備知識無しだと設定がよく見えないままに少しずつ分かってくる感じだから、全部わかった状態で見ると見え方が全然違ってくるんでそれもまた楽しめるかと。

 那沙なさ・ヒューストンがコルセットを作ってると偽って銃を作ってたり、伏線もしっかり練られてるんですよね。

 個人的に気に入るキャラってだいたい裏切り者になる。

 作り手側の立場になると裏切り者キャラって魅力的に描こうとするってわかりますよね。


 そうそう、那沙って最期死ぬ必要あったのかって疑問はあります。

 ストーリー的にはわかりますが、生き残らせる選択肢ってなかったのかなって。

 現実的な話、テロリストが無事帰還、お咎めなしってのも変っちゃ変かー。信念の死も王道なんですけどね。

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