#140字小説 百物語

武藤勇城

#140字小説 2020/7/15投稿分

気が付くと15世紀。そこは大航海時代だった。小さな船を買い近場で交易。やがて商隊は大きくなった。次はジパングだ。現代の世界地図を知る俺にとって簡単な話だ。胡椒と銀の貿易でぼろ儲け。その資金を持ち新大陸を目指す。黒人奴隷のいない新アメリカを建国。俺は新世界の覇者となった! #140字小説

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トトカルチョで6憶円が当たった!

まさかのキャリーオーバー全額当選。通帳に記された9桁の数字。恐る恐る窓口で500万円引き出してみたが、間違いなく現金が手に入った。

酒池肉林の大豪遊。金さえあれば世界の美食も絶世の美女も有名女優でも何でも思いのままだ。

…という夢を見たのさ。 #140字小説

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俺の名は冴無遼(さえぶりょう)。新宿の種無しと呼ばれたストイックなハンターだ。

今日も依頼は無い。酒も女も大嫌いな俺は、ボサボサの頭をかきむしり家に戻る。大家としての収入だけはあるので、趣味の筋トレをしてから日がな一日寝て過ごす。

明日もきっと依頼は無い。日本は平和だ。 #140字小説

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吾輩はぬこである。猫ではない!ぬこである!

誰だ!吾輩を猫と呼ぶのは!猫ではない、ぬこである!

猫とぬこの違い?そんなの決まっておろう!

お前は「な」と「に」と「ぬ」と「ね」と「の」の区別もつかんのか!

吾輩はぬこである!断じて、猫ではない!

ぬこである!名前がぬこである! #140字小説

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俺は気が多い。見る人見る人、それが異性であれば誰でも好きになってしまう。

昨日告白したあの人には振られたが、今日生まれて初めて告白された。もう大好きだ。告白されただけで大好きになった。今では俺の方が相手より好きな自信がある。

夜。もう振られた。

明日はあの子に告白しよう。 #140字小説

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