きっと醒めない夢の中で

はなくそ

変わらない日々

第1話 イヤな夢

ハッと驚く様に目が覚めた。


普段はこんなこと、ほとんどないというのに、一体今日はどうしたんだろう。


それは真冬の日、後ろから突然、冷たい手をマフラーと首の隙間に、差し込まれた様な。

急激に、意識が冷め切る感覚。


程なくして、アラームが鳴る。

あー、あと2分くらい寝れていたのか。

自分でセットしたくせに、

自分で起きたくせに、

そんなことにイライラすることにも、

もう慣れてしまった。

鳴り始めたジリジリという大きな音を

咄嗟に止めると、あれ?

自分の右頬をツーっと涙が伝った。

えっ、、と。泣いていたんだっけ。


ぐらんっと、目の前が揺れる。

昨日の夜も、いつもと変わらなかった。

眠ろうと、目をつぶって、

でも意識は眠りにつかなくて、

眠りたい眠りたいと体ばかりが進行する感覚。


目は閉じていても起きているというのに、

1秒前に自分が何を考えていたのか、

必死に考えても思い浮かばないほど、

意識は遠のいている状態。


そこまではいつもと変わらなかったはずなのに、悪い夢でも見たのだろうか。

あーそうだ、、

じわじわと断片的に脳裏に蘇る悪い夢に、、

私はもう一度目を閉じて体を預けた。

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